43/84
四十三人目
祈りは届かない。
普段から信仰しているならともかく、都合のいい時だけ祈っても届かないのは自明の理だろう。
だけども、それでも祈ってしまうのはなぜだろう。
私はあの日に神などいないと悟ったはずなのに。
神は私を救ってはくれなかった。
飛行機をジャックして墜落させた私は生きて、乗客やパイロットは死んだ。
なぜなんだ。なぜ私のような大罪人が生きて彼らのような綺麗な魂が死ぬのだ。
私は運命に好かれているのだろうか?
それとも神に好かれているのか?
違うな。
ただの結果がそこにあるだけだ。




