第76話 人のフリ見て、我が身を直す。
扉の封印が解けた。
同時に、ちり紙(職証君)が駆け込んできた。
ちり紙は言った。
「ウンコは一気にレベルが上がった」
レベル70となった、
今のウンコのステータス。
かっこよさ -445。
ウンコの臭さ 545。
……後は省略する。
遅れて、ルルナとアゼレアがやって来た。
「ウン公さんなら、やると信じてました」
「そうだ。私も貴様なら、
100%勝利すると思ってたぞ」
ルルナとアゼレアは白々しく、それぞれ言った。
嘘つき、嘘つき、大嘘つきめ!
ウンコは激しい殺意に駆られた。
だが、今はまだウンコ。
だから、ガマン。
これから、俺は『究極ゴッド勇者』になる。
復讐はそれからだ。
ウンコは言った。
「ねえ、神ミミックさん。
俺が欲しい物なんだけど……」
「………………………………………………………………」
神ミミックさんは気を失っていた。
というか、ウンコの臭いで瀕死?
俺たちは力を合わせて、神ミミックさんをさ。
『危険』なウンコ臭い部屋から、
『安全』な地雷原に運んで、介抱した。
目覚めるや、神ミミックさんは言った。
「はっ……なぜ、我まだ生きてる?
死んだバアちゃんと
三途の川を渡っていたはずなのに」
マジに危篤状態だったようだ。
ああ。
助かって、本当によかった。
「アゼレア様。
神ミミックさんを救うために、回復魔法を!
それと、残りの薬草を、全て使う許可を!」
そう土下座して、頼んだ甲斐があった。
神ミミックさんの命は救われたのだ。
神ミミックさんは言った。
「ウンコ、お前が助けてくれたのか?」
俺は答えた。
「はい、俺がアゼレアを説得し、
回復魔法と薬草を使わせました」
「ありがとう。お前は命の恩人だ。
なんでも、欲しい物を言え」
そう言われたので、早速さ。
『究極ゴッド勇者の転職書』が欲しい。
そう言おうとしたんだけどさ。
ケチ魔女がウンコの胸ぐらをつかみながら、
脅してきた。
「ウンコ、『金のなる木』が欲しいと言え。
さもないと殺す」
いきなりのDQN発言に、
ウンコは思わず叫んだ。
「魔王を倒すために、
呪文書が欲しいんじゃなかったのかよ!」
「そんなの嘘に決まってるだろ。
よく聞け。
金さえあれば、どこでも生きていける。
人類が滅んだって、生きていけるのだ!」
うわあ、こいつ。
1時代に1人のクズ野郎だ。
だが、同じ時、同じ空間にさ。
同じレベルのクズ野郎が、もう1人いた。
バカ騎士だ。
「ズルイです。アゼレア!」
そう叫ぶと、ルルナのバカはさ。
ウンコの喉元に剣を突きつけながら、脅してきた。
「ウン公さん。
私は『超カッコ良く、超強い剣』が欲しいです。
じゃないと、
このウンコブレードを尻にぶっ刺します」
「バカの戯れ言は聞くな! 金のなる木だ!」
そうアゼレアが叫んだ。
「ケチの言うことは無視です!
『超カッコ良く、超強い剣』です!」
そうルルナが叫んだ。
「「ガルルルゥウウウ」」
2人はいがみ合い始めた。
2人は決闘を始めた。
だが、ウンコをいじめ過ぎて、
ルルナのMPはゼロ。
同様に、神ミミックを救ったため、
アゼレアのMPもゼロ。
しかも、2人とも疲労困憊である。
必然的に、決闘はグダグダの泥仕合になった。
取っ組み合うバカ騎士とケチ魔女。
「このケチ!」
「このバカ!」
お互いのホッペを、
グニュ~~~と引っ張り合っている。
ウンコは思った。
醜い。醜すぎる。
人はここまで、醜い化け物になれるのか!
人間、何があろうとも、こうなってはいけない。
絶対にだ!
ウンコにプライドが目覚めた。
だから、言った。
「俺は、
『石像病の特効薬』とそのレシピが欲しい」
神ミミックは言った。
「お安い御用だ」
神ミミックの口から、
薬とレシピの入った袋が吐き出された。
袋を拾うと、俺はルルナに言った。
「これを持って、
ヘンデルとグレーテルの下へ走れ」
袋を受け取ると、ルルナは泣きながら、言った。
「ウン公さん、貴方はなんて善い人なんでしょう」
ルルナは自分の頭をポカポカ殴りながら、続けた。
「それに比べて、私は……
なんて、醜いんでしょう!
姫騎士として恥ずかしいです!」
こうしてルルナは、
人間としてのプライドを取り戻した。
「行ってきます!」
そう元気よく言うと、バカ騎士はさ。
神ミミックさんの作ったワープホールで、
外に出た。
なんとか、
ルルナは人間のまま、踏みとどまったようだ。
しかし、アゼレアの方は手遅れだった。
人外に堕ちたケチ魔女。
殺意の波動を全身から迸らせて、叫んだ。
「私の夢……金のなる木が……
ウンコ、殺す、殺す、殺す、
殺して、殺して、殺しまくってやる!」
だが、ウンコはプライドに目覚めているのだ。
「好きにすれば」
ウンコは平常心でそう言った。
魔物として生きるくらいなら、
俺は人間として、尊厳ある死を選ぶ。
「覚悟しろよ、ウンコ」
アゼレアはそう言うと、
俺を乱暴に引きずりながら、
ワープホールに向かう。
外に出る前に、神ミミックさんが言った。
「ウン公、お前は良いