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魔物、そして自動追尾型

20部突破しましたぁ!

この調子で続けられればいいですねぇ....。

「ぐぅぅぅ...」


宿のベットの上で起きたハルトが大きく腕を上に伸ばす。

現在時刻は7時あたりだ。


「おーいリディア、ドーラ、ルリィ、起きなさい」

「んぅ...」

「ごしゅじんさまぁ...もうすこしぃ...」

「...パパ、おはようなの」

「ああ、おはようさん。リディア、ドーラ、早く起きなさい」

「...んぅ...おはよう」

「おはようございます...」

「おはよう。さっさと顔洗ってきなさい。朝食をとったらすぐに出発するぞ」

「「「は~い...」」」


まぁ朝が弱いのは俺も同じだからリディアたちの気持ちもわからんでもない。

朝眠い中の授業は最悪だったな...。魔術で脳を刺激して無理やり起きてたし...。


「ハルト、今日はどのあたりまで進むの?」

「今日は一気に港町まで行くぞ」

「あら、なら海鮮料理も食べたいですね」

「お魚さんはおいしいの!ママの料理をパパに食べてもらうの!」

「そうか。にしても海鮮か....買いだめしないとな」


日本人なのだから魚を食べたいと思うのはおかしいことじゃない。

これが正しい欲求なのだ!


◇◇◇◇◇


「朝食を頼む。軽いもので構わない」

「かしこまりました」


朝ということもあって食堂には多くの人がいる。

その中にリディアたちを見てる男どもがいたのだが、昨日の惨状を見たほかの客が行くのを止めていて比較的静かだ。


「お待たせしました。白パンに野菜スープ、サラダでございます」


朝からヘルシーやな。

まぁ確かに軽いものだし、車で移動する分いくら衝撃が少ないといっても腰に来るからな。


俺たちはさっさと飯を食べると、荷物をアイテムボックスに入れて町の門に向かう。

途中で冒険者らしき男たちが近寄ってきたが、何かを言う前にアイアンクローで沈めていった。

昨日の受付嬢とギルドマスターらしき者が走って近寄ってきてたりもしたが、無視して進んだため、どうなったかは知らない。

謝りに来るなら昨日のうちにこいよ。


「おし、じゃあ魔道4輪駆動車出すぞ」


アイテムボックスから魔道四輪駆動車を出す。

だが、今までの硬い車ではなく、しっかりと左右にセントリー先輩を設置した状態で、だが。

屋根には爆炎をいくつも付与された小型ロケットが載っており、車内からボタン一つで発射させることができる。


「...ハルト、これ昨日やったの?」

「ああ、そうだぞ。すごいだろ?」

どや顔のハルト。

ああ、これはダメな奴だ。

「...ん」

「パパ、すごいの!」

「ガッハッハ!そうだろうそうだろう」


そんな感じで道を進んでいくのであった。


◇◇◇◇◇


途中で盗賊が襲ってきたり、馬車が襲われたりしてたが、全部セントリー先輩に任せて進んでいった。

セントリー先輩は敵対意識を持っているものだけを攻撃する仕様で、かなり有能なのだ。

欠点は手加減ができないところ、かな....。


グルルァァァァァァァ!!!


突如大空に響く咆哮。

何か懐かしい感じがする。


「これは....ドラゴンか?」

「ん、森の奴よりは弱いと思う」

「そうか。ってあれ、冒険者と交戦してないか?」

「確かにそう見えますね。でも一方的に蹂躙されてる感じもしますね」

「確かになぁ....そういえば、文献で見たんだが、ドラゴンの内臓って万能薬エリクサーの材料になるって本当なのか?」

「えぇ、本当ですよ。どんな病気でも治す薬になりますね」

「へぇ...ならどうせだし倒してくか。どっかで役立ちそうだし」

「ん、そうしよう」

「そうですね」

「ドラゴンさん倒すの~!!」


俺は車を加速させ、一気にドラゴンたちに詰め寄る。

一瞬、冒険者たちがこちらを見て警戒態勢取るも、ドラゴンのほうが脅威と判断してすぐに向き直った。


「ポチっとな」


車内にある4つあるうちの一つのボタンを押すと、屋根の上のミサイルが、


シュゴォォォォォォ!!!!


