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意外な才能

「こりゃ驚いたぜ・・・

『ファー』が俺以外の人間に自ら近付いてくなんてな、

こいつは子供らの中で唯一のメスで、

毛並みの方も母親譲りの見事なパールホワイトなもんだから、

見た目の美しさや可愛さから一番人気があるんだが、

子供らの中でも特に警戒心が強くてな、

普段なら、俺以外の人間を見掛けると、

アッと言う間に親の後ろに逃げ込んじまうんだよ」

村長が、コインへと擦り寄っている子イタチを見て、

驚きの表情を浮かべながら、そう告げた。


「そうなんですか?

そうとは、とても思えない程の懐き振りなんですけど・・・」

「ホントだな、尋常じゃ無いぐらいコインに懐いているよな」

「私もモフモフしたい」


『キュキュキュキュ~!』


『ギュギュ?

ギュギュギュギュ~!』

『ギョギョ!?

ギョギョギョ~ギョ~!』

コインに、スリスリしながら何かしらを告げた子イタチに対して、

親イタチらが何らかの返答を返す。


「村長さん、この子達は何て言ってるんですか?」


「随分と、この子に気に入られたもんだなコイン、

この子がコインに付いて行くって言ったのに対して、

親達が、外の世界には危険が一杯だから止めた方が良いって説得してるんだよ」


「マジですか!?

子供とはいえ、2メートル以上はありそうな魔獣を、

連れて歩くってのは、ちょっと無理があると思うんですけど・・・」

「そうだね、外敵に対しては私やパサラで全然守り切れると思うけど、

これだけ目立って可愛いとなりゃ、

いらんトラブルを引き起こすかも知れないからね」

「むぅ・・・連れて行きたいけど残念」


「ああ、それに関しちゃ心配いらんぞ、

ファーは『身長変化』ってスキルを持ってるから、

小さくなる分には自由自在なんだよ」


「えっ?そんな便利なスキルがあるんですか?」

「冒険者が従えている獣魔で、

偶に、そんなスキルを持ってるのが居るって聞いた事があるね」

「小さくなれるなら問題なさそう」


「コイン達が、この子を連れて行っても良いって言うなら、

俺の方で、ハヤイ達を説得するが如何する?」


「村長さんは良いんですか?」


「おう!俺としては、この子らの意見を尊重したいから構わんぞ」


「僕達は、首都に着いたらダンジョンに潜ろうかと考えているんですが、

僕らが留守の間に、一人で留守番とかさせて置くのは可哀想じゃ無いですかね?」


「うん?それだったら一緒に連れていきゃ良いじゃねぇか、

こう見えて、こいつらは中々の強さを持ってるんだぜ、

動きは素早いし、魔力を纏った毛皮は強靭だし、

その牙や爪は、鋼鉄の鎧だって引き裂く威力を持ってるんだぞ、

それに、何と言ってもファーは白魔法が使えるから、

パーティーに加えて置けば、かなりの重宝だと思うぜ」


「ええ~!?魔獣なのに白魔法まで使えるんですか!?」

「私らのパーティーにゃ本職の回復職が居ないから、

そりゃ助かるかも知れないね・・・」

「これは、是が非にでも仲間に加えるべき」

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