24話
「ど、独立!?」
「えぇ、ディルクロッドは、街じゃなくて国になったわ」
ま、まじで!?ていうか独立ってそんな簡単にできるもんなの!?
「ど、どうやったの?」
「私も詳しいことは知らないわよ?だって、これはほとんどディルクロッド様がいつの間にかやってのけたものだから」
「詳しくじゃなくてもいいから」
どうせ、この後ディルクロッド様の所に帰ってきました報告するから、詳しいことはそこで聞く。
「元々、ディルクロッド様は昔からこの国からの独立を目指して色々と動いていたみたいなの」
え、それまじ?
確かに、ディルクロッド様は意見の食い違いでこんな辺境に追いやられた貴族で、しかも今この街を支えている技術のことも向こうはけちょんけちょんに貶すので、ここと王都ーーー正確には王族とそれに近しい貴族の方と仲が悪い。
具体的に言えば、ここの街だけ王都に納める税が桁違いだったり、わざわざ王都からこの技術を貶すためだけにこの街にやって来たりと、暇人かよとでも言いたくなるほどの愚行をする。
うん、そりゃあ独立したくなるよ。
更には、ディルクロッドで抱えている勇者のことまで貶してしまうので、堪忍袋の緒が切れたディルクロッド様はついに独立を人知れずに決定したのだという。
他国からの推薦状や、色々と根回しして、やりまくった結果三週間ほど前についにディルクロッドが国として独立できたのだと言う。
その話を聞いて、俺はよく王族の方大丈夫だったなと思った。
魔法三家のディルクロッドは俺達ディルソフ家の特色である『万能』と違い、ディルクロッド家の特色は『殲滅』。その気になれば王都なんて二時間で潰せるほどの戦力があの家にはあるのだが……。
しかも、ディルクロッド様の恩人の勇者であるマリナ様まで貶したんでしょ?本当によく無事だったな王都。
「そして、見事独立したディルクロッドは、もう『アレシオン』の法律にとらわれないで済むの。協力してもらった国の様々な法律や、住人の意見を色々と参考にして、新たな法律ができたのが三日前」
「三日前……」
さてさて、それが一体どのようにして姉さんと結婚が出来るようになったのか。
「そして、結婚についても実の兄妹だけか結婚するのが禁じられて、腹違いの兄妹は問題なし!ということになったの!だからこの後お父様とお母様に結婚します報告するよ!ティルファ!」
「ちょ!ちょちょちょちょっと待って!」
ガシ!と俺の手を両手で握って鼻息荒くふんすふんすしてる姉さん。そんな顔も可愛い………じゃなくて!
「お、俺!アリスとルーナと結婚するんですけど!?」
「なぁに!ティルファは私と結婚したくないの!」
「めちゃくちゃしたいです!」
あ、つい本音でちゃった。姉さんは綺麗だし、子供の頃から俺のことを愛してくれてたからそりゃ姉さんのことを好きになるのは必然と言ってもいいだろう。
「で、でも、アリスとルーナがOKしてくれるかは分からなーーー」
「あら、別にいいわよ?」
「はい!これからよろしくお願いします!フィアン姉様!」
「キャー!アリスちゃん可愛いー!もっと言ってー!!」
…………………あれぇ?俺が知ってるような展開じゃないなぁ?
大体、ハーレムを築く場合ってさ、多少なりとも少しはこう……妬み独占欲があったりしないの?父さんたち以外のハーレムって絶対どこかは妻同士でいがみ合ってたよ?
それなのに、俺の目の前で起こっている光景は、姉さんがアリスに抱きついていて、頬をすりすりとしているのをルーナがなんか暖かい目で見守っている光景。
…………平和だ。ものすごく平和だ。
「と、言うことでティルファ」
と、姉さんが二人に抱きつくのをやめて、またまた俺の隣に座ってくるが、先程よりもなんか距離が近い。
「指輪、待ってるからね?」
「おっふ!?」
と、耳元で囁くと耳にふ〜っと息をふきかけてきた。
耳を抑えながら慌てて姉さんを見ると、いつもの笑顔ではなく、獲物を決めたかのような妖艶な笑みでペロリとくちびるを舐めた。
正直、その仕草にはグッときました。




