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絶対②


 「おはようございます。」

野口コーチの挨拶に3、4年生が同じ言葉を数倍の圧力で返した。後方で見守る保護者が思わず苦笑いする程、気合いは十分だ。

「いよいよ予選ラウンドです。4チームによる総当たり戦。相手チームは保佳、暁星、善律。優勝チームが決勝ラウンドの切符を手にできます。練習の成果を出していい試合をしましょう。」

話を進めながら子供達の目を確かめる野口コーチ。先週の1、2年生の大会では眠そうだったり、キョロキョロ落ち着かない子もいたが(進はあくびをしていたな)、ひとつふたつお兄ちゃんになるだけで身にまとう緊張感が違う。皆、いい目をしていた。鋭い眼光というか戦闘モードというか、試合が待ちきれない、そんな声が訊こえてきそうだった。

「よしっ。準備体操とウォーミングアップで体を起こしていこう。」


 言ってなかったかな、正徳SCのキャプテンは順也だ。やや抽象的で難しい言い方になるが、フィジカル面でもメンタル部分でもずっと先頭に立ってチームを引っ張ってくれている立派なリーダーだ。これからも最後まで堂々と務め上げてくれるだろう。後輩たちにはサッカーだけでなく、彼のリーダーシップや人間性も見習ってほしい。

 順也を中心・先頭にウォーミングアップが進む。いつも通りの動きに掛け声。毎度同じことをやているのだから息はぴったり、美しく揃って当たり前なのだが、滅多にお目に掛からない観客には、まるで奇跡のように映る。そして対戦相手にも大なり小なり心理的なプレッシャーになりうる(逆もまた然り、なのだが)。心奪われ見惚れてしまう観客と、目に焼き付けんとする野口コーチ。それでも心の内までは見通すことができなかった。察知できなかったという方が正確か。尤も、その片鱗はすぐに現れるのだが。

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