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【第2章まで完結済】神剣のプロトコル ~底辺まで落ちた元S級最強剣士の俺が、錬金術師少女に『武器の臨床評価』とかやらされ、結果的に世界を救うまで~  作者: 深井立花 数白
第2章:クラウ・ソラスはかく語りき

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第17話:Process4[つよつよエニア無双です!]Flow6

 ダーナの里は強力な結界魔道具で守られ、隠されており、それを無効化する特殊な魔道具がないと里に入る事もできない。


 エニア達はトーヌフや里の兵士達に協力してもらい、里に侵入した。

 タバサはトーヌフの方に加勢することになったので、エニア達の方にはいない。


 エニア達は木陰からこっそりと里の様子を見る。


 ダーナの里は長い間外界と交流を絶っていることもありまだ魔道具が生活に浸透しているようではなかった。様々な作物が育てられている畑の中に、土壁で作られた家が点々と並ぶ。


 その中で一際大きい建物がふたつある。南のトーヌフの家と、北の集会所だ。


 それらを守る勢力には3種類いるように見えた。


 ひとつは、これまでも見てきたダーナの里の急進派の者達。ただし、武器だけは王国で売られているような鉄製の槍や剣、斧を持っている。おそらくラヴィナから支給されたのだろう。


 ふたつ目はラヴィナの私兵と思われる、騎士の鎧を着た者達。これは数が少ないが装備が充実しており、他の勢力に指示を出している所も見られる。


 3つ目は冒険者のように見えた。しかし、『人里を襲う』という霊性ランクに影響しそうな仕事を請け負うのだろうか……?


 エニアは不思議に思ったのでクードに訊いてみた。


「クードさん、あの人達って……冒険者でしょうか?」

「いや、おそらく犯罪ギルドのヤツらだろうね。金のためなら霊性ランクが下がることもお構いなしの集団だから。気を付けて」


 そんなクードの警告を聞いて。ビクビクし始めたのはヒスイだ。


「そ、そんな怖い人いるの……」

「うん、だからヒスイちゃんはエニアちゃんの護衛をしっかりね」

「わ、わかった……」


 ディフェンダーのヒスイは依然心配そうだったが、逆にエニアの方は自信満々だ。


「大丈夫です。今は私も戦えますから、ヒスイさんのことは守って見せます!」

「すごい……! えにあ、かっこいい……!」

「ふっふっふ、そうでしょうとも!」


 二人とも、役割が完全に逆になってしまっているが、そんなことは気にしていないようだった。

 そんな脳天気とも取れる様子にクードは苦笑する。


「あはは……まあ、怪我しなければなんでもいいんだけどね……じゃあ、集会所の入り口を僕が制圧したあと、エニアちゃんとヒスイちゃんにはそこを守っていてもらおうかな。プリシラちゃんは僕の援護と、敵の増援を見張っていてね」

