風呂上がりの究極品
今日の登場人物
末永椛「パンツ野郎。」
石蕗蜜柑「パンツ野郎。」
????「父親、全ての元凶。」
元木菊花「母親、風呂上がりのビールはすべての欲求よりも優先的。」
7月の8日、それは究極。
風呂から上がってさあ至福の一息と行こうか。
冷蔵庫にはキンキンに冷やした秘密平気であるコーヒー牛乳が待っているぞ。
こんな平和的な兵器は世界のどこを探したって見つかりはしないだろう。
一口飲めば身体に冷たさが染み渡る様は言葉に言い表せないほどの極楽、それはまさにサウナ後の整うにも似ているかもしれない。
血管という血管中に氷水が流れるような感じは点にも登る気持ち。
「うまいうまい。 やっぱこうでなくちゃなぁ。」
「このためだけに生きてるって気がする。 あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
モミジは言葉にならないような雄たけびらしきものをあげ、今の気持ちを素直に表現したがあいにく俺にはできかねない。
やればできるがそこまで大きな喜びを感じているのは確かだが冷静であれ……まぁ、余程のことがなかったり人前じゃなかったらやるけどな。
「まったく、風呂上がりにパンツ一丁で……さっさと服着ちまえよパンツ野郎共。 身体冷やして風弾いても知らんぞ〜。」
お父さんが蚊を追い払うような手振りで冷蔵庫の前を占拠している俺らをシッシッとどかすとビールを片手に飲み始める。
「誰に似たんだかなぁ。 まぁ俺だわな……人のこと言えんわ。 それはなぜか、だって美味しいんだもん。 この世の心理よな。」
男3人で冷蔵庫の前で飲んでいる姿は異様というか圧巻だろう。
そのうち二人はパンイチだが。
「体も冷えたし服着るかぁ、なぁパンツ野郎。」
「お前もパンツ野郎だろうがよぅ。」
お互いに茶化し合う。
しかしだ……。
ぺったんぺったんとかわいい足跡が聞こえてきたと思ったら廊下から顔を出してきたのは……。
「き? 冷蔵庫さんの前に群がらないでね!! ビールさん取れないよ〜っ!!」
そう言えば母さんと風呂入ってたんだが、先に上がってたことを忘れてた。
「とうとう真打ちの登場だ。 もうこれはパンツ野郎ですらなくなったが。」
「仮にパンツだったとしても母さんは女性だから野郎ではないな。」
いつものことといえばそこまでだが母さんは全裸で冷蔵庫からビールを取り出すと飲み始める。
それも美味しそうに、可愛らしく缶を両手で持って。
「ごーくごーく!! ぷは〜っ!! 美味しくてぇ、美味しい!!」
今日はびしょ濡れではなくちゃんと拭いて乾いてきてからリビングに来ている。
そこは偉い。
いつもなら体を拭いてあげてる最中に器用にタオルから抜け出してはペタペタと濡れた足の跡を付けながらみんなを困らせるものだからな。
やはり体を拭いてあげるという甘やかし行為はあまりおすすめはできないが頼まれるとつい……。
一人ですべてやらせてあげると中途半端にならず拭ききってはパンイチ、もしくは全裸でビールを飲みに来る。
ビールというのはそこまで風呂上がりの人を魅了するのかと思えば恐ろしい飲み物だ。
さて、夏といえども冷やしすぎてもいけない……そろそろ服を着るか。
気持ちはわかるが自己責任で。




