ep.24 LoHi参入バトルの便り
朝のキャラランド。
俺が出社すると、エントランスの空気が少し張りつめていた。
ガラス張りの応接室に目をやると、
そこには――あの女がいた。
「また、来てるんですか……」
受付の桜子さんに小声でつぶやく。
BEN代表、八手美和。
LoHiオリジナル5のひとりであり、いまや業界の「大物」の一人。
その彼女が、またキャラランドに来ていた。
応接室の中では、椿社長と雨野チーフが対応している。
遠目にも、緊張感のある打ち合わせが続いていた。
――一時間ほどだろうか。
八手社長は立ち上がり、穏やかな笑みを浮かべて一礼し、去っていった。
残された椿社長は、しばらく考え込むように腕を組み、
やがてスタッフルームの方を振り返った。
「全員、集まってもらえる?」
ちょうど、オフィスには9人全員がそろっていた。
椿社長、雨野さん、猿田さん、岡さん、猫沢さん、猫太さん、大宮さん、桜子さん、そして俺。
社長は一息ついて、みんなを見渡した。
「今、美和さん――いえ、BENの八手社長が来社されました」
会議室に集まったスタッフが少しざわついた。
「LoHiの事務所を代表して、
“LoHi参入バトル”の概要を各社へ伝えに来られたそうです」
「いよいよだニャ!」
猫太さんが嬉しそうに声を上げる。
「開催は来年。形式は“各ユニット1回限りのライブバトル”だそうです」
雨野さんが淡々と続ける。
「時期と場所はまだ調整中ですが、
来年の五月頃、東京都内での開催を予定しているとのことです」
「……もう半年しかないんですね」
岡マネージャーがため息をついた。
椿社長は静かに頷く。
「参入バトルでは、新曲を一曲用意し、
当日のパフォーマンスで勝敗を決めるそうです」
「つまり、“La♪Ra・RISE!”の参入バトル向けの新曲が、実質デビュー曲になるんですね」
猫沢さんが確認する。
「そのとおり。審査は審査員とオーディエンス投票の両方で行われ、
LoHiに参入できるのは3事務所・ユニットのみ」
一瞬、空気が引き締まった。
「参入バトルまでは自由だそうです」
雨野さんが補足する。
「ファンを増やしてもいいし、ベールに包んでおくのもいい」
「ただ――」
椿社長が言葉を区切った。
「年内に“参入バトル参加社長”を集めた記者会見を開くとのこと。
代表者は必ず出席してください。
さらに、ユニットのリーダーも参加可能だそうです」
「つまり、年内までにユニットのコンセプトを固めなきゃいけないわけだニャ」
猫太さんが腕を組む。
「そういうことになります」
雨野さんが静かに答えた。
「……半年。」
俺は小さくつぶやいた。
頭の中に、これまでの練習風景が浮かぶ。
汗だくで踊る翔太、声を磨くカノンくん、真剣な真秀、そして仲間たちの笑顔。
「今、La♪Ra・RISE!のメンバーは本当に頑張ってます」
猫沢さんの言葉に、社内の視線が集まる。
椿社長は、ゆっくりと頷いた。
「そうね。彼らがLoHiに参入できるように――
私たちも、全力で支えていきましょう」
その言葉に、誰もが真剣にうなずいた。
外のガラス越しに見える空は、少しずつ冬の色に変わり始めていた。
――いよいよだ。
俺たちキャラランドの、本当の勝負が始まる。
*キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




