自重しないハルト一行、そして王子殿下
「なぁティア、ギルドに行ってみないか?」
「ギルド、ですか?」
「ああ。ギルドカードも発行しないといけないからな」
「わかりました!すぐ準備しますから待っててくださいね!」
「おう」
今日はティアのギルドカードを発行しにギルドに行こうと思う。
リディアの話だと治安は悪くないって話だったがラノベとかの影響で何となく治安が悪いって考えが根付いちゃったんだよな...。
「準備終わりました!行きましょう!」
「おっそうだな。すぐ近くにあるから歩いていくぞ。...この人混みじゃあ遠くても歩きだったがな」
◇◇◇◇◇
帝国のギルドは王都よりも大きいが少し汚れてる感じの場所だった。
中身はほぼ王都と同じ造りだった。
「ガキのくせにいい女ぁつれてんじゃねぁか。俺にも分けてくれよ」
口元をニヤつかせながら近づいてくるハルトより身長がわずかに高い男。
ハルトの身長が175㎝ほどだから大体180ぐらいか。
「悪いが急いでるんだ。後にしてくれないか?」
別に喧嘩しに来たわけじゃないので相手を刺激しないように話す。
だが男はその態度が癪に障ったようで、
「ガキのくせに俺の言うことが聞けねぇのか?」
とか言いながら詰め寄ってくる。
「おとなしく俺にしたがっとけばいいんだよ!」
と言いながらティアの腕をグイッと引っ張る。
「いたっ!」
痛がるティア。
....やり返してもいいよな?
「なに勝手に触ってんだァ”?」
パァン!
男の頭に非殺傷設定のゴム弾をぶち込む。
だが速度は依然音速を超えており、それを至近距離から喰らった男は綺麗に空中で3回転を決め、土下座を決めていた。
シーンとなるギルド内。
先ほどまでがやがやしていた喧騒が無くなり、視線はハルトに向けられている。
「て、テメェ!何しやがったぁ!」
激怒しながら近づいてくる男。
だがハルトは腕を伸ばし....。
ガシッ!
メキメキメキ...。
顔面を鷲掴みにし、力を入れていく。
この瞬間、このギルド内にいるティア以外の者は驚愕に目を見開いたことだろう。
ハルトは結構外見が痩せてるので筋肉モリモリの男が顔面を鷲掴みにされて持ち上げられるとは思わなかったのだろう。
「いでぇぇぇぇぇ!はなせっ!やめろぉ!」
「俺は自分の女に手を出されて黙ってるほど甘くねぇんだよ。恨むなら手を出した自分を恨め」
「やめろっ!やめでぐれぇぇぇぇ!割れる!頭が割れるぅ!!」
未だにメキメキと音を立てる男の頭蓋骨。
それをただ見てることしかできない冒険者。
「わぁぁぁ!?ハルトさんダメですぅ!さすがに殺人はまずいですよ!私も気にしてませんからぁ!」
「...ふん。ティアの果ての渓谷より深い心に感謝するんだな」
頭を放されドサァ、と落ちる男。
頭を押さえながら「いてぇ...いてぇ...」と呟いている。
ちなみに果ての渓谷というのはこの世界にある最も深い渓谷で深さは1㎞以上あるのだとか。
ギルド内にいる冒険者たちはこの時だけ心を一つにした。
(((こいつには絶対関わらないでおこう。そして関わろうとするやつがいたら全力で止めよう)))
と。
それほどまでに衝撃だったのだ。
ハルトは戦慄した目をしている冒険者たちを気にもしないで受付に向かう。
「Aランク冒険者のハルトだ。こいつの登録をしたい」
「Aランク...なら先ほどの強さも当然のことですね。登録は銀貨1枚になります」
「了解だ」
受付に銀貨1枚を渡す。
「ではこちらの書類にサインをお願いします」
「は、はい。....終わりました」
「ありがとうございます。ではこちらのギルドカードに血を一滴お願いします」
なんか王都の奴とやり方が違うな...。
国が違うからか?まぁいいか。
ナイフで指先を小さく切り、血を一滴垂らすティア。
ギルドカードにその血が当たると黄緑色に輝き、一泊置いて輝きが消える。
「登録は完了しました。ギルドカードにはCランク表示なのでそれほどの実力があるのでしょう」
へぇ。帝国の技術力ってすげぇな。
王都は地道に上げていくしかなかったのに血によって実力がわかるのか。
「世話になった。ほら行くぞ、ティア」
「はい!」
◇◇◇◇◇
「にしても、やっぱりお前って筋力バグってるよなぁ...」
「そ、そんなこと...ありますね...」
