第67話 修行……?
今、俺達は家から少し離れた所にある池に来ていた。
「ゲンさ、師匠何で僕達は釣りをしてるんですか?」
「そりゃお前何も食わないで生きていけるなら釣りをする必要はないさ腹が減ったら飯を食うだろ? だから釣りをするんだ」
いや……それはそうなんだけどあれ、鍛えてもらう話しは幻聴? 幻覚?
「師匠これは……修行ですか……?」
「んや、違うな強いて言うなら釣りの修行だな」
俺は持っていた竿を静かに置き目を瞑り2、3秒してから目を開ける。
あ、これ夢じゃねぇわ。
「師匠あの……」
「ナギすぐに竜具の修行には入らないぞまずは飯の準備だ」
こう言われてしまっては何も言えない。俺は置いていた竿を持ち直し釣りを再開する。
「おっきたきたぁ!」
師匠が魚を釣り上げる魚は至って普通の魚に見える。
「ナギどうだ中々上手いだろ釣りそれとこの魚一見普通の魚に見えるが焼いても美味いし刺身、炙りにしても絶品なんだぞ」
とてもいい笑顔でこちらに伝えてくる魚の情報……正直今は、どうで……おっと俺にもきた。
「師匠釣れました」
「おぉ、やったじゃないかほれバケツに入れろ」
指を指された方にあるバケツに魚を入れる。俺何やってるんだろう……
「まぁ、気を落とすな」
師匠が励ましてくれる。
「魚はまだまだ沢山いる釣れるさ」
いや、そっちかい!
しばらく魚を釣った。合計10匹ほどだろうかほとんどが師匠が釣った魚だ。
「さーてとそろそろ釣りは止めだ」
遂に竜具の修行か!?
「調理に入ろう」
ですよねー……
師匠と一緒に家の前へと戻って来て切り株に魚を乗っけた。
「やっと戻ってきましたね何してたんですか?」
「メグお前もここから見えていただろ」
「ビャ」
「あぁ、釣りをしていたよ……」
「お前達、飯を食わないで戦えると思ってるのか?」
「いや、思ってませんけどすぐに修行に入るんだと思っていたので」
「まぁ、見てろ」
そう言った師匠は魚を1匹上に放り投げ火刀を抜き魚を切った。魚は綺麗に刺身となって切り株に落ちてきた。
「おぉー凄い」
「ナギ生活で使うなら黒刀より火刀の方が便利だぞこんな事も出来るんだ」
また魚を放り投げまた切る。だが今度は炙りの刺身となって落ちてきた。
「どうだ凄いだろ火刀の加減次第で刺身や炙りにも出来るんだ後は」
師匠が魚を突き刺し力を込め焼き上げる。
「な、簡単だろ? あっという間に焼き魚の完成だ」
遂にその方法で焼いちゃったよ火竜よすまん。俺が謝っておく。
「ナギお前もやれ黒刀じゃなく火刀でな」
俺も真似をしてやってみるが厚くなった刺身が出来上がる。
「すみません師匠ほど上手く出来ませんでした」
「ま、最初はこんなもんだろ続いて炙りその後は焼き魚だ力の加減を考えてやれこれは火刀の火力の修行だと思え」
火刀の修行遂に……相手は魚だがやってみよう。
火刀に力を込め燃え上がらせ左手で魚を放り投げ刺身にしつつ身を炙りに……
「これは……生焼けだな」
「生焼けですね」
「ナギは初めてやったんだろそれに少し炙ったのを食べてみるのも俺はいいと思うぞ」
ユイが優しい今日は特に優しいな。
「ビャア」
食えるなら何でもいいかお前らしいよクロ……
続いて魚を突き刺し焼き上げる。これは上手くいったと思う。
「焼き魚は上手くいったみたいだな力を込め過ぎなければ出来るからなそれに火刀に火を込めるのと一緒だからなやりやすかっただろ」
「他のに比べたら……」
「ほら残りも頼むぞ」
俺は残りの4匹を刺身1匹炙り1匹焼き魚2匹で捌き焼き上げた。1回目よりは上手くいったが師匠に比べたらお粗末な物だ。
「師匠すみません上手く出来ず」
「何、腹に入れば一緒ださ、食べようぜ適当に座ってくれ箸は今家から木を持ってきて作るから先に焼き魚でも食べていてくれ」
「わ、分かりましたお先にいただきます」
「いただきます」
「ゲン、ナギいただく」
「ビャア」
ん、美味いなだが何か足りない気がするこの魚、村で食べた魚と何か違う気がする美味いは美味いが何だろ?
