表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/238

由緒正しき・・・

「お~い村長!馬達を連れて来たぞ」

村長の案内で、村が所有する馬車が置いてある駐車場で、

サナエ一押しの馬車に荷物を積み終えたコインらの元に、

馬の手綱を1頭づつ引いたシロミミと、その妻がやって来た。

ちなみにサナエが、お薦めという馬車は、

コウガ王国製の最新型との事で、高性能の衝撃吸収装置が装着されているので、

荒れた街道を走る馬車に付き物の、

お尻が破壊される様な振動を殆ど感じない程の、優れものとの事であった。


「どうだ?シロミミ、丁度良さそうな馬は居たか?」

村長が、そうシロミミに尋ねる


「おう!村長、ウチのサナエを始め、

お客人方は、皆、お若い方ばかりだからな、

気が合う様にって、馬の世話番のオグリ爺が、

若くて、生きの良い牡馬と牝馬を1頭づつ選んでくれたよ」


「オグリ爺が選んだなら間違いねぇな」


「おう!早速だが、俺とウチのやつで馬車に繋いじちまうわ」


「おう!頼んだぜシロミミの」

村長の返事を聞いたシロミミは、

妻と一緒に、馬を馬車へと繋ぐ作業に入る


「オレも手伝うよ!親父、お袋」

どうやら、冒険者になる前は、

いつも、シロミミの作業を手伝っていた様で、

手際よくサナエも、その作業を手伝い始めた。


「もう少しで準備が終わるから、

ちょっと待っててくれや」

その作業を眺めながら、村長が、そうコインらに告げる


「ああ、全然構わないよ、

何せ、こっちは、旅するのに有り難い馬車を贈って貰ってるんだしね、

多少、村から出発するのが遅れた所で、

馬車でなら、アッと言う間に取り返しちまうさ」

「快適な旅を御案内出来る」

「僕は馬車に乗るのは初めてなんで、凄く楽しみです。」

『キュキュ~!』


「そうか、ファーも馬車に乗るのが楽しみだそうだ・・・

そう言えば、さっき、そっちの嬢ちゃんが言ってたが、

あの馬らの名前は『サクラ』と『バサシ』にするのか?」


「それって、確かパサラが、ライ様方と冒険者をしていた時に、

乗ってた馬車馬の名前だよね?」


「そう、由緒正しき名前」


「ふ~ん、そうなのか、

言葉の意味は分からんが、馬達もプルプル震えて喜んでるみたいだから、

良い名前みたいだな」


「いやいや、村長さん、

僕は、馬達が喜んで震えてるんじゃ無いと思いますよ、

パサラさん、その名前って意味を知った上で付けてるんですか?」


「知らない、

フィーリングで決めた。」


「フィーリングなのに、

ピンポイントで、この2つに決めるって・・・」


「パサラは、昔っからライ様に、

ニホンの話を色々と聞いていたから、

馬に関係した単語の中から、この2つを選び出したんじゃないか?」


「へ~、この名前には、馬に関係した意味があるのか」

コインらの会話を聞いていた村長が、そう告げる


「そう、美味しく頂かれない様に『頑張れ』って意味がある」


「やっぱり、パサラさん、意味が分かってて名付けてますよね!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