歓談
「では、改めまして今晩は、僕の名前はコインと言いまして、
先程、ポラリさんが言ってましたが、
こちらの御二人とは最近知り合いましてパーティーを組む事になりました
と言っても、僕はまだ冒険者登録をしてないんで、
今現在は、まだ冒険者じゃ無いんですけどね・・・
こちらの御二人と同じく、他の国からダンジョンに潜る為に来たんで、
元々、冒険者には成る予定だったんで、
ベテランの御二人とパーティーを組めるのは、とても心強くて助かります。
また、この村でファーという新しい仲間に出会えて、
こうして、歓迎をしてくれる皆さんとも出会え、
本当に、この国に来て良かったと実感しています。
この村はファーの故郷なんで、また顔を出す様にしますから、
その時は、また暖かく迎え入れて頂けたら嬉しいです。
今日は、本当にありがとう御座いました。
ファーも何か一言言っとく?」
『キュキュキュ~!』
「オッケー、じゃ乾杯に行きますけど、
皆さん、コップの方は行き渡っていますでしょうか?・・・大丈夫みたいですね、
じゃ、行きますよ!皆さんとの出会いを感謝してカンパ~イ!」
『キュキュ~!』
「「「「「カンパ~イ!!ワ~!パチパチパチパチ・・・」」」」」
「コイン君、ファー、ありがとうね、
それでは皆様、お時間の許す限りでは御座いますが、
楽しく御歓談の程を宜しくお願い申し上げます。
拙い進行役で申し訳御座いませんでしたが、
皆様、ご清聴ありがとう御座いました。」
「「「「「ワ~!パチパチパチパチ・・・」」」」」
「良くやったぞ!ハトリン」
「名進行役振りだったぞ!」
「見事なもんだ!」
皆の声援に、ペコペコとお辞儀を返しながらハトリンが自分の席へと戻り、
歓迎会のオープニングは無事に終了をした。
「コインは何飲んでるんだ?」
挨拶と、乾杯の音頭を何とか無難に切り抜け、
自分の席でホッとした様子でコップを傾けていたコインに、
村長が、そう尋ねて来る
「僕は、果実水を頂いています。」
15歳で成人を迎える、この世界シエラザードでは、
コインが飲酒をした所で別段問題が無いのではあるが、
日本の高校生であったコインには飲酒の経験が無く、
新たな、この体も飲酒をした際に、どの様な状態になるかが分からない為、
一応、飲酒には興味があったものの、無難に果実水にして置いたコインであった。
ちなみに、パサラとポラリの2人は、
仄かな甘さと、口当たりの良さで女性に人気が高い蜂蜜酒を嗜んでいる
「ん?何だ、コインは酒は飲まないのか?」
「飲まない・・・っていうか、
今まで飲んだ事が無いんで、酔っぱらった時に、
自分が如何なるかが分からないんで怖いんですよね」
「そんじゃ、今日なんか良い機会じゃねぇか、
この村の連中は、多少酔っぱらって騒いだ所で、
文句を言うヤツなんて一人も居やしねぇから、
試しに、ちょこっとでも飲んでみたらどうだ?」
「試しにですか・・・そうですね、
今後も、こういう機会に恵まれる事があるかも知れませんから、
少しだけでも頂いてみようかな」