という轟音と共に飛んで行く。

そのミサイルはドラゴンに高速で接近すると、露骨にドラゴンの腹部に直撃した。


ドゴォォォォォン!!!


轟音と共に辺りが煙に包まれる。

あれ、冒険者たち大丈夫かな.....。


風魔術で煙を払うと、冒険者たちは所々火傷をしているようだったが、平気そうだった。

ドラゴンのほうは片腕だけ抉れており、案外部無事そうだった。


グルルァァァァァァァ!!!!


先ほどの攻撃が気に障ったのか、怒りの咆哮が飛んでくる。

ドラゴンの咆哮は物理的な威力も伴ってそうなほど強烈だった。

まぁ効かないが。


俺は車内から降り、パイソンを構える。

万能薬エリクサーの材料は、肝臓、目、腎臓らしく、頭を狙うにしてもレールガンモードでは爆散してしまう恐れがあるため今回は通常射撃モードだ。


ドパァン!!


キィン!


うっそだろ...こいつ、銃弾を鱗ではじきやがった...。


「おいそこの少年!逃げるんだ!ドラゴンには勝てない!」

「あぁ?うるせぇなぁ。少しは黙っとけよ」

「なっ...」


冒険者は「せっかく忠告してやったのに」みたいな顔をしているが、無視する。


ドパパパパパァン!!


5発ほど同じ個所に打ち込んでみると鱗が音を立てて砕け、肉が顕になった。

俺はその隙を見逃さず、一発の銃弾を放つ。


バシィ!


だが、銃弾は確かに当たったのだが、素の防御力で弾かれてしまった。


「こいつの防御力は化け物かよ...」


俺はそんな愚痴をこぼしつつ、一発の弾丸を錬成する。

付与した効果は、強化と【雷光】だ。

雷光をつけることによって、雷を纏った弾丸を打てるようになるのだ。

レールガンみたいに爆散することもなく、威力も低いが貫通力だけは優れていて速度もレールガンより少し下程度のもので、結構使える。


パシュン!


掠れたような、しかししっかり撃てたような音と共に一閃の雷がドラゴンの眉間を狙う。

ドラゴンもまずいと感じたらしく、避けようとしてたが、ドラゴンほどの巨体が弾丸を視認してから回避できるわけでもなく弾丸は脳を貫通して、ドラゴンは巨体をゆっくりと倒した。


「やっぱり火力的な問題だよなぁ...今度また錬成しないと。さて、回収回収」


俺はさっさとドラゴンを収納すると、ここから10㎞ほど先にある港町に向かうべく車に乗り込む。


「ま、まってくれないか!」


なんか言ってた気がしたが、気にせず進むことにした。

あばよぉ!とっつぁん!