帰りに鑑定石でティアのステータスを見てみたのだが明らかにバグっていた。
ティアのステータスはこんな感じだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
名前 ティア 15歳 猫人族
クラス 戦士
Lv.31
筋力 1209
魔力 238
防御 298
速力 670
----------
★スキル
大剣術 Lv.7
魔力直接操作 Lv.4
魔力回復(微小)Lv.6
気配遮断 Lv.3
気配察知 Lv.5
魔力遮断 Lv.2
----------
★習得済み魔法
土魔法 Lv.3
水魔法 Lv.2
未来視 Lv.7
----------
★従魔
----------
★習得済み魔術
----------
★加護
リディアの愛情
----------
★称号
【バグネコ】
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「筋力だけなら勇者超えてるぞ...それに称号見てみろって」
「どれどれ...何ですかこの称号!?不名誉です!」
「お前がバグってるからだろ...」
レベル31で筋力だけなら勇者を超えてしまうバグウサギ。
これがゲームなら批判待ったなしだ。
「気配察知ってスキルいいな。どうやったら習得できるかわかるか?」
「それは私もわかりませんが...でも感覚は辺りと自分の意識を混ぜる感じですよ」
「なんともわかりにくい...サーチと同じ感覚で意識を飛ばすイメージか?」
とにかくこれは習得したほうがいいスキルなので後で練習しよう。
「げへへへへ。いい女連れてるじゃねぇか。嬢ちゃん、俺たちと一緒にグボアッ!?」
「お前らは3人でよろしくやっとけよ」
3人のガタイのいい男のうちの一人に腹パンをかまし、屈んだところを狙い膝蹴りで脳を揺らす。
倒れたら頭を掴みそのまま地面にたたきつけ気絶させる。
その際にドカンッ!とか言う音が鳴ったが気にしてはいけない。
さらにその男を背後の二人に投げつけ、慌ててキャッチしたところを非殺傷設定のゴム弾で頭を撃つ。
綺麗に3回転を決め土下座ポーズになる男たちと伸びている男一人。
そんな惨状を気にもせず再び歩き出すハルト。
「さっさと宿に戻るか。明日には帝国を出るぞ」
「え、もうですか?」
「たいして面白くなかったし馬鹿が多いからな。それに奴隷市もあんまり見たくない」
日本人の感覚で何となく嫌悪してしまうのだ。
できれば野蛮な男どもとルリィを合わせたくないしな。
「ただいまー」
「ただいまですぅ!」
「...ん、ハルトおかえり」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「ハルト、おかえり!」
「あなた、おかえりなさい」
「おかえりなの~!」
「おう。急なんだが明日には別の国に移動するぞ」
「...了解した」
「え~!ルリィまだお外見てないのに~...」
「わがまま言っちゃだめよルリィ。ごめんなさいね、あなた」
「いや気にするな。...よし、出発は明後日に変更する」
「...ふふ、分かった」
「相変わらずですねぇ」
「ですぅ」
「あなたったらルリィには甘々なんですから...ふふっ」
いいだろ。
娘が可愛いんだからしょうがないんだよ。
「明日は久しぶりに全員で出かけるか。勿論シルフィも一緒だ」
今までであんまりこういう機会がなかったからな。
たまにはみんなで出かけるのも悪くないだろう。
◇◇◇◇◇
「パパぁ!これ綺麗なの~!」
「本当だな...買うか?」
「うん!」
今俺たちは露天市場のうちの一つ、アクセサリーを専門に取り扱ってる店に来ている。
緑の花の髪飾りをルリィが気に入ったので買ってやることにする。
銀貨10枚と普通なら高めだが、生憎金なら腐るほど持ってるので余裕で買える。
「...この指輪、綺麗」
「こっちの指輪もいいですね」
「これもきれいですぅ」
「こっちも綺麗だわ...!」
「これなんかどう?私もこんな指輪が欲しいわねぇ」
上から順にリディア、ドーラ、ティア、シルフィ、レミアだ。
全員指輪を選んでらっしゃる...。
それに全部が金貨20枚越えだ。
少し高すぎやしませんか?いや、これが普通なのか?
