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【第2章まで完結済】神剣のプロトコル ~底辺まで落ちた元S級最強剣士の俺が、錬金術師少女に『武器の臨床評価』とかやらされ、結果的に世界を救うまで~  作者: 深井立花 数白
第1章:ヘタレ剣士とアラモード

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Results[いつもより少し、鮮やかに]

 その後、俺たちはウィリオンとファシエの身柄を騎士団に引き渡した。使役していた魔物は全て回収、【狂乱】の肉体も【融合】を解かれて処分された。


 取り調べによると、ウィリオンは【狂乱】の再生と【病樹剣アヴィレプス】の復元のためにアークハウス過激派のメンバーを使って大量の魔物を使役し、魔力を回収していたらしい。


 近年魔物が凶暴化していたのは、使役に失敗したものだろうということだった。

 俺がにらんだとおり、北のダンジョンの【魔物氾濫スタンピード】もウィリオン達の仕業らしい。


 加えてウィリオンは自ら使役した魔物を、【病樹剣アヴィレプス】の魔力を使って強化し、犯罪組織に売り渡して資金源としていた。


 街を襲った魔物襲撃事件は、騎士団に見つかりそうになった犯罪組織のメンバーが逃亡する際に、騎士団の目をくらますためにその魔物を召喚した、ということで起こったそうだ。


 しかし【病樹剣アヴィレプス】に関して、いいことがひとつだけあった。孤児院に一時的に預けられていた少年、その両親の治療には、膨大な魔力が必要な先進医療魔道具が必要になっていた。それを【病樹剣アヴィレプス】の破片に残留していた魔力でまかなうことが出来たのだ。


 【病樹剣アヴィレプス】の譲渡はシリウス・カリバー名義で行ったから、孤児院の人達は俺が関わっていることを知らないが、少年が両親の元に戻る時には様子を見に行かせてもらった。少年は、快復した両親と共に笑顔で孤児院を去って行った。思わぬ幸運だったが、本当に良かった。


 そして事の顛末が騎士団より発表されると、魔物襲撃事件の容疑がなくなったウチの店は賑わいを取り戻していた。エニアは武器がたくさん売れて上機嫌だ。この稼ぎを元に、こんどは俺以外のメンバーの専用武器を開発するのだと言っている。


 しかも店の商業ランクやエニアの職業ランクまであがることになった。俺も今回の騒動で冒険者ランクはD級に上がった。


 ヒスイとプリシラは相変わらずだ。二人とも飽きることなく毎日騒動を巻き起こしてくれる。おかげで退屈することだけはないし、もう何をしでかしても驚かなくなってきている自分がいる。一度、二人と喧嘩したときに俺の分のプリンを食べやがったことは一生許さないが。


 クードは、騎士団に勾留されているファシエの元へ足しげく通っている。尊敬していた人に裏切られたファシエの心の支えとなるべく頑張っているようだ。さすがにこれをチャンスとして好感度を稼ごうとは考えていないだろう……多分。


 ちなみに、騙されて傷ついたファシエを見て学習したのか、美人のお姉さんにいいように利用されることはなくなった。


 "アホ毛様"は、相変わらずプリシラの頭上でぴょこぴょこ動いている。あれ以来、プリシラの体に憑依したことはない、と思う。


 あと、変わったことと言えば……、


「リガルさん、お待たせしました。おやつのプリンアラモードですー!」


 そう! 魔物暴走事件を解決したお祝いに、今週はプリンアラモード週間なのだ! コクのある甘さのカスタードプリンに旬のフルーツ(今日はメロンだ!)が添えられ、ホイップクリームもたーっぷり乗っている。


 むふふ。これだよ。頑張ったかいがあったなー。


 ぱく。もぐもぐ。つめたい。あまい。おいしい。


「なあエニア。世界中の人々が一日一個プリンを食べれば争いがなくなるって、信じるか?(イケボ)」

「信じません。アホなこと言わないでください」


 むう、せっかくほろ苦いリガルさんジョークと甘いイケボがなめらかに溶け合う、まさにプリンアラモードのような交響曲を奏でてやったのに「アホなこと」で済ませるとはセンスのないヤツめ。


 まあ、それはともかく俺たちは、いつも通りのふざけた会話を交わしていた。

 しかし、ふいにエニアが言い出した。


「リガルさん。ありがとうございます。信じてくれて」

「ん、何のこと?」

「えへへ、こっちの話です」


 じゃあ、こっちも言わなければいけない気がする。


「エニア。ありがとうな。信じさせてくれて」

「何のことですか?」

「こっちの話だ」

「ふふ、なんですかそれ」


 お互いの中途半端な感謝に笑いあう俺たち。でも、この店のメンバーは穏やかな時間を作らせない。


「んぎゃあーーーーー!!」

「きゃあーーー! クーくーん!!」


 店の方から騒がしい声。続いてヒスイが飛び込んでくる。


「えにあ、大変! あのね、ぷりしらが薬で遊んでて、そしたら『ぶしゅー!』ってなって、クードがそれを浴びちゃって、そしたら、クードの髪が全部……」

「ええ~~~! なにをしているんですか!?」


 バタバタと部屋を出ていくエニアとヒスイ。残された俺はプリンを食べる。


 今日は青空がキレイだ。クードに何があったかは考えない。

 代わりに、ふと考える。


 しばらく俺はひとりぼっちで引きこもり、歩みを止めてしまっていた。だが、今は他者と関わることで少し変わることができた気がする。関わりすぎると疲れるが、適度な範囲ならいいのかもしれない。


 ともあれ、【神剣】の再評価結果は――


「ま、及第点か?」


(第1章:ヘタレ剣士とアラモード 完)

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

これにて第1章は終了となります。


少しでも面白いと思っていただけたなら、下にある「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしてもらえると、作者の精神に強化魔法を付与することができます。


また、下にある「ブックマークに追加」をクリックすることでも強化魔法は付与できます。


付与術師気分を味わう最後のチャンス!

ぜひとも、よろしくお願いします!

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