スキル発動!
「なあ、コイン、
お前のスキルってホントに、そんな凄ぇもんなのか?」
サナエが、やや期待を込めた表情で、そう聞いて来る
「ええ、一応、ポラリさん達には確認をして貰ったんで、
魔法を強化出来るのは間違い無いですね」
「そんじゃ、そのスキルでファーの『浄化』を強化して、
オレに掛かった呪いを解いてくれるのか?」
「はい、村長さんや、シロミミさんに頼まれましたし、
この村は、新しく仲間に加わったファーの出身地でもありますからね、
僕が出来る事なら、ご協力を惜しまない心算ですよ」
「お~!サンキュなコイン、
そんじゃ、いっちょ、やってみてくれるか?
それとも、スキルを使うのには何か準備とかがいるのか?」
「いいえ、サナエさんの方が良ければ、
僕の方は、直ぐにでも出来ますよ、
それでは、僕のスキルを試しても宜しいでしょうか?」
「おう!やってくれ、やってくれ」
「了解です。
そんじゃやっぱ、最初から一番強く強化した方が良いだろうな、
『マイ・バンク!』1円引出しっと・・・」
スキルを唱えると、コインの掌に1円玉が現われる
「おっ!?何だ?そのコイン、
そんなに小せぇのに、随分と細かい模様が入ってるな」
コインの掌に現れた1円玉を見て、
その模様の精密さや細かさに村長が驚きの声を上げる
「これは、まあ、僕のスキルを使うのに必要な、
触媒みたいなもんなんで、この世界では入手出来ない、
アーティファクトとでも考えてくれれば良いと思います。」
「ふ~ん、そうなのか・・・ああ、邪魔しちまって悪かったな、
そんじゃ、続けてやってくれや」
「はい、では、続けさせて頂きますね、
急に発動しても困るから、
一応、1円玉はテーブルに置いといてっと・・・
そんじゃ、ファー、僕が『コイン・ブースト』って言ったら、
続けて、サナエさんに『浄化』の魔法を掛けてくれるかな?」
『キュキュ~!』
コインは、ファーに確認を取ると、
テーブルの上に置いた1円玉を拾い上げてから、
頭の中でファーの魔法を強化する事を考えながら、
スキルの名前を唱えた。
「良し、そんじゃ行くよ、『コイン・ブースト!』
今だ!ファー」
『キュキュキュ~~~!』
「おわっ!?」
すると、サナエの体が純白の光に包まれ、
直視をすると目が眩む程に輝いた。
「「「「「目が、目が~!」」」」」
興味本位に、コインらの動向を見守っていた者達は、
その光に目が眩んで騒いでいる
「どうかな?上手く行ってくれたかな?」
コインが、その眩しさから目を細めて見守っていると、
徐々に、サナエを包む光が治まって来たのが見て取れた。




