第六十七話「幕開け」
⚠️第七十六話から第六十七話に話数が飛んでいますが、特に影響はございません。そのまま読み進めて頂いて大丈夫です⚠️
すみません。お恥ずかしながらこのミス、最近気づきました。第七十六話と第六十七話、なぜ数字が反転してしまったのか……仮にそれを修正する際、全ての話を改稿する必要がある為、「この伏線とか後付けだろ!」みたいなことあまり言われたくないので、そのままにさせて頂けたら幸いです。ご容赦ください。
追記:2025/07/21
「ふい〜、涼しぃ〜」
男は、ビルの屋上で大きく深呼吸をした。
空は、雲ひとつなく、青く澄み渡っていて、太陽が眩しい。だが、自然に吹く風が、日の暑さを洗い流してくれる。
男は、携帯のバイブレーションで着信に気づき、携帯を開いた。
「……もしもし。エディです」
『ジョニーだ。今、どこに?』
「どこって、グランヨークの旧オフィス街ですよ。屋上で涼んでます」
ジョニーは、その言葉に疑問を浮かべた。
『作戦の開始は日暮れ時の筈だ。待機には早すぎだぞ』
「でも、俺みたいな奴、結構いるみたいですよ? 俺たち銃撃部隊を出し抜こうとしてる、こそ泥たちが」
『……そうか。ガキの口に挟んでおいた紙には、明確な時間が記載されてない。早めに着いたクザキを、先に横取りしようと企んでいるのか』
「……実は、俺もその内の一人です。母さん治す為に、今すぐ莫大な金が必要で」
ジョニーは、フッと笑った。
『他の奴らに聞かれたら、タダでは済まされないだろうな』
「ジョニーさんだから言えるんですよ。……しっかし、ここ。良い感じに遮蔽物があって、絶好の射撃スポットですよね〜 こんな良い施設手放すなんて、勿体ね」
『戦争を機に、グランヨークの都市化を中止、建設したばかりのビル達はそのまま放置。そんな可哀想なビル達を、俺らが活かしてやんなきゃな?』
「っすね〜」
エディは、一呼吸おいた。
「……クザキの野郎、ちゃんと来ますかね」
『仲間を殺され、殺した相手が何処に居るのか分かってて、来ない筈がないだろう。俺だったら、例えそれが罠であっても必ず行く』
「……ですね」
…
───一方、車内。
結輝の運転で現地へと向かう一行は、安堵していた。
「よし、敵は着いてきてねぇみたいだな」
トパーズが敵の有無を確認して結輝に伝えた。
「エメルたち、無事にたどり着けるか心配だ……」
「着いたらメールするよう言ってあるし、大丈夫だろうよ」
それから、暫く無言の状態が続いていると、トパーズの携帯に一件の着信があった。それに気づいたトパーズは、すぐに電話に出た。
『……クザキともう1人が着いたみたいだ。作戦開始って事でいいか?』
「あぁ。オレたちも今そっちに向かってる」
『OK。クザキ達は北の方角に向かって行った。俺は追えないから、後は任せた』
そう言うと、男は通話を切った。
その数分後、また男からの着信があった。
「何だ?」
『気をつけろ。奴らは、銃……俺の武器と同じものを所持している。一斉射撃でクザキを蜂の巣にしようとしている』
「そうか。今、何人殺った?」
『まだ10人も殺ってない。くれぐれも死ぬ事の無いように』
「了解」
今度は、トパーズが通話を切った。
…
「ここら辺に車を停めようか」
結輝は、目的地周辺で車を停めた。
「ユウキ……ありがとな。今すぐ元来た道に引き返せ。オレはここで降りる」
「は……何言ってんだよ……」
「考えてたんだ。ずっと。今、ようやく結論が出た。お前には無理だ」
「馬鹿言ってんじゃ───」
「今のオレには、能力すら持ってないお前を、守りながら戦える自信は無い」
結輝は、惨たらしい現実を突き付けられ、自分の弱さを憎んだ。
「……安心しろ。ちゃんとカイトは連れ戻すし、仇も打ってやる」
そう言うと、トパーズは結輝を置いて1人で行ってしまった。
…
トパーズは、地面に転がっている死体を尻目に、電話を掛けた。
「リアム。着いたぞ」
「OK。見てわかる通り、入口周辺の敵は粗方蹴散らした。が、引き続き慎重に。まだ銃持った奴らがうじゃうじゃ居る。それに……」
「何やら、他の部隊の奴らも居るみたいだ」
「……また後でかけ直す」
そう言い捨て、通話を切ると、トパーズは、背後からの奇襲に対応した。
「お前……"トパーズ"だろ?」
「だったら何だ」
「死ね」
男は、そう叫ぶとハンドガンをトパーズに向け発射した。
トパーズは、至近距離での発砲であったが、首を逸らして脳天への命中を回避した。
「そんな大層なもん持ってても……当たらなきゃ意味ねぇよ」
「黙れ。そのクセェ口に鉛玉ぶち込んでやる」
【上位四讃會 銃撃部隊 『エディ・フォールド』】
上位四讃會は、それぞれ武術、剣術、銃術、脳術の部隊からなり、上位10名にはNo.が付きます。No.10以下はNo.が付かないので、必然的にエディはNo.10以下ということになります。
ちなみに、無所属も存在しますが、無所属には序列がありません。上下が無いので、無所属は上位四讃會の中では比較的縛りが少ないと言えます。




