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一宿一飯(いっしゅくいっぱん)

「それで、コイン殿とおっしゃりましたかな、

お聞きしたいと言うのは、どんな事なのでしょうか?」


「村長さん、僕は殿付で呼ばれるほどえらい者では無いので、

どうか、コインと呼んで下さい。

それから、村長さんにおたずねしたい事は、

僕は、この国に来たのは初めてなので、

ラメール魔法国の事や物価なんかを教えていただけると助かります。」


「ふむ、ではコイン君と呼ばせて頂くとするかね、

それと、この国の事や、物価の事でしたら、

私が知る範囲はんいの情報で良ろしければお話しますぞ、

ただ長い話となるでしょうから、どうですかな?

日もかたむいて来た事だし、今日は、この村にお泊りになっては?」


村長の言葉に、コインが太陽の位置を見てみると、

確かに大分だいぶその位置を低く変えつつあった。

「僕としたら、とてもがたい、お申し出ですけどよろしいのですか?」


「全然、かまいませんぞ、

らんの通りに地方に位置する村ですから、

お客様など滅多めったおとずれる事がありませんからな、

この村の者達は、ほとんどの者が、この村に生まれ育った者ばかりですから、

他の国の話などを聞かせて頂くだけでも大喜びですじゃ」


(この村で生まれ育った人ばかりなら、日本の事を聞かせても大丈夫だいじょうぶか・・・)

「分かりました。では、今夜はお世話になるとします。

僕も、他の国の地方で生まれ育ったので変わった事を言うかも知れませんが、

それでよろしければ色々とお話させて頂きます。」


「それは良かった!

では、取りえず今夜お泊り頂く私の家に、ご案内いたしますぞ」


「畑仕事の方は良いんですか?」


「ええ、雑草を抜きに来ていただけですので、

続きは後日でも大丈夫ですじゃ」


コインは、村長の案内で村の一番奥の方に位置する、

村で一番大きな村長の家へと向かった。


「お~い母さんや、お客様を御案内したぞ」

村長は自宅の入り口の扉を開けると、

奥に向かって、そう声を掛ける。


すると、奥の方から優しそうな年配の女性が現われて、

「あら、お帰りなさい。お父さん

それで、お客様って?」と返事を返した。

ちなみに、その女性の頭にも村長の様な犬に似た耳が付いている


「こちらは、他国からラメール魔法国で冒険者になるためにいらしたコイン君じゃ、

コイン君、私の家内の『リンリン』ですじゃ」


「それはそれは、遠路遥えんろはるばる々ご苦労くろうな事でしたね、

田舎ですから大したお持て成しは出来ませんが、ごゆっくりして行って下さいね」


「ありがとう御座います。

僕は、コインと申します。

リンリンさん、よろしくお願いします。」


「母さんや、コイン君には今夜ウチに泊まって頂く予定だから宜しくな」


「ええ、お父さん、それは良いんですけど、

今、ウチには若い方をおしする料理に使う様なお肉が無いわよ」


「そうじゃ!その問題があったの・・・」


「僕は、泊めて頂けるなら野菜料理でも全然構ぜんぜんかまわないんですが、

問題って事は何かこまった事情でもあるんですか?」

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