78/84
七十八人目
深夜2時。便器に胃の中のものを全部吐き出す。あの男に食べさせてもらったものなんて、体に取り入れたくないからだ。
「クソが……今日も食わせやがって……私の職業しらねぇのか」
モデル。それはお腹が1センチ変われば職を失う。そんな世界。
「食べなくていいの?食べたいよ!」
食べたいに決まっている。お腹いっぱい。モデルになって早3年。一度もお腹を満たしていない。
「お腹減った」
憧れた世界は、厳しかった。弱音を吐けばすぐに、夢を叶えたんだから頑張れ。と責任が伴わない言葉を投げかけられる。
「辞めたいな。この仕事」




