賢者シリーズ エイプリルフール「一番好きな者」
エイプリルフールネタを考えててふっと思いついた話です。あんまエイプリルフール関係ない…。
光と雹がイチャついてるだけ。
「光-」
「ん?雹、どうした…の?」
「…ほいっ、と。見てて」
「???」
雹の掛け声に合わせ、氷の粒がキラキラと2人の周りに舞い散る。
やがて…、
「これ……雹が異能を使ってる姿?」
光の目には、雹が氷を、雪を操る姿が映り始めた。
「ふふふ、光にはそう見えるんだね。嬉しいな」
光の呟きに、にこにこと、言葉通り嬉しそうに微笑む雹。
「どういう事なの?」
「これはね、異能と魔法を掛け合わせて創った魔法で、『対象者の一番好きなものの幻を映す魔法』なんだ」
「ああ、なるほど。納得したよ」
そう呟いた光の顔は、赤くもならず、いつも通りで。
「……照れたりとか、しないんだね」
らしいし、そんな所も好きなんだけど…またヴィーとか風香に説教されるんじゃないかなあ、と、優し気な眼差しで光を見つめる雹の言葉には、光は気付いてないようだった。
解説コーナー
ヴィー:2人の長男、アルヴィレの愛称。女心をよく分かってる気障なイケメン。雹の側近のエルフと結婚する子です。
風香:2人の長女。しっかり者で、風の魔法が得意。ヴィーと揃って光に説教している事が多い。
雹が使った魔法:異能で媒体(雪の粒)を出して、魔法で対象者の指定、異能で「一番好きなもの」を読み取り、読み取ったそれを魔法で幻影に変換し映す。…という感じで原理でやってます。