第30話 最初の報せ
30話 最初の報せ
春先の近江は、まだ骨の髄まで冷えるような寒さを残している。前年もこんな身体に染みる寒さがあったのに…1558年の春先であった。
城の奥書院。差し込む柔らかな春の陽光が、床の間に置かれた甲冑の影を長く伸ばしていた。だが、その静寂の中で義仲の表情は氷のように硬い。眉を少しだけ上げてふっと息を吐くようにつく。
(――来たか我が策が実って行く時が来たか……)
義仲の瞳が、床の木目ではなく、その先にある「盤面」を捉える。ずっしひとした目付きでその盤面を見て少しニヤっと口角上げて笑った。
膝前に控えるのは、甲賀衆の取次役、杉谷新兵衛。影に溶けるような身のこなしの男が、平伏したまま低い声で告げた。毎月何があった時はこうして義仲個人的に情報届ける者として杉谷を選んでいた。
「殿。甲賀筋より、最初の報せにございます。
我々も初めてなので誤りございますがご了承ください
ませ。」
義仲は即座に応じず、一拍の沈黙を置いた。その僅かな溜めが、場の空気を真空のように張り詰めさせる。重臣たちの息遣いさえも、義仲の意図を測るかのように止まった。そして他の者の意識が注目する時に
そして義仲の他には近臣達もこの奥の書院に集められているのだ。
「……申せ 色々な事があったのだろう詳しく教えて
くれ」
「三好方、摂津の商人を通じて兵糧を動かしております。名目は“市の備え”ですが、量と搬送経路に異常が。……明らかに、兵糧攻めあるいは遠征の準備ですた度々三好の兵が市場や商人の所に来ては物や食糧買っておるようでありまする。」
座中がざわめく。
右座に控える軍奉行・遠山恒一が、厳めしい顔で眉を寄せた。
「三好が近江を狙っているのか……。摂津からの運び込みとなれば、戦の兆しと見てもまして市場来ると言うことはその土地の商人や農民も掌握しておるとも
思いまするな。間違いあるまい」
対する政務方の重鎮・小寺景綱は、慎重に首を振る。
「いえ、まだ“準備”の段階でしょう。兵糧を蓄え、足場を固める段階。市場の者は大体は分かっておるかもだが農民知らんだろうよ…だが、動きはあまりに
早い」
義仲は黙したまま、盤面上の駒を脳裏で転がす。
(早いな……思ったよりももう少し夏前頃に2万から4万の間の数で率いてくるのと思っておるが多少なりとも時間掛かるばす……軽く偵察か?)
伊賀・甲賀との契約を結び、墨も乾かぬこの時期だ。影が網にかかったという事実は、彼らが確かに近江のために動いたという証明でもある。大体ながら伝えてくる国衆ともは違う正確性が有り、大いに助かって要るのだ。
(使えば、戻れぬ。影を飼うとは、自らも闇を背負うことだ。だが――)
義仲はゆっくりと顔を上げた。その瞳には、家臣たちを導く主君としての威光と、冷徹な計算が同居している。
「伊賀筋はどうだ何が探りや調査しておるか?」
「伊賀は……慎重です。ただ、我らが三好の動きを察知しているか、その『測量』を始めている様子。こちらがどこまで知っているか、探りを入れております」
その言葉に、義仲の近習であり、実戦派の柿崎宗家が低く笑った。
「探らせておけばよい。こちらが焦れば、向こうも疑い、三好に鞍替えするきっかけを与えかねん伊賀は金で何でも雇われるからな少し信用出来んまぁ伊賀衆もだとは思うが甲賀衆と違ってな…」
「だが、放置すれば三好に決定的な情報を売る恐れもある」と、遠山が釘を刺す。
義仲は、そこで初めて細い口元を緩めた。その笑みには、大狼の如き捕食者の余裕があった。
「だからこそ、だ。例えそれが三好達に利用されようとも我々には手がある長慶と伊賀衆にはこれからは好きさせんぞ!義仲の力を少しずつ味わって貰うわ。」
家臣たちの視線が一斉に集中する。義仲は、彼らが想像もしなかった一手を見据えていた。
「甲賀には“事実”を流せ。敵の動向、兵糧の量、全てだ。伊賀には――“噂”を流せ」
「噂、とは……?」と、小寺が戸惑いながら問う。
「三好が動く、という噂だ。ただし――時期も規模も、曖昧にな。我らが知っているという事実を突きつけつつ、すべてを読み切ってはいないと思わせる。疑心は、最も安く、かつ強力な兵だ」
義仲は心中で呟く。
(刀を抜かせず、戦の火を消す。それが出来ねば、影を飼う意味などない)
「杉谷。甲賀には約束通りの功を約せ。伊賀には選択肢を与えよ。我らの敵にも味方にもならぬ道をな。あちらが『近江を知る』のではなく、『近江に泳がされている』と錯覚させるのだ」
「はっ」
杉谷は影のように消えた。
沈黙が再び場を支配する。柿崎が絞り出すように言った。
「殿……これは、戦の采配より遥かに恐ろしい」
「だからこそだ」
義仲は障子の外、春の風を眺めた。
(戦は、勝てば終わる。領土を広げれば勝利だ。だが――国は、勝った後が地獄だ。真に強い国とは、戦わずして敵の足元を崩せる国を指す)
外の世界はまだ静かだ。しかし、義仲の張り巡らせた「見えぬ糸」は、確実に敵の喉元を締め上げようとしていた。近江という国が、静かに、だが着実に変貌を遂げている。
小説になろうのAI規制についてですが自分のこの六角
義仲異見聞は最初からGeminiの力でやって貰っておりますm(*_ _)m全体的に書いてもらいそこに改行や加筆等しており、なろう規定で
AI不使用AI補助的利用(プロット、アイデア出し、校正などにAIを使用)AI間接利用(AIで生成した文章を大幅に加筆・修正して使用)AI直接使用(AIで生成した文章をそのまま、またはわずかな修正で使用)となると
6月9日から試験的にスタートらしく9月からこれを設定しないと更新出来ないとの事
(´;ω;`)
1話〜5話までGeminiで5話〜30話までChatGPTとGeminiに跨いで作っています。自分的にはAIの間接的な利用かAIの直接使用だと思います。400文字以上や300文字は大幅な加筆や修正なのか?分かりませんね〜……
多分直接使用の方がいいかも?9日からはそのラベル貼りながら様子見ます。




