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一度きりのリボン  作者: 矢満田太郎
第5章:紬と蓮の選択
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【第57話】 渦の奥が“紬の名前の核を試すために形を変える第二段階”に入るとき

渦の奥は、紬の名前の響きに従ってさらに深く開いていった。

黒い霧は紬の周囲から完全に離れ、渦の最深部へと吸い込まれていく。


まるで――

渦そのものが紬の名前の核を迎え入れる準備をしている

そんな風に見えた。


紬は胸の奥を押さえた。

「風花」という響きは、渦の内部に入ってからずっと強く、鮮明に響いている。


蓮は紬の手を握り、静かに言った。

「紬……渦の奥がさらに変形してる。

次は“試練の形”だ」


紬は息を飲んだ。

「試練……?」


ユイは風を揺らしながら言った。

「紬! 渦は紬の名前の核を中心に選んだ。

だから次は“核の強さそのもの”を試すための形を作るよ!」


真白は紬の手を握りしめた。

「紬ちゃん……渦の奥が紬ちゃんの名前の響きに合わせて震えてる……!」


ミナは渦の奥を見つめながら言った。

「影の心臓の残滓は拒絶された。

だから渦は“名前の核そのもの”を試す段階に入った」


紬は胸の奥が強く揺れた。


■渦の奥が“名前の核の試練”の形に変わる

渦の奥がゆっくりと閉じ、そして――

別の形へと変わり始めた。


黒い霧が左右に割れ、中心に巨大な“影の輪”が生まれる。


その輪は、紬の名前の核の響きに合わせて震えていた。


紬は震えた。

「……これ……試練の形……?」


蓮は紬の肩を抱き、静かに言った。

「紬……渦は紬の名前の核を試すために“影の輪”を作った。

この輪は、名前の響きをぶつけるための試練だ」


ユイが叫んだ。

「紬! 影の輪が紬の名前の核を呼んでる!」


真白は紬の手を握りしめた。

「紬ちゃん……輪が紬ちゃんの名前の響きを吸い込もうとしてる……!」


ミナは渦の奥を見つめながら言った。

「影の輪は、紬の名前の核が本当に“中心になれるか”を試すためのもの。

ここで負けたら……渦は紬を中心に選ばない」


紬は胸の奥の響きを感じた。

「風花」が強く光る。


■影の輪が紬に語りかける

影の輪が脈打ち、名前の響きを放つ。


――ふうか

――ふうか

――ちゅうしんに、なれるか

――ためせ


紬はステッキを握りしめた。


「風花は……揺れない」


蓮が紬の名前を呼んだ。

「紬!!」


ユイが風を送り、真白が光を重ね、ミナが影の輪の根元を切り裂く。


紬は叫んだ。


「風花――!!!

私は……中心になんかならない!!

名前の核は……私のもの!!

影には絶対に渡さない!!」


影の輪が大きく揺れた。


渦の内部が震え、黒い霧が紬の周囲から離れていく。


蓮は紬の肩を抱き、静かに言った。

「紬……影の輪は紬の名前の核を“本物”だと認めた。

次は……渦の最深部だ」


紬は胸の奥を押さえ、静かに頷いた。

「風花……ここにある……

絶対に奪わせない」


渦の奥が――

紬の名前の響きに従って、さらに深く開いた。

あとがき(紬の日記)

渦の奥は試練の形に変わった。

影の輪が私の名前の核を試した。

私は負けなかった。

渦は私の名前を本物だと認めた。

明日は渦の最深部へ進む。

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