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2-10 紅の迷宮(上)

遅れて本当にすみません

「孫を、モアを助けてください!」


「えっ」


予想外の言葉に呆然としたが、取り敢えず村長に客間のいすに座ってもらうことにした。


「それで、どうしたのですか?」


リオは静かに訪ねると、村長は涙を流しながら口を開いた。


「本当は自分たちで解決しなければいけないことですし、こんな危ないことをまだ子どもである、リオさまに頼むなんてもってのほかです。ですが儂たちではどうにもならないのです。本当にすみません」


その顔は本当に苦しそうで、悲しそうで、どこか自分自身に対して怒ってるような、そんな気がした。

確かに自分はまだ六つだし、子どもに危ないことはさせてはいけないかもしれない。だけど...


「今の自分は子どもです。ですが、俺はそれと同時にここの領主です。村のみんなは俺の無理な要求に応えてくれたし、俺を信じてなんでもしてくれた。こどもであっても信じてくれた。だから俺も出来る限りのことをしたいんです。どうか自分を責めないでください。では、俺らにはなにができますか?」


このことを聞いた村長は涙を流しながら少し困ったように微笑み、ゆっくりと詳細を話し始めた。


「リオ様には何度感謝しても足りないですね。まず儂の孫について少し話します。儂の孫、モアは人間の母とエルフの父の間に生まれたハーフエルフの子なのです。それ故にか魔力も普通の子の倍もあったのです。さらに、ものおぼえもよく風と光は中級、その他も初級までできるようになり、天才とうたわれたのです。来年は村の希望として王都にある魔法学園に行かせるつもりでした。容姿もよくいつも可愛がられていたのです。ところがリオ様達がここに、やって来たのです」


どうやらこの話は自分たちとも関わっているようだ。なんとなく話がわかり、まさかっと思った。


「リオ様達には高度な魔法技術に身体能力、モアを遥かに越える容姿などがあります。それらにモアに敵うところは一つもありませんでした。それにモアは嫉妬したのだと思いますす。そして自分が凄いということを証明するために行動を起こしたのです。村外れに迷宮があることをご存じですか?モアは其処に行くと置き手紙を残していなくなってしまったのです...」


「迷宮ですか?」


聞いたことがなく、ついといかえしてしまった。フウは何か知っているようで顔が険しくなっていた。ついでにさっきの話だが俺達といってもほとんどフウの話なのだ。それでも俺達と俺を気にしてくれた村長に暖かい心を感じた。そして村長が続きを話そうとしたときフウは口を開き訪ねた。


「失礼ですが、まさかそれって灼熱の魔人がいるところに行ったわけではないですよね...」


「いえ、残念ながらフウ様の言っている迷宮なのです。無理なのを承知のもとです、モアを助けてくださいお願いします」


村長はまた深々と頭をさげた。話の急展開についていけず俺は混乱した。


「なら此処でしゃべっている暇なんてないです!リオ様早く向かわないといけません!!」


フウは慌てて部屋にある太刀を取り、外にでる準備を始めた。

俺には灼熱の魔人とはなんなのか、どうなっているか全然わからなく、ただモアさんが危ないということしかわからない自分を情けなく思った。


「いや、灼熱の魔人って何?どういうことだよ?」


「取り敢えず行きましょう」


フウに手を引っ張られ、最高速度で迷宮という場所を目指して俺は家を出た。


「孫をお願いします......」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


良いことなのかわからないが迷宮までは岩場があるものの魔物もいない一本道だった。俺は迷宮までの道を駆けながらフウにさっきのことをきいた。


「ところでさっき言っていた灼熱の魔人とかって何なんだ?てか何でお前はこの迷宮を知ってるんだ?」


「まず、灼熱の魔人に関して何ですけど、私が何で迷宮を知っているかっていうのの答えにもなるんですよね。リオ様は私と最初に出会った場所覚えています?」


「大森林だろ。刀をつきつけたあげくに行き倒れ」


フウは少し唸り声をあげ再び説明しはじめる。


「うぅ、そう言われると痛いです、まぁそうなんですが...私が大森林に行ったのには訳があったんです。私はリオ様と出会う前は冒険者をしていたんです。それなりに危ない依頼も、こなしていました。そして私が最後に受けた依頼が『紅の迷宮にいる灼熱の魔人の排除』です」


「それでマーメルに行く途中に行き倒れたと」


「まぁ、そういうことです。魔人というのは知っていると思いますが、圧倒的な魔力を持ち人を殺すことをどうとも思いません。寧ろ逆に殺すことに快感を覚える者もいます。さらに今回の個体の危険度はsランク。簡単に倒せる相手じゃないんです!!」


「わかってるよ。モアの救出がだろ。魔人は後だろ」


とはいえこの先、村に害をなす可能性が高い。先に殺っておくべきだろう。


「リオ様、信じていますよ」


何を信じているのか、何に対しての信じているのか、いつものようにおちゃけているようで、だけどどこか信頼性があった。


「さぁ、つきましたよ。紅の迷宮です」




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