頭体一体
こんな物欲しかった。
7月の4日、これ1つでオールインワン。
風呂桶にタオルとシャンプーにボディーソープ、コンディショナーなどをガチャガチャと詰め込んではごきげんな雰囲気でいつもとは違う温泉へと急ぐ。
「なんだぁミカン、なんか手持ち少なくね? 寝ぼけてシャンプーだけしか持ってきてないのか?」
モミジは風呂桶にタオルとボトル一本しか持ってきていない彼に疑問を抱く。
まぁ、そうだとしたら貸してあげればいいだけだ。
「いや、ネットで調べてきたらな……全身シャンプーって良いものがあってな、これ一本で全身洗えるんだ。 髪も身体も顔までもな。 わざわざガチャガチャと重装備で行く必要もないだろうし。」
そんな便利なものあるのかと、ならば俺も一本そういうのあれば便利だし、コンパクトに持ち運べるという利点ならばこれほどにまで大きなものはない。
「俺は俺で毎年母さんの誕生日にはスイーツを作るが、今年はそれに加えてこの全身シャンプーもプレゼントしたら喜ぶかもしれないな、ミカン……それってどこに売ってるんだ? ネット通販か? ならちょっと期限はキツイかもだが。」
「安心しろ、普通にどこの薬局でも売ってる。 それに色んなメーカーが出してるから好きなものを買えばいいと思うぞ。」
「んじゃあ風呂上がったら薬局の買い物に付き合ってくれ。」
「もちろん、俺もお菓子とかカップ麺の補充とか近いうちにしたかったから助かる。」
今は夜も少し遅い時間だが風呂から上がってもドラッグストア系なんかは日付が変わる時間帯くらいまでやってるところも多い、これで安心だ。
風呂も上がって薬局にやってきた。
迷わず向かうはシャンプーのコーナーだ。
「これはいつも俺が使ってるやつだな。 筋トレの汗臭さを一発で吹き飛ばしてくれるほど強力なやつ。 薬用だから一本で数千円とお値段は張るが。」
「ほんと、いろんなのがあるよな……試してみたくなる。 あっ、これとこれのテスターは買っておこう。」
「おっとミカン、これじゃないか?」
全身シャンプーと書かれたボトルを見つけた。
たくさん種類はあるとは聞いていたがここの薬局にはミカンが使ってたやつしか置いてない。
「うーむ、これしか置いてないか。」
「俺もここで買ったしな。 けどこれもなかなかいい商品だ、母さんも喜ぶだろ。 俺が保証する。」
「そう言ってくれると助かるぜ。 んじゃぁ、教えてくれたお礼にミカンの母さんの誕生日にもスイーツを届けてやるよ。 7日近いからな。」
無事に素敵なものを買えてゴキゲンだ。
早く当日が来ないかと今からもう待ちきれない。
これで場所も取らずに済みます。




