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第97話 偽造職証。

それから、3日後の夜。

ウンコはまだ、姫猫のそばにいた。


当然、今日も、パン屑を恵んでもらっている。


ウンコは夜空を見上げた。

ああ、今夜も星がキレイだ。


パン屑のおかげでさ。

ウンコの心は、

星の美しさを理解できるほどに癒やされていた。


そばでは、ミーニャがイビキをかいて、寝ている。


正直うるさいが、まあ仕方ないか。


鼻炎になると、口でしか呼吸ができず、

イビキが大きくなるものだからな。


ウンコは愛おしげに姫猫を見つめた。


こいつのそばが、ウンコの安住の地。

ウンコの永い旅路は、ついに終わったのだ。


ウンコは今さ。

ミーニャのボロボロの毛並みを、

手ぐしで整えてやっている。


突然、天から、神の声が聞こえてきた。

「ウン公、何をやっておるのじゃ?」


ウンコは穏やかな声で答えた。

「家来として、ご主人様の毛繕いをしております」


「いいのか? 

 人間なのに、猫のペットになっているのじゃぞ」


「いいえ、私は薄汚い魔物。

 それ故、

 今の境遇に至福の喜びを感じております」


「だが、もうズキンは出発したぞ。

 お前に会いにな」

「マジで!?」


「それに、ズキンはな。

 お前が真面目に働いていることを

 期待しておるぞ」

「そうだった!」


どうしよう?

このままじゃ、ズキンの期待を裏切ってしまう。


現在の職業が、

『汚い金を使って、

 かけがえのないものを失ったウンコ』

であることが、ズキンにバレてしまう。


ズキンに見限られたら、俺は生きていけない。


というかさ。


生存欲求がゼロになって、生ける屍。

『ゾンビ・ウンコ』になってしまう。


神(ウンコにとっては、ワラ以下)

にもすがるような気持ちで、俺は言った。

「神様、俺はどうすれば……」


神は珍しく、まともな提案をしてきた。

「仕方がないから、

 特別に職証を偽造してやるよ。」


ウンコは当然、神の話にのった。

「ぜひ、お願いします!」

「で、何の職業がいいんだ? 

 どんな職業でも構わんぞ」


お言葉に甘えて、ウンコは言った。

「聖光勇者がいいです」


「ああ、わかった、

 サラサラ、サラサラとな。できたぞ、受け取れ」


天から、職証が落ちてきた。


早速、ウンコは中を見た。

職業欄には、『性交勇者』と書いてあった。

「ただの勇気ある変態じゃねえか!」


「不服か?」

「当たり前だろ!」


「では、書き直すとするか。

 で、今度は何がいい?」


「じゃあ、チョイ悪っぽく、

 666(スリーシックス)勇者で」


程なく、天から職証が落ちてきた。


中の職業欄には、

『SEX・SEX・SEX勇者』と書いてあった。

「またしても、変態じゃねえか!」


「わがままなウンコじゃのう。

 仕方がない。サラサラ……」


程なく、天から職証が落ちてきた。


中の職業欄には、

『S※X・S※X・S※X勇者』と書いてあった。

「やっぱり変態じゃねえか!」


「えっ、

 神としては上手く隠したつもりなのじゃが」


「全然隠せてねえよ! これを見たらさ!

 100人中100人が、

 セッ※スを連想するよ!」


「では、これならどうじゃ? サラサラ……」


今度の偽造職証には、

『SOX・SOX・SOX勇者』と書いてあった。

「これじゃ、

 まるで靴下フェチの変態じゃねえか!

 悪化してるよ!」


「なら、何なら良いんだよ?」

「じゃあ、ハイパー勇者で」

「わかった。サラサラ………」

 

程なく、職証が落ちてきて、

ウンコは中を読むと叫んだ。

「H勇者ってなんだよ!? 

 変態そのものじゃねえか!」


ちなみに『H』とは、

『HENTAI』の略語である。


「神としては、

 カッコ良く略したつもりなのじゃが……

 なら、どんな職業なら、良いのじゃ?」


「じゃあ、HERO勇者で、

 今度は卑猥にするなよ」

「うむ、サラサラ……」


職証が落ちてきた。

ウンコはそれを読むと、叫んだ。

「ERO勇者って何だよ! 

 世界中で通用する変態じゃねえか!」


「今度は、

 しっかりと、

 卑猥な『H』を除いたではないか?」


「除いて良い『H』と、

 除いて悪い『H』が世の中にはあるんだよ!」


「そうなのか……なら、これで最後じゃ、

 なんの職が良い?」


「じゃあ、Hを戻して、

 オーソドックスにHEROで」


「わかった。サラサラ……ほらよ」


天から落ちてきた職証を、ウンコは広げた。


職業欄には、ただ、

『H・ERO』と書いてあった。


「純度100%の変態職だな! 

 お前、俺をバカにして遊んでるだけだろ!」


「バレたか。はっはっは」

「もういい、寝る」


ウンコはゴロリと路上に横になり、目をつぶった。

コトコトン、と音がした。


目を開けるとさ。


地面に、職証が2つ置いてあった。


1%の期待もしていなかったが、

ウンコは1つ拾って、読んでみた。


『名前 ゲリー・ブリット

 LV50 職業 流れ者

 性別 男 年齢 17

 HP555 MP333

 力255 身の守り255 

 素早さ255 魔力255』


偽造職証として、

模範的とも言える内容が書いてあった。


もう1つの方は、ミーニャの分でさ。


その職業欄には、

『没落お嬢様』と書いてあった。


「どうじゃ、今度のには文句がなかろう? 

神の慈悲に感謝しろ」


神はそう言うが、今までの経緯を考えるとさ。

イマイチというか、全く信用できない。


俺は聞いた。

「何のつもりだ、神よ?」

「ようやく世界が動き……たんだ。

 今、お前に立ち止ま……ちゃ、困るんだよ」


「よく聞こえねえよ。なにが困るんだ?」


「今のは、神の独り言じゃ。聞き流してよい。

 それよりも、その偽造職証を使って、

 せいぜい就活に励むんだな」


そんなこと、神に言われるまでもねえ。

俺は、これから成り上がる。

ズキンの兄に相応しい、


『究極の存在

 =アルティメット・オブ・アルティメット』

 になるんだ。

 うぉおおおおおおっ!

 ガンバるぞぉおおおおおおっ!



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