第三話(2)
塾から帰った俺は照屋にLINEした。
「これからやること、決めた。」
すると、即座に既読がつき返信が返ってきた。
『なんと!透が決めれるなんてね。お母さん感激‼』
「いや、俺の母さんじゃねぇだろ。」
『透の同世代の母―みたいな?』
「ややこしいわ。」
『で、何にするの?』
「動画を撮ろうと思う。知名度から上げていきたい。」
『ほほぅ。でも、お金めっちゃかかるじゃん?どうすんの?』
「ほぼ編集・MIXをしないで投稿する。」
『MIXがよくわかんないけど、それでお金が減るよね。』
「そう。お金かけるならマイクだね。それだけでライブ感って誤魔化せそうだし。」
『いつになく強気じゃん。』
「なんか…ね?」
『じゃあ、詳しい話は学校でしようか。もう眠いし。』
照屋が猫があくびしているイラストのスタンプが送られてくる。
「了解、おやすみ。」
俺はそういれて、スマホを閉じ、寝る準備をするとすぐにベッドに横たわる。
―久々に面白いかも。
俺は世界が嫌い、なんて中二病みたいなことを思っている。
漫画の主人公のように「ヒーローに憧れて目指す!」なんてキラキラした目で追いかけることはできるタイプではない。照屋はできるだろうが…。
俺には羨望、嫉妬が必ずついてくる。それは同世代の「Hoshi」にだけではなく、大好きな「SS」にもだ。そんな自分がますます嫌いになる。
「結局、運と才能。俺には才能がないんだ。」
そう、母親に言ったことがある。すると、お叱りを受けた。
「アンタ、そう言って、何もしないじゃない。」
正論だった。
それでも俺はそれで改心しただろうか?いや、していない。ただ確信した。
―努力する才能がないんだ。
有名人のエピソードを聞くとよく思う。
容姿、歌、スポーツ、演技、勉強、ユーモアetc...。
すべてが才能に思えて仕方ない。
「…フゥ。こんなこと考えたところで時間の無駄だ。」
天井を見上げ、やがて眠りについた。
翌日、俺は、学校に行くと、珍しく棒付きの飴を咥えた照屋がいた。
「おはよー。」




