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正直、一番大変なのは ブサ男だとおもう。
「はぁ? 」
いやだってね、突然「ここに残らないか?」とか言われて「うん」とか言えるわけ無いがん?
「なんで?」
疑問におもったら即質問!
ははは! 私の今の座右の銘は聞くは一時と恥、聞かぬは一生の恥だ!
「……いや……別に……」
俯かれたまましゃべられてもな?
なんにも聞こえんぞ?
とか、お持ってた時だったよ!
「リトア~ 入るぞー」
この狭い家にまた人が来たのはよ!
☆☆☆
「まだカスミの行方はわからないのか⁈」
火の国の、どっかの城の一部屋で、怒声が上がる。
「も…申し訳ありませ
ん……!」
「クッ……カスミ……一体どこに……」
青年達は苦悩していた。
探している女が、かつて戦火を交えた国にいるとは思わず。
そして、その女が自分の弟に似ているからという理由で、男について行ったとは微塵も思わず。