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煉獄記  作者: 法蓮
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黒乙女



 彼女が前に進めば進む程、未来は形を変えていく。ザンギは私達の行方を移しながら、涙を流す種となる。使い方を知らない。全てを見ている桔梗は、自分の予知を使い、彼女の背中を押そうとしているのかもしれない。


「紅蓮、貴女は自分の大切なものを守れるかしら?」


 水晶の中に映る未来の彼女の姿は、血に染まり、全ての愛を手放していく。そんな姿を見せながら、桔梗と出会っていく。入道を含み、独尊、唯我と、彼女の運命に揺られている男達の想いを覗き見ながら、新しい時代の到来を待ち続けているのだ──


「桔梗様、お身体に触ります。ザンギを使いすぎでは……」

「いいのよ、三日月。入道は私達の思い通りに動いている。この戦況を有利に動かすのなら、理解と利用が必要なのですから」


 バラの花びらに包まれた彼女は、妖艶に見せつけてくる。黒い着物の中に彼女を示す紋章がひらりと舞い出した。清水六花集と協力関係にある黒乙女。そこの主軸になっているのが桔梗だった。本来は紅蓮に協力をするのだが、今回の件を側から見ているだけに留めている。


それは二つの勢力が争い、崩壊するのを待っているかのようだ。桔梗はザンギの能力を解放する事が出来ている。この情報は外野は知らない。一部の幹部達しか、伝えられていない。黒乙女の中で話が広がると、筒抜けになる可能性がある、それだけは避けたかった。


「彼女は紅蓮としての道を選んだ。それは修羅道よ。今までのようにはいかないのだから」

「それは……」

「入道と紅蓮が潰れてくれれば、私達黒乙女が頂点の勢力図になる。そしたらお役人からの依頼も増えるわ。今まで彼女達が握っていた裏の実権を私達の元に戻すのよ」


 紅蓮を名乗る者が出てきた時から、彼女の運命はどん底に叩きつけられたいた。全ての力を金を握っていた力を紅蓮に全て奪われて、彼女の下につくようになってしまったからだ。


 桔梗は何度も姿を変え、同じ着物を着て現れる。外見は違っても、中身は同じ。器になる体は歳を老いてきたと感じたら、消滅させ、新しい体を作り出す。その繰り返しで、彼女が黒乙女を長年、守り続けている。


 「動けるようになるまで、長かった……もう少しで」


 長い間、清水六花集に押さえつけられた力は、着実に勢力を増していく。今では手に負えないくらいの大きさになっていた。秘密裏に動いていた、自分の家臣を呼ぶと、始まりの鈴の音を高らかに、あげていく。


 「私達の時代が来ています。二大勢力はお互いの事を調べている状態でしょうね。その二つをボロボロに崩してあげましょうぞ」


 桔梗の声に歓喜をあげ続ける家臣達は、本来の姿に戻るように、真っ黒の着物に身を包みながら、四方八方へ分かれていく。



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