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【第2章まで完結済】神剣のプロトコル ~底辺まで落ちた元S級最強剣士の俺が、錬金術師少女に『武器の臨床評価』とかやらされ、結果的に世界を救うまで~  作者: 深井立花 数白
第2章:クラウ・ソラスはかく語りき

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第16話:Process4[つよつよエニア無双です!]Flow5

 最高戦力であるリガルのいない魔力車の中、ヒスイはひたすら不安そうにしていた。


「り、りがる無しで大丈夫なの……?」


 その彼女をエニアは励ます。


「それでも助けに行けるのは私たちだけです! 今回は私の新武器もありますし、リガルさんの代わりにボコボコにしてやりますよ!」


 そしてクードがその言葉をつなぐ。


「基本は僕がやるし、ヒスイちゃんはこれまで通りエニアちゃんやプリシラちゃんを守っていてくれればいいから」

「わ、分かった……」


 そして魔力車は街から遠く離れた林に到着する。

 ジョルジオをはじめとしてエニア達が降りると、近くの林の中から人が数人出てきた。


 それらは、これまで捕まえたダーナの里の人間と同じ格好をしているが、真ん中の老人だけ格好が違った。

 おそらく質の良い綿で出来た白いローブのような着物、大きな首飾りに羽をあしらった頭飾り。この人物が酋長トーヌフであることはエニア達にも見当が付いた。


 そして男達はエニア達に対して深く頭を下げる。


「この度は我が里の問題に巻き込んでしまい、本当に申し訳ありません。私が先ほどお話ししておりましたトーヌフ、ダーナの里の酋長をしております」


 そしてエニア達は簡単に自己紹介を済ます。しかし、その間もジョルジオの表情は晴れなかった。


「ここからはおぬしらに頼るほか無い。本当にすまん……」

「そんな、もう謝らないでください、ジョルジオ様のせいではありません。それに、ラヴィナさんが関わっているなら、クラウ・ソラスの問題は非常に大きな問題に発展するかもしれません!」

「む、どういうことじゃ?」


 そしてエニアは、自身の感じている不吉な予感を話した。


 以前、クラウ・ソラスについて話したとき、シャトレ家にはクラウ・ソラスの力を増幅する魔道具があると行っていたこと、そしてラヴィナはそれを兵器として運用するつもりであるらしいこと。


 それを聞いて驚く酋長。


「なんと、ダーナの子孫がそのようなことを……」


クードも厄介そうにしている。


「それは、何としても相手の手に渡らせる訳にはいかないね……」


 そしてジョルジオは、


「そういうことなら早く小童を連れて来られるようにするわい。ワシは一度戻る。スマンが後を頼む……!」

「任せてください!」


 そうしてジョルジオは士気の高いエニアの声にひとつ頷いた後、街へと戻った。


   ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


 ジョルジオの魔力車が去った後、里の地図を囲み、エニア達は現状の整理をしていた。


「トーヌフ様、里は今どのような状況なのでしょうか?」

「里の者達は今、ラヴィナと名乗る者の手先によって私の家と集会所に集められて監視されています。私としてはまずそこを奪還し、里の者の安全を確保したいところです」


 トーヌフは里の南の酋長の家、そして北にある集会所の場所を示した。


「私の家の方はこちらの戦力で抑えますので、エニアさん達には集会所の方をお願いしたいのです」

「それぞれ、どのくらいの人数で守っているか分かりますか?」

「両方とも8人程度ですね」

「分かりました。クードさん、いけそうですか?」


 エニアはクードの方を見て意見を聞く。


「うん、それくらいなら大丈夫だと思うよ。僕ひとりでも制圧出来るだろうね。援護してくれると嬉しいけど」

「それなら任せてください!」


 そしてエニアに続いてプリシラも意気込む。


「魔術も使う? やっちゃう?」


 しかしクードの返事は微妙だった。


「う~ん……いやー、その、プリシラちゃんの場合は、加減とか苦手そうだし……エニアちゃんの方は、威力の調整は出来るのかい?」

「もちろんです! 非殺傷モード搭載済みです!」

「じゃあ、援護はエニアちゃんに頼もうかな」

「分かりました」

「えー、じゃあアタシはなにすればいいのさー」


 出番がなくなりそうになり、口をとがらせるプリシラ。


「プリシラちゃんは、僕が無力化したヤツを魔力の鎖で縛ったり、相手の増援が来たら対応して欲しいかな」

「は~い」


 そしてクードは、ヒスイに関しても指示を出す。


「ヒスイちゃんは、ふたりの護衛をしっかりね? 弓矢とかにも注意するんだよ」

「わ、分かった……」


 こうしてエニア達の『ダーナの里奪還作戦』はひとまず整ったのだが――


 そのとき、周囲を見張っていた里の兵士の声が聞こえた。


「な、なんだお前は!?」

「私はジョルジオ会長の部下の者です! 加勢に参りました!」


 止められているらしい方の声はエニアもよく知っている。


 タバサだ。街に残っていたハズだが、どうやってかついてきたらしい。


 トーヌフはタバサと見張りの方に駆け寄る。


「貴女は何者ですか? どうしてここに?」

「私はジョルジオ会長の執事、タバサと申します! この度、動けない会長に代わってお役に立ちたく参りました!」

「ジョルジオ殿の執事……? それは……」


 トーヌフは駆けつけたエニア達に確認をとる。


「はい、確かにタバサさんはジョルジオ様の執事をされている方です」

「そんな、ではタバサ殿、貴女も他国での武力行使は禁じられているはず……」


 そのときだ。タバサからピーピーという音が鳴る。通信魔道具だ。

 タバサがそれを取り出して着信に応じると――


「タバサ! どこに行っておる!!」


 辺りに響くジョルジオの怒声。それにタバサは深呼吸してから、覚悟を決めた顔で答えた。


「……ダーナの里付近におります。すでに酋長様達と合流いたしました」

「何を考えておる!? 国外の戦闘行為が認められていないのはおぬしも同じなんじゃぞ!?」

「それは承知の上です。それでも私は会長のお役に立ちたいのです!」


 恩人の役に立ちたい、というタバサ。しかしジョルジオの返答は厳しい。


「だめじゃ、許可できん。また小娘らに迷惑を掛けるわけにはいかんじゃろう!」


 しかし、タバサも引かなかった。


「だからこそ、雪辱の機会をいただきたいのです! お願いいたします!!」


 そしてタバサの熱意に折れたのか、通信魔道具からジョルジオの不機嫌そうな許可が聞こえた。


「……そこまで言うなら、この件はおぬしの好きにせい。責任はとってやるわい」

「あ、ありがとうございます!!」


こうして、ダーナの里解放戦にはタバサも参加することになった。

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