◇◇◇◇◇


港町に着いた。

ここから海の上の海人族の里を目指す。


が、その前にギルドに寄って、ドラゴンの解体を依頼することにする。


「すまない、解体を依頼したいのだが」

「解体ですか?失礼ですが、解体したい魔物はどちらに?」

「さすがにでかすぎて入らないからアイテムボックスに入れてある」

「アイテムボックス持ちですか。了解です。ではこちらに解体する魔物の名前を書いてください」


俺は言われた通り魔物の名前を書く。


「これだ」

「...ドラゴン、ですか?」

「ああ」

「...ギルドマスターに確認を取ってきます」


受付嬢は奥のほうへ走っていく。

しばらくすると一人の老人と共に戻ってきた。


「君がドラゴンの解体を依頼したという少年だね?名は?」

「人に尋ねる前に自分から名乗れ。常識だろ?」

「おっと、私はこの町――ファブルの町のギルドマスターをやっている、グニラ・ヴェステルーンと申す」

「ハルトだ」

「ハルト、か。ギルドランクを聞いてもよろしいか?」

「Aだ」

「ほほう、Aランクですか...この町に来たのはいつですかな?」

「ついさっきだな。昨日まではベックマンの町にいた」

「一日でこの町まで、ですか...。何かの魔道具ですか?」

「ああ、俺の自信作だ」

「その様子ですと、クラスは錬成師ですかな?」

「そうとも言えるしそうでもないともいえる。そんなことより早く解体してくれないか?腎臓と肝臓と目と肉以外なら売ってやる」

「なんと!では早速移動しましょう」


俺は言われるがままギルドの裏にある解体場にやってきた。

「では、出してもらえますかな?」

「ああ」

アイテムボックスから死んだてほやほやのドラゴンを出す。

相変わらずでけぇなぁ。森ほどじゃないけど。


「これは...眉間に穴が...?」

「この鱗はなかなかの強度だったな。無駄に銃弾を消費しちまった」

「じゅうだん?いえ、そんなことよりこの状態のドラゴンを売っていただけるのですか?」

「ああ、さっき言った部位以外はな」


万能薬エリクサーってのも気になるしな。


それから数時間後に解体が終了し、素材も渡された。

やっぱ内臓もでかいなぁ...。


「買取の代金が合計で白金貨10枚になりますね」

「そうか。結構高いな」

「まぁかなりきれいな状態でしたからねぇ」


結構値が付いたことに驚く。

金はあっても困らないから気にしないのだが。


「ぴったり10枚だな。じゃあ俺たちはもう行くとするよ」

「次はどこに行かれるのですか?」

「海人族の里にな。この子を届けてやるんだよ」

「ほほう...失礼ですが、奴隷として売ればかなりの値になりますが?」

「冗談でもそういうことは言うもんじゃないぞ。じゃないと....殺すからな」

「っ!!申し訳ありません。少々戯言が過ぎましたな」


俺の殺気と威圧に思わず目を見開くギルドマスター。

冗談でもこういうことを言うのはよくないからな。

ルリィは実際そうされそうだったんだし、思い出させるのもよくない。


◇◇◇◇◇


「全員乗ったか?出発するぞ」


俺は小型船舶艇の操縦席に座りながら後ろを見る。

そこには左右に設置されたロングソファに腰掛けるリディアたちがいた。


「よし、視界良好、魔力よし、武装点検完了。出発!」


ブオォォォォォォォ!


魔力が動力部に流れたことによって後方部の底についている筒から風が流れる。

これは魔法付与で風の魔術を付与したものだ。

魔力を流せばかなりの速さ走ることができる。


「ひゃぁぁぁぁ!これすごいの!」

「ん!楽しい」

「これはなかなか....」


船酔いの心配はないようだな。

まぁならないように対策はしてるんだが。


現在の位置は町から約10㎞ほど離れたところだ。

ここからさらに20㎞程進めば里があるらしい。


「パパ!あのでっかいお魚さんはなんなの?」

「あれ?...クラーケンじゃねぇか!」

「くらーけん?」

「ああ、海に住む悪い魔物だ。だから駆除しなければならん」

「悪い魔物なの!倒すの!」

「そうだな。魚雷、発射!」


ふっふっふ。この魚雷からは逃げられないぜ。

自動追尾機能搭載のチート魚雷だからな。

さらに火魔術の頂点である【エクスプロージョン】が付与されてるから当たった瞬間に木っ端微塵だ。

文字通り海の藻屑になるわけだな。


カシュッ!

シュゥゥゥゥゥゥ....ドゴォォォォォン!!!


クラーケンから1㎞ほど離れているが衝撃がこっちまで来て船体を大きく揺らす。

「ぐわぁぁぁぁ!?」

「きゃぁ!」

「ひぇぇ!?」

「ひゃぁぁぁ!」


思わず倒れそうになるが何とか堪える。

リディアたちも無事なようだ。


「クラーケン、どうなった?」

「今確認する...反応消滅。海の藻屑になったな」


俺が見てるのはサーチを応用して作った新魔術【ソナー】だ。

これを付与することによって魔力を周囲に飛ばし、魔物や人の反応を探ることができるのだ。


「クラーケン...奴だったよ...」


里に着くまでは忘れない。

そう胸に誓うハルトだった。

あれ?雷帝魔術師なのに雷使ってない....。

今更気づく作者であった。

また更新します。

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