「うん、わかったー!」

「じゃあ、そろそろ作戦時間だね」


 そうクードが会話を締めてから数十秒の後、トーヌフの屋敷の裏手からタバサ達が飛び出し、敵の勢力を制圧していく。


 そしてエニア達も飛び出る。

 当然相手も気づく。


「だ、誰だお前ら!? 酋長の差し金か!?」

「そんなところだよ! って……」


 開幕一番、集会所の見張りを無力化するために間合いを詰めたクード。しかし、彼の後ろからエニアが放った電撃の弾が通り越していき――


「あばばばばばばば!!」


 見張りを倒してしまったのだ。


 それからもエニアの誘導魔弾砲は獅子奮迅の働きを見せた。敵勢力の兵士をつぎつぎと痺れさせて行動不能にしていく。


 結局クードとプリシラのやったことと言えば、動けなくなったヤツらを縄で縛ったり魔術の鎖で縛り上げてから1カ所にまとめたくらいである。


 すっかり拍子抜けしそうな気を引き締めるように咳払いしながら、クードはエニア達に指示した。


「それじゃあ、僕はトーヌフさん達の応援に行くから、エニアちゃん達は予定通り、ココの見張りをしておいてね」

「分かりました」


 そしてクードは酋長の屋敷の方へ駆け出していった。


 その直後だ。集会所の中からうめき声が聞こえた。すぐさま中に入るエニア達。

 集会所の中には大勢の里の人が詰め込まれていた。その中の一人が声を上げる。


「だ、誰だアンタら? あのラヴィナってヤツの子分じゃないのか?」

「アタシ達はねー、えっと、しゅーちょーさん? っておじーちゃんに頼まれて、みんなを助けにきたのー。だからもうだいじょぶだよー。怪我してるなら、治してあげるねー」

「そ、そうなのか? すまねえな……」


 そうしてプリシラは怪我人達の治療を始めた。怪我人は相当数いるらしく、順番に回復魔術を掛けて回っている。


 トーヌフの屋敷の方も、タバサとクードの活躍により、さしたる被害も無く制圧出来たようだ。


 しかし、敵の兵力はこれだけではなかった。

 ラヴィナの私兵と思われる騎士達が大挙して現れた。エニアのいる集会所に近い方角からである。


 その先頭にいた男は大声で叫んだ。


「お前達! 里の酋長の協力者か!?」


 その男に一番近かったエニアは答える。


「そうです! クラウ・ソラスを守りに来ました!」

「そうか、ハハハ! 残念だったな! すでにラヴィナ様は我が軍の精鋭と共に遺跡の攻略を始めている! お前達の反抗も無駄だ。我々はここにいたごろつきや素人とは違う! 一度占領してもいい気になるなよ! これから貴様等を再び絶望の淵に叩き落としてあばばばばばばば!!」


 ……無念。男はエニアの放った電撃弾で痺れ、これまでの兵士達と同じように倒れてしまった。


 それを見て他の兵士は色めきたつ。


「た、隊長!? クソ、よくもやりやがったな、あの胸以外取り柄のなさそうなガキめ!!」

「な、なんですって!?」


 そして残りの兵士達はエニアのいる集会所に殺到したが……、


「どいつもこいつも、せくはらですー!!」

「あばばば!」

「あばばばばば!」

「あばばばばばばば!!」


 ……エニアは兵士達全員に電撃弾を容赦なく撃ち込んだ。圧勝であった。


   ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


 首尾良くダーナの里を取り返した後、エニア達は捕らえたラヴィナの兵に詳しい話を聞いていた。彼等の隊長が言うには、


「調子に乗るなよ。ラヴィナ様が遺跡に眠るクラウ・ソラスを手に入れた暁には、お前達を叩きのめすなど、赤子の手をひねるも同然なのだからな……!」


 ということだった。それを聞いたトーヌフとエニア。


「やはり、ラヴィナとやらの狙いは遺跡のクラウ・ソラスなのですな」

「そのようですね。トーヌフ様、その遺跡というのは……」

「この里の北東にありますが、クラウ・ソラス防衛のために内部はダンジョンと化しています」

「分かりました。では早く行ってクラウ・ソラスを……」


 守る、という方向で話がまとまり掛けたとき、ヒスイがおずおずと手を挙げた。


「り、りがるを待たなくていいの……?」


 確かに、遺跡がダンジョン化しているなら簡単に攻略されることはないだろうし、最大戦力であるリガルの到着を待つのも手のひとつとして有効だとエニアは思った。しかし、


「ラヴィナさんは、クラウ・ソラスの力を増幅する魔道具を持っていて、どうやらそれを兵器として使うつもりらしいんです。だから、早く行かないと手遅れになるかも知れません。リガルさんがいつ来てくれるかも分かりませんし」

「うう……分かった……」


 結局、今回もヒスイはエニアに従った。


「と言うわけでトーヌフ様、私たちもクラウ・ソラス防衛に参加します!」

「おお、ありがとうございます。正直、我々よりあなた方の方がよほど腕が立つようですしな」

「えへへ……そんな、腕が立つだなんて」


 人生初の褒め言葉にニヤニヤしているエニア。

 しかし、そんな彼女をタバサは浮かない顔で見つめていた。


 それに気がついたクードが話しかける。


「タバサちゃん、どうかした?」

「いえ、何でもありません。クラウ・ソラスの防衛、私も同行させてください」


 その申し出を、エニアは快く受け入れた。


「もちろんです! 一緒に頑張りましょう!」

「皆様、ありがとうございます」


 そしてタバサは希望通りクラウ・ソラスの防衛に参加することになったが、浮かない顔は晴れないままだった。

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よろしくお願いします。

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