052. 俺らと、見慣れぬ魔物らと
お待たせしました、更新で〜す。
(今回難産でした m(_ _)m)
◇
「……『レッサーバンブー』らしいです」
「へぇ……けったいな言い方しはるんやな、地上の人ら」
「やんなー、こっちやと『小人笹』でええのに」
ど~も、ジンジュです。友達らと、地下の国? に来ました。
現地の人らしい、ゴブリンとレッサートロールのお2人の案内で、街に向かってます。
来て早々、猪1匹倒して。
ちょっと進んだ所で、道端の草を【鑑定】してました。
―――――
レッサーバンブー Lv.―
(分類)植物
小ぶりな笹。根の国周辺に分布する。
森林で地下茎を広げて増殖し、広い範囲に藪を形作る。
HP:― MP:―
―――――
醤油の匂いに笹。なんか急に身近な感じになってったな〜?
同し笹かは知らんけど、毎日見る。近所の空き家にも生えとるからな。
あぁでも、東京とか大阪の人らは知らんか。
アホみたいに高い柵ん中に、超高層集合住宅生やしすぎやし。笹とか居場所なさそうやもんな〜。
……んで? 何年かしたら、俺もあの辺住まなアカンねやろか……。
「ありがとうねー、ほな行こか」
「「「はい」」」
ま〜た要らんこと考えとった。良ぉない傾向や。
そろそろ森抜けるぞ。今はそっちに集中せな。
◇
森抜けたら、だいぶ開けた所に出た。
「綺麗で高うて。ガラアキ。眺めの素敵によい……」
「「どこの広告や」」
「どっかの私鉄やったな〜。乗ったことないけど」
ツッコミありがとう、友よ。
高級感に反して運賃安いねん、あそこ。最近調べてビックリした。
……今それどうでもええよな!
とにかく、森抜けたら坂の上でした。んで眼下には平野が広がっとる。
小っちゃい川越えて、正面ちょい左寄りに街がある。歩いたら30分ぐらいかかるかな。
あと右見たら、山の向こうに海と、もう1つ街がある。
「どっちの街行くんすか?」
「あっちねー」
友達:ボーゼの質問に、ゴブリンさんが応えた。正面の街を指しながら。
そっちか〜。
東洋風? の街の一番左に山があって、その辺一帯はお城になっとる。そのお城の建物とか石垣の感じに、めっちゃ見覚えある。
特に、一番高い建物。白い壁で5階建て……と見せかけて、よぉ〜窓見たら6階建てや。
いやまあ、細か〜い違いはあるで? でもほぼ某世界遺産。
マジか〜……
……てのを踏まえて、もう1回平野を見渡してみる。
山並み、川筋、街道筋……アカン、心当たりありすぎや。
街の向こうの大きい川、あれが◯川で。川の向こうのあの辺が……
「ほな俺ん家あの辺かー」
「せやな。再現度やば」
「何これ? 誰の趣味〜……?」
あと川の向こう、右手の山が〜……
ドーモ、◯寿=山。ジンジュです。お名前借りてます〜。
「何してんのー? 置いてくでー」
「サーセン、今行きます!」
坂の真ん中らへんで、ゴブリンさんらが待っとってや。
ダラダラしすぎたな。ほな行こ。
◇
坂の上から歩くこと、約40分。やっと街の門に着いた。
は〜、思とったより時間要ったな……
え? 理由?
地 味 〜 に 魔 物 多 い か ら 。
途中、野犬の群れとか野良猫とか飛びかかってきて。もろちん殺ってやりましたよ、ええ。
《「バザー・ミッジ(♂)」13匹、および「ヘアーラビット(♂)」3羽と交戦中です》
「【鑑定】、【火の魔球】〜!」
「【光の魔球】……くっそ、蚊柱うっざー !! 」
「ここまで再現するアホおるコ……?」
あ゛〜゛クソッ、また魔物や。
しかも今度は、バカでかい揺蚊十数匹。注射器の針の代わりに、翅と脚生やして飛んどるみたいな、な。
あ゛〜゛、気色悪いきしょい……咬まへんからって、わざわざこっち集ってくんな! 帰れッ !!
―――――
バザー・ミッジ(♂) Lv.15 [交戦中]
(分類)魔物/蟲型
根の国周辺で見られる、巨大な羽虫。水辺に多い。
繁殖に特化しており、雄は群れて蚊柱を作る。羽音を増幅し、雌を呼び寄せるためと考えられている。
HP:50% MP:39%
―――――
【鑑定】結果はあとで見る、として〜。問題は虫だけやないんよな。
「ぴすぴす!」
「ピャウ !? 」
足元で、兎らが揉めとる。
ペット寄りのウチの子らと比べて、相手の兎らは線が細い。彩り豊かやけど、マジで『鳥獣戯画』に出てきそうな体つきしとる。
野兎かな?
