転生者よシリーズ 「説子の誕生日」
今日、8月6日は説子の誕生日(という設定をつい最近生やした)
…という訳で、記念SSです。
時系列は、ファーレが居るという都合上、7(執筆中)の後という事になります。
現代日本。
「…そういえば、明日は誕生日か」
ふとカレンダーに目を向け、私は完全に忘れていた…と小さく呟く。
(まあ、別にいいか)
そうして視線を本へ戻し、読書に没頭していって。
本を読み終わる頃には、もう誕生日の事など、すっかり頭から消えていた。
***
翌日。
「セツねーちゃん!」
「わっ、レレ? どうしたんだ?」
がばっ、と飛びついてきたのは、最近「妹」として入ったファーレだ。
「一緒に行くであります!こっちであります!」
「えっ?おわっ、引っ張らなくても逃げないから、ちょっ」
ぐいぐい、と引っ張られ、慌てて引きずられそうな身体を動かす。
そうして到着したのは、皆で集まって何かをする時に使うホールだった。
「セツねーちゃん、誕生日おめでとう!」
満面の笑顔でそう言わってくれるレレに、
「説子、誕生日おめでとう」
楽しそうに微笑むリアねぇ。
「説子、なんで言ってくれなかったの? ともかく、誕生日おめでとう!」
不満げに頬を膨らませて、それでも心から祝ってくれるクーねぇに、
「おめでとうございます、説子様」
相変わらず堅苦しい言葉遣いで、常の無表情をどうにか笑顔に変えて祝ってくれるルナさん。
「家族」が、全員揃って、私の誕生日を祝う言葉をくれた。
「あー…」
本に夢中ですっかり忘れてたけど、そういえば誕生日だったな…と零すと、皆はやっぱりね、と苦笑した。
「さて、誕生日プレゼントを渡しておきましょうか」
リアねぇが切り替えるように言った言葉に、おおー、と私は期待の声を上げる。
「時間が足りなかったし、そんなに良い物ではないのだけど…。私とクーは、説子が好きそうな本とゲームを1つずつね」
リアねぇとクーねぇからは、新しい本とゲーム。ゲームはクーねぇ、本はリアねぇのセレクトで、現物を用意したのはリアねぇだそうだ。
「わたしは本を読みやすくする道具だよ、であります!」
レレからは、片手で紙媒体の本を読めるようにするSFチックな道具や、ネット小説の更新チェックが纏めて出来る不思議なアプリが。
「わ、私は、考えたのですが思いつかず…一日説子様の手足となる券を用意させていただきました」
ルナさんからは、ちょっと理解を拒否したい券。…手足って。
期限は特に無いみたいなので、ありがたくもらって、机の奥にでも仕舞っておく事にして。
「皆、ありがとう」
こんなに素敵なプレゼントを、ありがとう。
おしまい
おまけ 他のメンバーの誕生日
※台本形式です
説子「そういえば、皆の誕生日はいつなんだ?」
リア「地球の日付に換算すると……私は2月ね。2月14日」
リア「ついでに言うと、レレは9月1日、ルナは9月13日に当たるわ」
説子「へえ…! クーねぇは?」
クー「わたしは…ええと、6月の21日だよ」
説子「それ、今世の日付か?」
クー「うん。身体は「クーアティア」なんだし、そっちで祝ってほしいから」
説子「わかった」
クー「ふふ、おいしい料理よろしくね?」
解説コーナー
皆が説子の誕生日を知った理由:「明日は誕生日か」という説子の呟きをクー辺りが聞いていて、慌ててプレゼントなどを用意した、という事が裏で起こり、こうなったという設定です。だからリアが「時間が無かった」と言っているのです。
19/8/7 10:28 時系列の事を前書きに追加しました。