ep.62 BENのオーディション、もう始まってる
告知を出してから、数日。
事務所に来る連絡の内容が、少しだけ変わった。
午後のキャラランド。
会議室のドアを開けると、岡さんと猫沢さん、猫太さんが揃っていた。
「……増えてきたな」
岡さんが、手元のタブレットを見ながら言う。
「何がですか?」
俺が聞くと、猫沢さんが視線を上げた。
「ギルドメンバーからの問い合わせです」
「問い合わせ……?」
「BENのオーディションについて詳しく知りたい、っていうものが増えてます」
「どこまで準備すればいいのか、とか」
猫太さんが肩をすくめる。
「“今からでも間に合うか”ってやつも多いニャ」
なるほど、と頷きかけて。
でも、少しだけ引っかかる。
「……それ、普通じゃないですか?」
岡さんが、小さく息を吐いた。
「普通、か」
そのまま、少しだけ言葉を選ぶように続ける。
「……内容が違う」
「内容……?」
猫沢さんが、タブレットを軽くなぞる。
「“JPと並ぶ前提で考えてます”って相談が来てます」
「……え」
思わず、声が漏れた。
猫太さんが、くすっと笑う。
「“センター喰う気で行きます”ってやつもいたニャ」
「……相談の段階で、それ言うんですか」
「言うね」
岡さんが、即答した。
「もう決めてるやつは、そこを隠さない」
少し、部屋が静かになる。
猫沢さんが、やわらかく続けた。
「ギルドのほうも、少し変わってきています」
「変わってる……?」
「普段あまり発言しない方が、ログを読み込んでいたり」
「資料を、何度も見返していたり」
猫太さんが頷く。
「静かに、動きだしてるニャ」
岡さんが、椅子にもたれながら言う。
「“覚悟を決めて来てるやつ”がいる」
“覚悟”
その言葉が、妙に残る。
「……応募するかどうか、じゃなくて?」
猫太さんが、軽く笑う。
「BENは“究極の偶像”って、定義してるけど」
「だからこそ、そこに立とうとしてるやつがいるニャ」
その言葉に、さっきの違和感の正体が分かった気がした。
岡さんが、静かに言う。
「“受かるかどうか”で動いてるんじゃない」
「“取りに来てる”」
「最初から、その状態で来てるってことだ」
猫沢さんも、小さく頷く。
「準備してきた人が、そのまま立つ場所ですから」
もう、動き出している。覚悟が。
猫太さんが続ける。
「“誰でも立てる場所”じゃないニャ」
俺は、資料をもう一度見た。
JPの名前。
その隣の、空白。
(……もう、始まってる)
まだ見ぬ誰かが。
そこに立つつもりで、動いてる。
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――キャラランド/ギルド567運営
*キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