「ふんす!」
「ケフゥ……」
1番大柄なとがのと、1匹だけ鼠のダイス。それにリーダー格のレティシアが連携して、バラバラな相手3羽を圧倒しとった。
一方、ウチのスライムらは……
「きゅきゅ、きゅ!」
「「きゅえ〜い !! 」」
「【光の魔球】~」
「【火の魔球】ー」
街を囲うお堀? に、石とか魔法とか放り込みよる。
お堀の魚? にちょっかい掛けられたみたいで、容赦なくやり返しだした。
「きゅわ、きゅわわきゅきゅわー!」
……ん !? お堀からスライムの声と、茶色い煙……?
何か急に心当たりが。
《「バザー・ミッジ(♂)」4匹、および「レッサー・チャームスライム(♂)」1匹と交戦中です》
うわァ。あの濃ゆ〜い桃色のスライム……の、進化前か?
面倒くさ……
「おー? なんや誘惑饅頭か。殺てまえそんなモン」
「ええのん? 地上の国は保護しとって違うかった?」
「アレ僕ら関係ないからなー。『蔓延る外来種は皆殺せ、たとえ野良猫でも』が、この国の掟なんやし」
ゴブリンさんとレッサートロールさんが、物騒な話しとってや。まるで俺らに聞かせるかのように。
それはそれとして、先に蚊柱の残りやな。
「「「【着火】」」」
蚊柱を魔法で焼く。悲鳴は上がらん、羽音が止むだけや。
なむなむ……
ほな、「レッサー・チャームスライム」とやらの面拝んだろか〜 !!
イース川ん時のマスク出して。どれどれ……
「きゅ、きゅわー!」
街の城壁に沿うお堀の、水面すれすれの石垣にへばりつく桃色。この前のやつより一回り小っちゃいし、色もちょっと薄い。
それが茶色い粉撒き散らして、お堀の魚とか虫とかけしかけよるらしい。
……ふ~ん? ほな、お堀から集ってったあの蚊柱も、コイツのせいか〜。
潰したるわァ〜!
《「レッサー・チャームスライム(♂)」1匹、および「スカーレットカープ」3匹、「ブルフロッグ」2匹と交戦中です》
水面から緋鯉と蛙が顔出して、【水の魔球】を放りよる。
でもウチのスライムらには効かんよな〜、それ。むしろ触手伸ばして、当たりに行くレベル。
“水分で超回復”の好機やし!
「きゅい、きゅいきゅい〜」
ところではっさく=サン? 左手の親指下に向けるんやめよか〜 ??
「「きゅえ〜い !! 」」
「【火の魔球】〜」
「【闇の魔球】ー」
で、スライムらが反撃しよる。
俺も混ざっとこ。石出して……
「【鑑定】、【土の魔球】……フンッ!」
狙うは「ブルフロッグ」とかいう蛙2匹。名前的に外来種とみた。
食えるらしいけど、嫌やし潰したんねん。
―――――
レッサー・チャームスライム(♂) Lv.19 [交戦中]
(分類)魔物/??型
自然界の掃除屋。雑食。
空腹・恐怖などのストレスが溜まると胞子を出す。吸い込んだ者を魅了し惑わせて、捕食や逃走を図る。
HP:22% MP:8%
―――――
スカーレットカープ(♂) Lv.16 [交戦中]
(分類)魔物/魚型
人類の手でペット化された鯉。雑食。
意外にも水質の悪い水辺を好み、底生生物や水草などを食べ尽くす。
HP:85% MP:62%
―――――
ブルフロッグ(♂) Lv.18 [交戦中]
(分類)魔物/蟲型
南の大陸で見られる、大型の蛙。肉食。
暗所を好み、水草の多い水辺に潜む。口に入る動物全てを食べ、共食いすることもある。
HP:91% MP:74%
―――――
蛙2匹いっぺんに狙たけど、当たったんは土魔法だけ。石のほうは避けられた。
んで、魔法食ろたほうが
「ニ゛ャ゛ー゛ッ゛ !? 」
て声上げながら消えた。「CRITICAL!」、いただきまs……
……は? 猫かワレェ !?
ほなあの、牛っぽい鳴き声は何やったん ?? 昔奈良のT大寺で聞いた、低〜い声は…… ???
