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三十一人目
恐らく私は今日、彼からプロポーズされる。
5回目のデートで私は彼とフレンチを食べていた。
初デートと同じお店だ。
「やっぱり美味しいね」
「そうね」
「ちょっと、手を洗ってくるね。まってて」
バレてないよね?私は熱くてしょうがない顔を手で扇いだ。
彼からのプロポーズだ。緊張して仕方がない。
「初デートと同じお店で高級フレンチ、そして何かソワソワしてる彼。これってプロポーズよね!?」
「失礼」
「何かしら!?」
ウェイターに突然声をかけられたせいで変な声が出てしまった。
「お連れ様が帰られたようですので……お会計の方は大丈夫ですか?」
「え?」
手元のスマホで時間を確認すると、彼は1時間以上手を洗っていた。




