ユニークスキルはチートだよね
「パサラの姉さんは、『鑑定スキル』持ちなんっすか?
そりゃ凄いっすね、
冒険者とすれば、ノドから手が出る程に欲しいスキルっすよね」
サナエが、羨望の眼差しでパサラの方を見ながら、
そう言った。
「ん、まあ、それ程でもある」
「パサラの鑑定スキルは、ライ様のお蔭じゃないのよ」
「ライさんて、パサラさんの、お兄さんですよね?
鑑定スキルが、お兄さんのお蔭って如何いう事なんですか?」
「それについては、う~ん・・・さっきコインに、
人のスキルの事をバラすなと言った先でアレなんだけど、
まあ、あの御方々を如何こう出来るヤツらなんて存在しないだろうから、
特別に、コイン達になら話しても良いかな・・・
簡単に言うと、パサラの鑑定スキルは、
ライ様から、分け与えられているものなのよ」
「ライ兄ぃの、私への愛がなせるワザ」
「何っすか?それ、
コインは分かるか?」
「いえ、僕も分からないです。」
「どう言う事かって説明をするとね、
ライ様の親しい御友人に、自分のスキルの力を、
任意の人物に分け与えるユニークスキル持ちの方がいらっしゃるんだけど、
ご自身のレベルが上がったら、自分のスキルだけじゃ無くて、
他人のスキルを、任意の人物に分け与えられる様になられたそうなのよ、
だから今回は、そのユニークでライ様の鑑定スキルを、
パサラに、分け与えたって訳ね」
「私の、冒険者活動に役立つスキルって、くれた。」
「何っすか!?その、めちゃくちゃ凄すぎるスキルは!」
「ホントそうですよね!仲間内に強力なスキルを持った人が居れば、
無敵のパーティーが出来上がるんじゃないんですか?」
「まあ、分け与えられる人のレベルが、
元のスキルを持ってる人のレベルに、ある程度は近くないと移せないとか、
移したスキルの能力が少し落ちるとかの制約はあるんだけどね」
「私も、ライ兄ぃも高レベルだから、
遜色無く使える」
「それにしたって凄いっすよ!」
「自らのレベルを上げれば、大概は分けられるって事ですもんね」
「まあ、確かに、反則級な能力なのには違いが無いね」
「ライ兄ぃの関係者には反則級の人が多い」
「まあ、何でパサラの姉さんが、
鑑定スキルを持ってるのかってのは分かったんで、
ちょっくら、オレのステータスを鑑定して見てくれるかな?」
「ん、分かった。『鑑定』・・・う~む、興味深い」
「サナエさんの体調の原因が、
何か、分かりましたか?パサラさん」
「うむ、呪いは、ちゃんと解けているから、
一先ずは安心して良い、
それから、体調が好調過ぎる理由は、
恐らく称号の欄にある『ファーの加護』というのが原因と思われる」
「「「「「ファーの加護!?」」」」」
『キュキュ~!?』