《「バザー・ミッジ(♂)」4匹、「ブルフロッグ(♀)」1匹など、計6体の魔物を討伐しました》
《Lv.12になりました》
《〈火魔法〉〈生活魔法〉〈従魔法〉以上3スキルのレベルが上がりました。〈火魔法〉の技【火の癒し】を取得》
《従者「とがの」の〈噛みつき〉〈器用強化〉両スキルのレベルが上がりました》
《従者「はっさく」がLv.13になりました》
《「はっさく」の〈火魔法〉〈生活魔法〉〈精神強化〉以上3スキルのレベルが上がりました》
あ。要らんこと考えとったら終わったわ。なむなむ……
ほんで、それぞれ解体なり回収なりしとる。
たとえば兎らが、倒した野兎らを引きずって来よったり。スライムらがお堀ん中入って、鯉や蛙を回収しよったり……おい待て、誰や共食いしとるヤツ !?
「「「きゅえぇ……」」」
「きゅお〜?」
青紫色のスライム、レッサー・チャームスライム丸呑みして、また周りドン引きさせとる……
いや、それより野兎を解体……あれ? 短刀どこや ??
《以下のアイテムを入手しました。
◯ブルフロッグの肉(小)×2
◯ブルフロッグの魔石(極小)》
……あ! はっさくか !!
ほな仕方ないな、先に蚊柱の魔石拾とこか……。
◇
蚊柱の魔石4つ拾とるうちに、短刀戻ってきた。 ……ほな早速、野兎解体したろ。
《以下のアイテムを入手しました。
◯ヘアーラビットの肉(小)×2
◯ヘアーラビットの毛皮(小)
◯ヘアーラビットの頭部(小)
◯ヘアーラビットの魔石(極小)》
ま〜た生首や〜 ??
「要ら〜んッ!」
「やろな」
やからって、このドブ臭〜いお堀に放り込むんも気が引ける。あ〜ぁ……
ま〜た お゛持゛ち゛帰゛り゛か゛い゛〜゛!
まぁええか。これでやっと検問待てる……
「お? 武器しまうのん?」
「はい……マズかったですか?」
「いやー? 偉いなー、思て」
なんかゴブリンさんに褒められました。ありがとうございます……?
んで? ここどんな街なんやろな〜。
お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m
次回更新は4/20(月)頃の予定です。何だ? この城下町は……
【追記】一部加筆/修正しました
(2026/04/22)
――【おまけ】ジンジュくんの現状――
ジンジュ Lv.12
種族:ゴブリン(小鬼/下位鬼族) 男
属性:土
職業:【正業】冒険者(闘士) 【副業】―
所持金:228マニ
SP:7
HP:72%
MP:56%
状態:正常
スキル:8
〈鈍器 Lv.7〉〈防御 Lv.5〉〈受け流し Lv.4〉〈火魔法 Lv.5〉
〈生活魔法 Lv.7〉〈従魔法 Lv.7〉〈解体 Lv.4〉〈鑑定 Lv.1〉
(控え:6)
〈危機察知 Lv.3〉〈下剋上 Lv.5〉〈体力強化 Lv.5〉〈筋力強化 Lv.4〉
〈敏捷強化 Lv.3〉〈人類共通語 Lv.2〉
(種族:4)
〈投石 Lv.4〉〈土魔法 Lv.2〉〈採取 Lv.1〉〈小鬼〉
称号:5
〈駆けだしの冒険者〉
住民からの信頼度が微増する。
〈副神シトリーの祝福〉
幸運のステータス値が微増する。
また、知力と精神の取得経験値が微増する。
〈大物どもを喰らいし者〉
人類NPC、および同族NPCからの信頼度が少し上がる。
〈生還者〉
HPが0になる攻撃を受けた際、HP残り1%で耐える確率を微増させる。
〈毛玉の主〉
物理攻撃の被ダメージが微減する。
(控え:4)
〈邪道〉
現在は無効。相手への急所・弱点攻撃の与ダメージが微増する。
〈処刑人〉
現在は無効。急所攻撃の命中率が微増する。
〈水玉の主〉
現在は無効。物理攻撃、および水属性の被ダメージが微減する。
〈地下墓地の踏破者〉
記念称号。異人で初めてアインツ北郊・“忘れられし地下墓地”を踏破した。
従者:2名(定数2/〈従魔法〉)
とがの Lv.12
ラビット(兎/下位兎族) ♀
HP:84% MP:―
はっさく Lv.13
スライム(下位粘体族) ♂
HP:88% MP:65%




