それ、違法ですよ!
「そんじゃ、お願いねファー
『マイ・バンク1円玉出ろ!』からの~『コイン・ブースト!』っと・・・」
コインが、ユニークスキルを発動したのを見届けてから、
ファーが『浄化』の呪文を唱える
『キュキュキュ~!』
皆と同じ様に、白い光に包まれてから、
その光が徐々に治まったコインに、パサラが『鑑定』を掛ける
「『鑑定』・・・むっ!こ、これは・・・!?」
「ど、どうしたんですか!?パサラさん、
ぼ、僕の鑑定結果に、何か問題でもあったんですか!?」
「うむ、全能力がマイナス300パーセントと出ている」
「マ、マイナス300パーセント~!?
何で、僕だけ大幅なマイナスになるんだ~!?」
「と言うのは、冗談でホントは同じくプラス30パーセント」
「ホント止めて下さいよ!パサラさん
一瞬、取り返しがつかない事を、やってしまったと思い、
目の前が、真っ暗になったじゃ無いですか」
「一瞬、目の前が暗くなるのは、
私の所為じゃ無くて『真っ黒クロ太郎』の所為」
「何、危ない言い訳してるんですか!
某漫画家の巨匠だったら、訴えられているところですよ?」
「あのスタジオは、心が広いから大丈夫」
「そうですよね~、皆さん寛大な方々ばかりだから・・・って、
何で、パサラさんが、日本の有名アーティスト・スタジオを知ってるんですか?」
「ニホンのエイガを映し出せる魔導具で見せて貰った。」
「へ~、そんな凄い魔導具があるんですか、
こっちの世界なら、著作権料とか取られないから良いですね」
「著作権料は、次の作品の糧になるから、
ちゃんと払わないとダメ」
「そうですね、皆さん、違法な放映権の侵害は止めましょう~」
「さっきから、お前たちが何を言ってるのかは分からんが、
コインに付いた加護が、他の皆と同じという事は、
ファーの能力が上がっても、加護の強さは変わらんという事で良いのか?」
痺れを切らした村長が、そう質問をする
「ああ、そうなんだろうね、
多分なんだけど、ファーの魔力が増えて、魔法が使える回数なんかは増えても、
魔法の威力の方は、レベルに関係してるって事じゃないのかね」
「それじゃ、ポラリさん、
ファーのレベルが、もっと上がってくれば、
加護で付く強化の数値も上がって来るかも知れないって事ですか?」
「私も、その可能性が高いと思う」
「なる程、コインのスキルで強化するなら、
威力が高い魔法の方が、効果が上がるって事っすね」
「ああ、そうだね、
まあ、それは、ファーのレベルが上がるのを見ながら、
おいおい検証をしていけば良い事なんだが、
取り敢えず、今の段階で調べて置きたいのは、
ファーの加護が、重ね掛け出来るのかって事の方だね、
でも、ファーの魔力は、あと何回分かは残ってるみたいだけど、
問題は、数に限りがあるコインの『マイ・バンク』の中身の方だよね、
まだまだ、残高に余裕があるとはいえ、
こう、ポンポンと試しに使っても良いもんなんだか・・・」
「ああ、それに付いては多分、大丈夫だと思いますよ、
自分の、ユニーク・スキルを色々と検証していた時に、
偶然タイミングが重なって、気が付いたんですが・・・」




