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ep.57 燃え尽きた鬼と、ダズ

三月の頭。


二月の熱が、ようやく抜けた頃。


事務所は、静かだった。


ソファに赤い塊。


ぽこぺん。


鬼ヶ島出身、キャラランドの稼ぎ頭。


二月を走り切った鬼は、三月に入ると、急に動かなくなる。


「……二月燃えすぎたな。今、灰だ」


天井を見たまま呟く。


角も、どこか元気がない。


そこに、長い影。


「ぽこぺん先輩、静か」


ダズだ。


ゆったりした歩き方。


静かな声。


「休んでねぇ。充電中だ」


ダズはソファの背にもたれて、少しだけ笑う。


「バッテリー、残り何%?」


「……12%」


「Low battery」


ダズはベースケースを開ける。


弦を、ぽん、と軽く鳴らす。


低い音が、空気を揺らす。


ぽこぺんがちらっと見る。


「慰めか?」


「ううん。なんとなく」


一定のテンポ。でも、静かな事務所にちょうどいい。


ぽこぺんが、少しだけ座り直す。


「三月って、急に暇だな。もちろん忙しいやつもいるけど」


「ぽこぺん先輩年末から二月、すごく忙しかったね」


ダズは笑う。


「写真いっぱい撮られてたね」


「当たり前だろ。何末のなまはげまの手伝いから節分は俺の季節だ」


胸を張るが、声に力はない。


ダズは少し首をかしげる。


「疲れてる?」


「疲れてねぇ」


「ふーん」


それ以上、追わない。


でも、隣に座る。


距離が近いわけでも、遠いわけでもない。


ちょうどいい。


「妹たち、元気なくなるとね」


ダズがぽつりと言う。


「放っとくと余計拗ねる」


「だから、隣にいるだけ」


ぽこぺんが横目で見る。


「それで機嫌直るのか?」


「うん。だいたい」


マイペース。


でも、やさしい。


ぽこぺんは小さく息を吐く。


「俺が崩れたら、現場困るだろ」


ダズは弦を軽く鳴らす。


「崩れてない」


「ちょっと止まってるだけ」


笑う。


深刻にしない。


ぽこぺんも、つられて笑う。


「お前、なんでそんな落ち着いてんだよ」


「わかんない。たぶん、のんびりだから」


即答。


この二人。


タイプは全然違う。


ぽこぺんは前に出る。


ダズは前に出ない。


でも、どっちも、人を気にしている。


ぽこぺんは後輩の立ち位置を見る。


ダズは相手の呼吸を見る。


やり方は違う。


でも、向いてる方向は同じ。


ぽこぺんが立ち上がる。


「よし。そろそろ鬼、復活すっか」


ダズはにこっと笑う。


「Good」


短い。


それで十分。


俺は少し離れた場所で見ていた。


前に立つ者と、隣にいる者。


タイプは違う。


でも、並ぶと安定する。


俺はスマホを開いた。

________________________________________

【颯太メモ】

■ぽこぺん

・繁忙期型エース

・前に立つタイプ(リーダー気質)

・責任を背負いがち

・後輩思い


■ダズ

・マイペース

・人の呼吸を見る

・深刻にしない優しさ

・前に出ないけど、隣にいる


■相性

・強さが二方向(視覚×聴覚)

・派手(ビジュ強め)

・子ども向けイベント、音演出合いそう

(※鬼ショー+生ベース…アリ)

________________________________________


三月の事務所に、低音が残る。


鬼はまだ完全復活じゃない。


でも、隣にダズがいる。


それだけで、十分だった。


*La♪Ra・RISE!キャラクター原案者*

英賀田 雪雄(あがた ゆきお)  :日花子

根古島 カノン(ねこじま かのん) :日花子

京極 真秀(きょうごく まほろ)   :茶ばんだライス

折原 千鶴(おりはら ちづる)   :夏也 すみ

狭山 那音(さやま なおと)   :ギフカデ

Daz・Garcia(ダズ・ガルシア)  :HUNGRY

赤河 辰煌(あかがわ たつき)   :ウニヲ

佐藤 翔太(さとう しょうた)   :niko

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