「指輪は後でだ。それに買わなくても俺がそれよりいい奴を作ってやるぞ」
「...ん、期待してる」
「待ってますね」
「待ってますぅ」
「待ってるわ..!」
「うふふ、気長にまってますね」
そして店を出る俺たち。
外に出ると何やら豪華な...いや、悪趣味だな。
そんな感じの馬車が通っており、周りの人たちが跪いている状態だ。
「なぁリディア、あれなんだ?」
「あの紋章は...王家の紋章。あれはこの国の王族の馬車」
「へぇ。めんどくさそうだから逃げるか」
面倒くさいことに関わると碌なことがないからな。
それになんかテンプレの予感がする。
「そこの者たち、止まらないか!」
呼ばれた気がするけど俺たちじゃないことを願ってさっさと逃げよう。
そのまま路地裏に行こうとするハルト一行。
ゲートを使って帰るつもりである。
「貴様らだ!さっさと止まらんか!」
「...なんですか?」
「ぶっ」
おいティア、今笑ったろ。
そしてなんでリディアもレミアもプルプルしてるの?
「王子殿下がお呼びだ。さっさと来てもらおうか」
「えっと、なぜ俺たちが行かなければならないんでしょうか?そこを説明していただかないと...」
「ぶふっ」
「ぷふっ」
リディアとレミアも笑ったろ絶対。
なんで笑ってるんだよ!?
「はぁ...これだから平民は。王子殿下はそちらの銀髪の少女とエルフの娘と赤髪の女性を大変気に入られている。後はそこの猫人族だ」
「...ん?」
「そういうことだ。だから来てもらおうか」
あー、あれね。
要するに気に入ったから平民から奪うみたいな?
それにシルフィは首輪付けたままだったから奪って自分の奴隷にしよう見たいな?
うーん...死刑かな?
いや待て俺。俺は善良な日本人。模範的な紳士だ。
話し合いから始めていこう。
「一応話はしますけど彼女たちは渡しませんよ?」
「なんだと...?まぁいい。さっさと来い」
兵士の後ろをついていく俺たち。
そしてその俺たちを見ながらソワソワしている冒険者。
馬車の前に着くと馬車の中から10代後半あたりのさわやかイケメン風な男が出てきた。
「初めましてお嬢さん方。私はシュタイルツ帝国第1王子、キーザ・シュタイルツだ」
「...私はリディア」
「ドーラと申します」
「ティアです」
「.....シルフィ、です」
リディアは無表情。
ドーラは完全なスマイルだが嫌悪感があふれ出ている。
ティアは目が笑ってない。
シルフィは完全に目を合わせてないしどこか適当な感じ。
なんだこのカオスは。
「ああ、よろしく頼む」
そういって手を差し出し片膝を付く王子。
これってあれか?手の甲にキスするやつ。
実際にやる人初めて見たはこれ。よくやる勇気があるよなぁ。
でも残念ながら誰も反応してないよ?シルフィに関しては見てすらいないよ?
それなのにやめないの?精神力化け物かよ。
暫く手を差し出していたが、反応がないことに頬を引き攣らせながら立ち上がるキーザ。
こいつ、容姿で優れてるからいままでこういう状況になったことがないんだろうなぁ...。
へっ、ざまぁみやがれ。
「お嬢さん方をここへ呼んだ理由なんだが、良ければ私の帝にならないかい?正室でも構わないよ」
何言ってんだこいつ...どこかの勇者を連想させるぜ。
てか王族ってこんなことばっかりやってんのか?碌な王族が居ねぇなぁ!
