第65話 50階に居たのは……
遂に50階到着です。
俺達は40階のゴーレムの謎を解き50階に辿り着いた。
今まで1組のパーティーしか辿り着けなかった50階に。
「ここが50階か」
「何だか静かな所ですね」
「蝶が飛んでいるぞ」
ユイの言う通り蝶が飛んでいるモンスターではなさそうだ。クロが蝶を追いかける。
「クロあまり遠くに行くなよ」
それにしてもここが50階か?
何だか拍子抜けするような所だな所々草が生えていて他には何も無い。草以外には土の地面ぐらいだ至って普通な場所だ。
「ナギさんあそこを見てください」
メグに言われた方を見ると小さな小屋……? いや、小さな家があった。
「小さいが家……だな」
「何でダンジョンに家があるんだ?」
「分からないとりあえずそこぐらいしか行く所はないし行ってみようもしかしたらそこがセーフゾーンかもしれない」
家の前に来てドアを一応ノックしてみる。
「コンコン」
「すみません誰か居ますか?」
返事が返ってこないな誰もいないんだろうか?
「入りますよー……」
ドアを引き中を見渡す。明らかに誰か住んでいる形跡があった。
「この家、誰か住んでるよな?」
「だな必要な生活用品がちらほら見えるそれに食料や水まである」
ユイとも同意見だった。
その時、突然後ろからもの凄い殺気というか気を感じた。
「グルルル」
クロも気付いたようで俺は急いで後ろを振り向いた瞬間、顔に赤い剣先を突き付けられる。
「人ん家で何してんだお前ら」
少し厳つめな白髪なおっちゃんがそこには居た。
「すみません先程40階から上がって来た者で50階に来てみるとこの家が見えた者で一応ノックはしたんですが中の様子を見させてもらってました」
「ほーうあの40階から来たのか」
男は敵意が無いのを感じたのか剣をしまう。
「40階の謎を解いたのは誰だ?」
「この黒い竜です」
「こいつか? こいつは黒竜か?」
「えぇ、そうです」
「でも、まだまだ子供だな」
「分かるんですか?」
「当たり前だお前この刀を見て気付く事はないか?」
そう言われ見てみる。俺は知っているこの刀をいや、正確には持っているが正しいそう火刀だ。
「これは火刀ですよね?」
「昔、火竜を仲間と一緒に倒したんだその時の戦利品だな」
もしかして前に筋肉ムキムキ事キムが言っていた火刀を持っていた人とはこの人の事だろうか?
「昔、こうハゲの筋肉ムキムキの人を助けた事はありませんか?」
「筋肉ムキムキのハゲ……あー……あったような無かったような色んなやつを助けてたから全部は覚えてねぇけど居たかもしれねぇな」
恐らくこの人がキムを助けた人だ。
「それよりお前達、名前は?」
「竜具使いの竜使いナギと申しますこの黒い竜はクロです僕の相棒です」
「ビャア」
「私は魔術師のメグと申します」
「鍛冶師と回収を主にやってるドワーフのユイだ」
「中々バランスの取れたいいパーティーだな。俺はゲンって言うんだよろしくな」
「あの、ゲンさんはここに住んでるんですよね?」
「あぁ、そうだ」
「モンスターとかはこの階は出ないんですか?」
「昔は少し居たけどひたすら倒してたら出なくなったなま、動物もいるし肉も困らねぇそれに魚も釣れるんだここから少し行った所に池があってな捕っても捕っても次の日になるとまた魚がいるんだ」
どういう理由かゲンさんはここで自給自足の生活をしているらしい。
「ゲンお前右腕はどうした? それとその顔の火傷」
ユイ、俺も気になっていたが聞きづらい事をそんな簡単にしかも呼び捨て……。
「あ、気付いたかやるなぁちっこいの! この顔の傷は火竜との戦いで負った傷だま、名誉ある勲章だな」
ユイが少しムッとしているちっこいのと言われたからだろう。
「それじゃ、その右腕も火竜にやられたんですか……?」
「いや、これは違う。」
急に真剣な表情になるゲンさん。
「この右腕はこの先最上階の60階に住むモンスターにやられた傷だ右腕丸ごといかれちまった」
火刀の持ち主で明らかに強いゲンさんの右腕をもっていたモンスターがこの先に……
「俺はその60階のモンスターに仲間を皆殺された俺は目の前で仲間を全員失ったんだそれからはギルドに60階に到達した事仲間を失った事を報告した。ギルドに60階の敵があまりに強過ぎるため50階に到達した事にしてもらったギルドの奴らは良く生還したと言ってギルドのボードに紙が張り出されたが俺はどうでもよかった仲間を失い利き腕を失ったんだからな」
「それでもなぜここにいるんだ?」
「俺と同じ馬鹿をしないために俺はここにいるんだ俺より弱い奴は絶対に上には上がらせない俺と同じ目もしくは全滅するだけだからな」
ゲンさんの目が本気だ。彼は他の冒険者の事を考えここでずっと同じ轍を踏まないようにしているのか。
「僕達も通してはくれませんか?」
「俺と戦って勝ったら通してやる俺に勝てないようなら次の階に行っても死ぬだけだ大人しく40階か30階で地道に強くなるんだな」
「ゲンさん一つ聞かせてくださいこの先にいるモンスターというのは白い竜でしょうか?」
「いや、竜なんかじゃないまだ竜の方がましに俺は感じる敵だった」
メグとユイはこの先最上階に竜がいるかもしれないとの事でこのダンジョンを攻略していたどうやら噂はただの噂だったみたいだ。
「2人とも残念だったな」
「まぁ、こんな事は今まで何度もあったからな慣れてしまったさ」
「とはいえ、やはり中々白竜には会えませんねぇ……」
「そっちの2人は白竜に会うのが目的だったのか?」
「はい! どうしてもまた会って一言でも感謝の言葉を伝えたくて」
「俺達は白竜に助けられたんだだから竜がいるかもしれないと聞いてこのダンジョンに来たんだが……」
「2人はどうする? 帰るか?」
「確かに目的は良い方向ではありませんが達しましたでも、ナギさんはこの先に行くつもりですよね?」
「パーティーを組んだ以上俺達は仲間だその仲間が先に行きたいなら俺達も付き合おう」
「でも、いいのかこの先にはゲンさんのパーティーですら勝てない敵がいるんだぞ」
「私達も強くならないと竜に近付けませんから。ね? ユイ?」
「あ、あぁ、それにナギ達が勝手に行かないか心配だ」
優しいなこの2人は……
「ゲンさん僕達の意思は決まりました。次の階60階に進ませてもらいます!」
俺は黒刀と火刀を抜く。
「ほーう黒刀も持っているのかそれにその腰にあるのは緑刀か竜狩りでもやっているのか?」
「まぁ、こちらも色々ありましてそれより手合わせお願いします!」
「あぁ、いいだろうかかってこい」
滑らかな動作で火刀を抜くゲンさん。その動作だけでもかなりの凄腕という事が分かる。
俺達だって強くならなきゃいけないんだ。
俺はゲンさんに突っ込んで行った。
ここからまた新たな冒険、戦いが待っています。
ナギ達は60階に行けるのでしょうか?




