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十五人目
「本当ですか!?ありがとうございます!」
30歳になってようやく小説の賞を受賞できた。もはや新人と言える年齢ではないが、ようやく私も胸を張って作家と名乗れる。
「やったよ!母さん!」
「おめでとうね。頑張ったもんね」
横で泣きそうになっている母さんに喜びを伝える。奥でテレビを読んでいる父はいつもよりも顔が柔らかい気がする。
「今夜はお祝いよ!何が食べたい!?」
「お肉!」
「了解!」
母が行きつけの焼肉屋さんに予約の電話を入れてくれている。その間、私は涙を堪えていた。
その時だった。家の電話が鳴った。
「はい、もしもし?」
「あ、すいません。先ほどの受賞の件なんですけど、やっぱり無しでお願いします」
「え?」
「こちらのミスではあるんですけど、この作品、パクリですよね?」
「いや、ちが「違くないですよね?内容がほとんど同じ作品が2年前に既に発刊されてるんですよねぇ」
「そんな……知らないですよ……」
「知らなくても、パクりはパクりなんで。それじゃ、そういうことで」
玄関から私を待っている母と父からの声が聞こえた。




