コイン・ブーストの詳細
コインが掌に50円硬貨を握り締めて水魔法である『ウォーターショット』
の呪文を唱えると、頭上から直径50センチ程の水の帯が現われて、
先程、『ファイヤーボール』が命中した岩山までの中間地点辺りまで飛んで、
付近を水浸しにした。
「コイン君、肝心の火元まで届いて無いぞ」
「威力不足」
魔法の行先を眺めていたポラリとパサラが告げる
「そうですね、さっきの1円よりも強めにって事で50円を使ったんですが、
火魔法と水魔法では強化の規模が変わるんですかね?」
「そりゃ面倒だな、前もって、魔法毎の強化される規模を試して置いて、
それを全部、憶える必要があるんじゃ無いのか?」
「自分の魔法の強さは、全部憶えなきゃダメ」
「そうですよね、いちいち周囲を巻き込むんじゃ危なくて使えませんもんね、
その辺の検証は後からするって事で、
取り敢えずは森林火災を防がなきゃなりませんよね、
他と比べると枚数が少ないから節約したいんだけど、
しょうがない、一番強いと思われる500円を使うしか無いか・・・
『マイ・バンク』『500円引出し』・・・良し、
そんじゃ『コイン・ブースト!』『ウォーターショット!』」
コインが呪文を唱えると、今度は直径が10センチ程の水の帯が頭上から飛び、
先程の水魔法から、さらに半分ほどの距離を飛んで落ちた。
「おいおいコイン君、さっきより更に弱くなったぞ、
距離にしても、さっきの更に半分ってとこだな」
「明らかに、だんだん威力が落ちて行っている」
「もしかして、もしかすると、金額に比例してるんじゃ無くて、
逆に反比例してるのか?
そんじゃ、『マイ・バンク』『1円引出し』で、
『コイン・ブースト!』『ウォーターショット!』これで、どうだ!」
コインが呪文を唱えると、頭上に直径1メートル長さ50メートル程の、
透き通った水の大蛇の様なものが現われて、
『シャァァァァッ!』という鳴き声を上げながら岩山まで飛び、
森林に届こうかという位置まで到達していた溶けた岩に当たって、
ボシュゥゥゥゥ!と盛大な水蒸気の柱を天へと伸ばした。
「おおっ!なんか地上に入道雲が現われたみたいだな、
どうやら、溶岩の流れも止まったみたいだから森林火災の危険も無くなったな」
「ただの『ウォーターショット』なのに、水竜みたいのが出た。」
「やっぱ、1円が一番魔法を強化するみたいだな、
軽めから始める心算だったのが、
いきなり最強の火魔法を撃っちゃったって訳か・・・」
「ちなみにコイン君、今の水魔法や、最初の火魔法みたいのを、
あと何回ぐらい撃てる計算なんだい?」
「私の魔法も強化してみたい」
「そうですね、1円を2枚使いましたんで、あと15,585回ですかね」
「今、何て?」
「それなら、私の魔法で試し撃ちしても大丈夫そう」
「一番強い強化から15,585回、5,623回、1,263回、513回ですね」