食べていると師匠が戻ってきて手頃な木を四つに切りそこから削って箸を作った手馴れた手つきだな。
「師匠箸を作った事あるんですか?」
「あぁ、あるぞほら一つは自分用に前に作ったんだそれを使い終わったら池で洗うんだほら皆の分だ」
それぞれ師匠が作った箸を受け取る。
俺はもう一口焼き魚を食べて気付く。足りないのは……
「あの、師匠、調味料とかはあるんですか?」
「そんなもんあるわけないだろあってもとっくに無くなっちまってるよアハハハ」
何か足りなかったのは調味料だった塩が無かったんだこの分じゃ小皿も無さそうだな。
「調味料は前の国から貰ったんですけどお皿がないなユイ小皿とかあるか?」
「鉄ので良ければあるぞほら」
ユイから人数分の小皿を受け取り一つ一つにアイテムボックスから取り出した醤油を入れていき皆に手渡す。
クロには俺から食わせよう。
「醤油なんて久々だなこれは美味い刺身が食えそうだな有難く食わしてもらうぞ」
刺身を豪快に取り醤油に付け味わう師匠。
「これだよこれそして焼き魚には塩だよなナギ塩もあるか?」
「ありますよはい、どうぞ」
塩を手渡しかけていく師匠次にメグへと塩が周っていく。
俺は、刺身と炙りをクロと交互に食べていく。
師匠の炙り加減は最高だかなり美味いそれに比べて俺のは……でも、美味いクロも美味そうに食っている。
たらふく魚を堪能した。魚料理だけだったが美味かった。
「ナギ食ったし修行に入りたい所だがナギ以外の3人はどうするんだ? 俺はナギに付きっきりになるしあの家に5人は狭いぞ」
そうか竜具の修行だから持っている俺になるよな3人はどうするんだろう。
「メグとユイどうする? ここで俺の修行を見ているだけじゃつまらないし身体も鈍るだろう3人で戻れるならクロと一緒に宿に戻ってもいいぞそれと僕達が泊まってる宿にしばらく戻れない事を伝えて来てほしいんだけど3人だけで行けるかい? クロに付いていけば宿まではいけると思うんだが」
「40階は壁や地面に攻撃しなかったら決まった数のゴーレムしか出ないから大丈夫だと思うが30階は抜けれそうか?」
「何とか3人で前みたく走り抜けてみますそれと私達もただ見ているだけじゃなく40階か30階でモンスターを倒して少しでも強くなろうと思いますいいかな? ユイ、クロさん?」
「俺はそれでもいいぞ多少ナギが1人なのが気になるぐらいだがな」
「本当にユイはナギさんが好きですね~」
「このバカメガネ! 誰が好きかっ!」
「はいはい」
「ビャビャア」
「クロ大丈夫1人って言っても師匠もいるし僕の事は気にしないでくれそれより気を付けろ」
「分かりましたそれでは一度戻りますね」
「分かったメグ ユイ気を付けてくれ」
一旦メグ達と別れる事になった。
「さてナギ修行に入るか黒刀は自分で扱えるようになれ俺は火刀をお前に教える構えろ」
「分かりました師匠」
俺は火刀を抜き構える。
火刀を師匠みたく扱えるようになってやる。




