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23話

「ぐへっ!?」


ズザザザー!と背中がそのまま地面をスライドした。身体的には全く痛くないが、なんか心が痛い。


「ティルファ!会いたかったわ!ティルファ!」


頭上で嬉しそうにおれの名前を呼ぶのと、ふよんふよんと顔で何か柔らかいものが触れる感覚。


や、柔らかーーーじゃない!な、なんか心無しか少し息がしにくくなっているような………。


「ちょ!ちょっと!ティルファのお姉さん!このままじゃティルファが窒息死しちゃう!」


「そ、そうですよ!お姉さん!」


「んふふ……あら!」


そして、俺の顔を覆っていた柔らかい威圧がどかれ、ようやく俺の視線がクリアになった。


「久しぶり!ティルファ!」


そして、俺と視線が会うと、笑顔で俺の名前を呼んでくれた。


「あぁうん。久しぶりねぇさん」


とりあえず、どいてくんない?周りの視線ものすごいの。








「アリスちゃんとルーナちゃんも久しぶりね」


「ほんの少ししか顔を合わせていないのの、覚えていたんですか?」


その後、再会を果たした俺たちの元にディルソフ家の紋章が入った馬車が来た。きっと兄さんも俺が帰ってきたのを察してからこちらに馬車を寄越してくれたのだろうと思い、ありがたく乗った。


席順は俺の隣に、姉さんが俺の腕を抱き抱えており、それを見たアリスとルーナが一瞬ムッとしてから目の前に座ったのだが、姉さんが会話を上手く回しているためそこまで険悪な雰囲気ではない。


「えぇ。二人のことはティルファがくれた手紙にもたくさんのことが書かれてたからきちんと覚えていたわ。あの勇者の顔は全くもって覚えてないけど」


「て、手紙ですか!?」


「えぇ、アリスちゃんとルーナちゃんのおかげで俺はまだ頑張れてるんだーとか、今日もアリスちゃんとルーナちゃんが可愛すぎてまじ尊いとか」


「ちょっと?」


それは大分誇張した言い方ですわよお姉様。あと尊いって何その言い方。


「ほ、他には!?」


「ど、どんなことが!?」


そして、二人が少し顔を赤らめさせながら、姉さんに問い詰める。ちょ、姉さん。あの手紙にはストレスで大分俺の心が殺られてる時に衝動のままに書いたいわゆる黒歴史的なあれな訳でして……っ!


「ちょ、ね、姉さん!あの内容は言ったらーーーー!!」


俺が慌てて止めようとしたら、姉さんが光の速さで俺の口を塞ぎ、笑顔で話し始めた。ちょ!?ほ、本当にやめ……やめてー!!


「その前に二人とも、その指輪はティルファから貰ったの?そこからティルファの魔力が感じ取れるけど」


と、姉さんはもう片方の手で二人の指にハマってる指輪を指さした。


「は、はい!そ、その……ティルファがプロポーズの時にくれて」


と、ルーナが右手で左手の薬指に触れ、愛おしそうにその指輪を撫でる。


「二人とも、ティルファのことは好き?」


「はい!大好きです!」


と、アリスが拳を握って立ち上がった。


「ティルファさんは、あのクズ勇者からいつも守ってくれたり、困った時にはさりげなく手助けしてくれたり、あと一緒にいるととても落ち着けますし、わたしの膝で寝てる姿は可愛いです!」


「ふがっ!?」


え!?ちょ!?何!?なんなのこのいきなりな公開処刑は!?


「わ、私も…ティルファには危ないところを何度も助けられてますし、魔法の技術面でも凄い頼りになって ………あと、普通にかっこいいから…」


と、ルーナはモジモジと指同士をつんつんと突き合わせながら言った。


「…やだ、何この2人、超かわいい」


そして、姉さんが隣でボソッと呟いた。


「そっかぁ……うん。ねぇティルファ」


と、姉さんが俺の顔を見る。


「私にはないの?」


「ふぁ?」


「へ?」


「ふえ?」


さっきまで二人の言葉によって赤くなっていた顔が一瞬でどっかに行った。


「だってティルファ。私の事好きなんでしょ?手紙にも書いてあったよ?」


いや、姉さんのことは俺大好きだよ?でも、俺と姉さんは姉弟だ。俺と姉さんは違う腹から生まれてはいるが、この世界はたとえ違う腹から生まれていようと肉親同士の結婚は禁止されている。それは、この国に属しているのなら、たとえディルクロッドでも破れないルール。


そりゃあ、俺もガキの頃はお姉ちゃんと結婚するー!とか言っていたような気はするが、現実知って絶望したし。


そんなこと思っていると、それが伝わったのか姉さんは「あっ」と何か忘れていたものを思い出したかのように声を漏らした。


「そういえば、ティルファに伝えるのをわすれていたわ」


「プハッ……何を?」


そして、そのうちになんとか俺は姉さんの手を口からどかした。


「あのね、ディルクロッド独立したの」


「……………………んんんん??」


なんて?独立?


「…………………はぁ!?」


「えぇ!?」


「嘘!?」


そして、やっとこさ事態を脳が理解した俺たちは、同時に声を出した。






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