「...私には婚約者がいる」
「もう心も体も捧げた人がいますので...」
「私はハルトさんの女ですし」
「私はハルトの奴隷なので...」
「そ、そうなのかい」
頬をさらに引き攣らせながら返答するキーザ。
そして俺をキッと睨む。
そのキーザをさらに睨むリディアたち。
怖い怖い。今日からは怒らせないようにしよう。
「君が彼女たちの言うハルトかな?」
「ええ、そうです」
「ぶふっ」
ティア、笑うなって。
「少し二人きりで話をしようじゃないか。構わないだろ?」
「ええ、構いませんよ」
にっこりと微笑みながら了承する。
数名の冒険者が若干後退っていたがそれは後で問い詰めるとしよう。
「お前、彼女たちを僕に譲る気はないか?」
「ないです」
即答する俺。
いくら王族でも渡せないもんは渡せない。
しかもここ帝国だからいざとなったらカルヴェたちと攻めに来ればいい話だしな。
「...いくらほしいんだ?」
「お金も要りません」
「女なら用意するぞ」
「リディアたち以上にいい女なんていません」
「...私が本気になれば王族の権利で貴様を殺すこともできるんだぞ?」
「そうしたら私はルシアーノ王国の国王に報告して召喚された勇者たちを呼び私が鍛えた兵士たちでこの国を滅ぼしますよ?」
若干威圧をしながら言い放つ。
王子は「何言ってんだこいつ」みたいな顔をしていたが、そんなのはお構いなしだ。
「あっははははは!何を言ってるんだ貴様は!貴様のような平民が国王や勇者を呼ぶだと?嘘もほどほどにしとけ」
うっわぁ、なんか腹立つ言い方してくるなぁ。
これガチで呼んじゃう?
「もしお前が本当に呼べたら腹切りでもしてやるわ!」
「王子殿下、この平民がそんなことできるわけがないでしょう」
「だよなぁ!はははははは!」
呼んじゃうよ?呼んじゃうよ?
許可を取るためにリディアにちらっと視線を向ける。
「...ハルト、呼んでも構わない」
「ついでにフェルニたちも呼んじゃいましょう」
「お父さんたちを使ってこの国を亡ぼすのもいいですね」
許可は下りた。よろしい、ならば証拠を見せてやろう。
「【ゲート】」
「げ、ゲートだと?」
最初は勿論カルヴェたちだ。
全身黒衣装のフルフェイスヘルメットをかぶらせて登場させよう。
ゲートを潜り、カルヴェたちを呼ぶ。
「カルヴェ、仕事だ」
「今回はどのような仕事で?」
「帝国の王子が俺が言ったことを嘘だと思ってるらしくてな。これが終わったら進攻しても構わない」
「御意」
ゲートを出て新しくゲートを出す。
次は勇者一行だ。
唯一覚えてる香織の魔力をあてにゲートを開く。
「勇者ども、生きてるか?」
そんな声をかけながらゲートを潜ると、そこには巨大版キメラに追い詰められてる勇者たちがいた。
てかこのキメラでかすぎじゃね?10mぐらいあるんだが...。
「は、ハルト君?!」
「ハルトだと!?」
「ハルトが来たのか?!」
上から順に、香織、和希、甚太だ。
「大丈夫...じゃないっぽいな。とりあえず俺の用事に付き合ってもらうからすぐに終わらせるぞ」
縮地を使って一瞬で勇者とキメラの間に入る。
太腿のレッグホルスターからパイソンを引っ張り、キメラの目に照準を合わせる。
ドパァン!
