ユニークスキル
「コイン君自身も、ああ言ってる事だし、
要望通りにユニークスキルの鑑定をしてあげなよ、パサラ」
「了解、『鑑定』・・・・・ほぅ、実に興味深い鑑定結果が出た。
まずは『マイ・バンク』の説明からする」
「はい、お願いします。パサラさん」
「『マイ・バンク』は、コインが集めていたエン硬貨を亜空間に収納して置いて、
本人の希望で自由に出し入れする事が出来るスキル
ちなみに、金利は年額で残高の0.01%」
「低っ!金利めちゃくちゃ低っ!ってか、
『エン』ってのは聞いた事が無いけど、どっかの通貨単位か何かなのか?」
「え、ええ、僕が暮らして居た地方のみで使われていた通貨の単位ですね、
そ、それでパサラさん、そのスキルは如何やって使えば良いんですか?」
深く突っ込んで聞かれると困るコインは、強引に話を進める事にする
「最初に『マイ・バンク』と唱えると頭の中に残高が浮かぶので、
『〇〇エン引出し』と告げると手の中に現れる、
亜空間に戻す時は『〇〇エン預入れ』で戻せる」
「それって、エンにしか使えないのかい?
どうせなら共通通貨の『ギル』にも使えそうなら便利なのにね」
「そうですよね、硬貨程度の大きさじゃ金属としての価値も無いに等しいでしょうし、
金利が付くって言っても円でしょうから・・・」
「このスキルだけでは大した価値を感じられ無いかも知れないけど、
もう一つのユニークスキル『コイン・ブースト』と組み合わせると違って来る」
「ほぉ、そりゃ面白そうな匂いがして来たね」
「パサラさん、『コイン・ブースト』の方は、どんなスキルなんですか?」
「『コイン・ブースト』はエン硬貨を媒体として、
コイン自身または、コインが指定した人物の魔法効果を強化するスキル」
「随分とパサラが饒舌だと思ってたら、やっぱり魔法絡みだったのかい」
「それって、もしかしたら、もしかするとですけど、
僕の全属性魔法(超低級)でも強く出来るかも知れないって事ですかね?」
「多分、その為のスキルと考えられる」
「へ~、そりゃまた面白そうなスキルだね、
コイン君、折角なんだから、どれくらい魔法が強化されるのかを、
試して置いた方が良いんじゃないかい?」
「そうですね、いきなり実戦に使うんじゃ不安があるから、
試しに使って、慣れて置いた方が良いですよね、
それでパサラさん、『コイン・ブースト』の方は如何やって使うんですか?」
「掌にエン硬貨を握って、魔法を使う前に『コイン・ブースト』と唱えれば良い、
強化の強さは、その時に使用する硬貨の種類によって変わる」
「なる程ね、コイン君、最初は大事を取って小さめの金額から行った方が良いと思うぞ」
「そうですね、では一番少額の1円から行ってみますね、
まずは、媒体とする硬貨を用意するところからですよね、
『マイ・バンク!』・・・おお!ホントに残高が頭に浮かんで来ました!」
スキルの呪文を唱えたコインの頭に中には、
1円硬貨・・・15,587枚
5円硬貨・・・5,623枚
50円硬貨・・・1,264枚
500円硬貨・・・514枚と浮かんで来た。
(どうやら、日本に居た頃に集めてた小銭が使えるみたいだな、
いつも財布の中には、お札と、使い勝手が良い100円と10円だけ入れて、
残りの小銭は、貯金箱ならぬ貯金ファンシーケースにインしてたからな・・・)




