第28話『ようこそ生徒会へ!ちょっと待って!?聞いてません!』
学園の入学式から約一週間が経ちました。
魔法学授業にもそろそろ慣れてきた頃です!
ー…って格好よく言ってみたいけど、嘘です。なんとかやっている感じです。
私はC教室の愉快で温かいクラスメイト達と共に、ありがたい事に楽しい日々を送らせてもらっている!けれど、授業の内容はけっっっこう難しい…!
毎日、配布された教科書をしっかりと予習していても、実際には斜め上の授業となる事が多い。
『明日は飛行魔法の授業です。』と告げられた際の翌日、『言い忘れていましたが…いやあえて緊張をほぐすために言わなかったのですが…本日は抜き打ちで飛行魔法のテストをします!』という事もあった。
だけど、まさか今日は、あのような事を言われるなんて思ってもみなかった。
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ー《本日、魔法学授業:座学エリアtime》にてー
「皆さんこんにちは。担当魔法学、攻撃魔法のホリックだ。この国の騎士団員の一人でもある。よろしく。…えーと、『攻撃魔法の授業なのに実技じゃないのかよ?』とでも言いたげに私を見ている前の席の君、よい質問だ。答えよう。」
「…あの…先生、僕何も言ってなっ…。」
(一番前の席にいるクラスメイトのハネリー君が指名されている…。ハネリー君…ファイトッ!)
担当魔法学、攻撃魔法のホリック先生。
話が早歩きをする人のように進んでいく彼は、学園の教員をしつつ、この国の現役騎士団員でもあるらしい。凄い…。
「そう…なぜ実技じゃないのかというと…む…かなり安心しきった顔をしているそこの君は…特待生のベル君か。君は…『実技じゃなくて良かったぁ!』と思っているな?正直に答えておくれ。」
ホリック先生が急に私を名指ししてきたことに驚いてしまい、私はいつもより大きめの声で、質問に対してはきはきと答えてしまう。
「…っ!?はい!その通り!いきなり実技じゃなくて良かったと思っておりました!とても!」
「!?そ、そうかっ…。意外とはっきりと言うんだな君…。ごほんっ、正直に言ってくれてどうも…。」
(あ、あれ!?ホリック先生の纏うオーラが少しだけ哀しさを帯びているような…。私ははっきりと言いすぎてしまったのか!?案外とてもナイーブな方なの!?)
クラスの皆が私の方を見て和やかにくすくすと笑う中、『…ぷはっ!主遠慮ねぇなぁ!』とまるでお腹を転がして笑っているフレアの声が微かに私の後ろから聴こえる。
フレア…!そ、そんなに笑わなくても!
少しあわあわとした様子の私を見兼ねてか、ホリック先生は気を取り直して(最初よりもかなり落ちついた声で)話し出した。
「えー…私の担当する攻撃魔法の授業は、座学が6割、実技が4割ほどの割合で行う。何故座学が多いのかというと、攻撃魔法は、とにかく覚えなければいけない知識がたくさんあるからだ。誤った魔法を発動してしまうと大きな怪我に繋がる可能性もある為、しっかりと魔力の出力量や、発動条件などを予習してから行う事となる。」
(確かにホリック先生の言う通りだ。魔法は、使い方を誤れば、自分や周りの人を傷付けてしまう事にだってなり得る。)
「まぁ…という訳で、しっかりと魔法の仕組みの基礎を学んだ上で、技を磨いてゆくというのが我が校の方針だ。最初の授業では、各々の属性と魔力量について私が見ていく。ではまず…目の前にいる君…えー…ハネリー君、こちらへ。」
「えっ…!あ、はい…。」
クラスの皆に見られながらというのはとても緊張するけど、どうやら属性と数値は魔法の術者にしか見えないようで、安心する。
ホリック先生は淡々と、属性判定魔法と魔力測定専用の水晶を使いながら、皆の記録を記していった。
クラスの皆も、自分の番が回ってくるまでわいわいと雑談を始めていた。
そう、私の番になるまでは…。
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(こっ…この数値は一体どういう事だ…!?)
【ベル: 光属性】
【魔力量: 14000値】
目の前の水晶が示す値を見て、私は驚愕した。
平均しても、魔法使いの魔力量は大抵4000値ほどだ。
魔力量の多い上級魔法使いでさえ、10000値を超えることは極めて稀だ。
特待生ってのは、皆こうなのか!?
ひとまず落ち着け…。
まずは、彼女にしっかりと結果を伝えないと…。
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私の測定を終了した途端、ホリック先生は黙ってしまった。
え…な、なんかまずい結果だったの…?
不安になった私は思わず、先生に尋ねる。
「あの…ホリック先生…?」
「ベル君…。結果を伝える前にどうしても君に伝えなければならないことがある。」
「はい!っと…結果じゃなくて…?」
「君には学園の生徒会に入ってもらう。
ようこそ!生徒会へ!」
「ちょっと待って!?聞いてません!」
結果も聞いてないし、ホリック先生も、人の話を聞いていません!
あのー!?どういう事ですかーーー!?




