ウサンクサーの秘密
「ウサンクサーさん、女性陣は2人部屋を、
3人で使う形の方で、お願いします。」
ポラリらの希望を聞いてから、
ホテルの受付カウンターへと戻ったコインが、
受付係を務めていたホテルオーナーのウサンクサーへと、そう告げる
「サンキュー ジェントル!
ご希望の方を承りました。コイン様、
では、こちらの御宿泊名簿の方に、
皆様の、お名前と御職業を御記入くださいませ」
「はい、分かりました。
僕が代表して、皆の分も記入して良いですか?」
「はい、全く持って問題御座いません、
コイン様に置かれましては、私めのジェントル センサーにて、
グレート・ジェントル級との判定が出て居りますので、
全幅をお持ちしましての信頼をお寄せ致しておりますので・・・」
「そ、そうなんですか、
それは~、その~・・・ありがとう御座います?」
コインは、何と返事を返せば正解かが分からなかったので、
取り敢えずは、そう、礼を告げてから、
こちらの世界へと来た際に授けられた『異世界言語』スキルを使って、
世界共通語にて宿泊者名簿への記入を始めた。
「いえいえ、こちらこそ如何致しまして、
う~ナイス・ジェントル!」
「は、はあ、それはどうも・・・
え~と、一応一通りの記入をしてみたんですけど、
御確認をして貰えますか」
「はい、御拝見をさせて頂きます。
ふむふむ・・・なる程・・・そう来ましたか、
おっ!?・・・ま、まさか・・・そ、そんな・・・」
「あ、あの~、僕が記入した内容に、
何か問題でも、あったんでしょうか?」
「いえいえ、コイン様の問題では御座いませんよ、
御記入された御内容の御確認をしようとしましたところ、
私めが、出身地である『サンドロウィッチ州』の方言である、
『サンドロウィッチ地方語』しか読めません事を思い出しまして、
ご内容を、全く持って御理解出来ない事に気付き、
驚いていた次第で御座います。」
「よくホテル オーナーになれたな!?
ってか、何で共通語が分から無いのに受付してるの!?」
「はい、私めは、この広い宿泊業界の中でも
『金はタップリ・学はチョッピリ』として有名ですからな、
ここに、こうして居りますのは、
所用で席を外した受付係の隙を付きまして、
コッソリと佇んで居ったに過ぎませんな、
何しろ、当ホテルの従業員らからは、
私めが表立って、お客様方の御接客を致しますと、
ご利用の御客様が減るから止めてくれと、
口を酸っぱくして注意されて居りますからな、ハッハッハッ」
「ソレって、笑ってる場合か!?
早く、本職の受付係を呼べや!」