一発の弾丸は完全に目を貫き、そのまま脳も破壊したようだ。
キメラはゆっくりと倒れる。
「終わったな。早速来てもらうぞ」
「ま、まて!何が何だか...」
「まぁ慌てるな。事情は後で説明するから今は来てくれないか?」
「で、でも俺たちは遠征でここに来てるわけで...」
「もし来てくれたらお前の聖剣を魔改造してやろう」
「よし行こう」
ふっ、男はロマンに勝てないんだよ。
「ちなみに行先は帝国だから」
「え!?でも帝国って戦争する相手じゃなかったかな!?かな!?」
「大丈夫だ。今日で帝国は滅ぶ」
「それどういう意味?怖いんですけど!?」
騒いでいる勇者一行を尻目にそのままゲートを潜らせる。
次はフェルニたちだな。
だがフェルニたちは....。
懐から取り出した笛を鳴らす。
スピィィィ...という掠れた音が鳴るだけで特に何も起こらない。
と、思いきや一瞬ででかいオオカミが現れ、空には蒼炎を纏った巨大な鳥がグルグル旋回している。
あれは犬笛なんだが、どういう原理かヴェルたちを呼んでしまう効果があるようだ。
「し、神獣!?それに勇者まで...!?嘘だ...あり得ない...!」
錯乱し始める王子。
そして突然現れた異界の勇者と神獣の登場に動揺を顕にする野次馬。
「最後は...国王だな」
ゲートでルシアーノ王国の王城にある謁見の間につなげる。
そこにはいつも通りアルベルト国王とピラールさん、ルディアがいた。
「お久しぶりだな、お義父さん」
「おお!ハルトではないか!どうしたんだ?」
「リディアに手を出そうとした馬鹿な王子殿下がいてな。少しばかりとっちめてやろうと思ってな...」
「ぬっ、それは許せんな。その魔法は【ゲート】じゃな?早速行こうじゃないか」
「私も行きますわ」
「私も!」
さすが吸血鬼族の王だな。
【ゲート】を見ても驚きすらしない。
◇◇◇◇◇
「さて、王子殿下?約束通り連れてきましたが?」
「う、嘘だ...あり得ない...うそだぁぁぁぁぁ!」
ありゃりゃ、走ってどっか行っちゃったよ。
それを追いかけて兵士も馬車も行っちゃうし。
でもさぁ...。
「約束を破るのはダメだよなァ?」
ニィィっと口の端が吊り上がるのがわかる。
カルヴェに目を配らせると、一瞬で察しすぐさま消える。
俺が思ってる通りなら帝国の王と王子殿下を狙いに行ったことだろう。
これで帝国は滅び、戦争の件もなくなるかもしれない。
「はぅぅぅぅ...ハルト君があんなかっこいい顔を...」
「香織、しっかりなさい。あなた今女の子がしちゃいけない顔してるわ」
「雪乃ちゃん...」
「なぁハルト、遠征の途中だったんだが、帰りも送ってくれるよな?」
「ん、ああ。ついでに聖剣かしてみろ」
「おお」
刃の状態は...うわぁ、ひどいな。
きちんと手入れしてるのか?
それなりの剣の達人が振ったら鉄塊を切れる程度の刃にはしとこう。
【雷光】と【強化】をつけて...。
「ほらよ。たまにでもいいからしっかり手入れしてやれよ」
「あ、ああ。すまない」
「ハルト君、また会いに来てね!」
「おう」
「ハルト君、あなたからもらった刀、少し性能がおかしいんですけぢ...」
「...別に困らないだろ?」
「いや、その、底にあるボタンを押すとミサイルが飛んでくんですけど...」
「...武装は男のロマンだ。とにかくじゃあな!」
「え、っちょ!」
ふぅ、危なかったぜ。
そのあとはアルベルト国王に新しくできた婚約者を紹介したり、カルヴェたちの部下の報告を受けて指示を出したりした。
予定を早めて今日の夜に移動を開始したんだが、風の噂によると何者かの襲撃によって帝国の王族は全員殺害され、亜人の奴隷化が禁止されたとか。
新しい王が決まるのは当分後になるそうだ。
最近ネタが思い浮かばなくて更新遅くなりそうです...。
新しい兵器も考えないと(戦慄)




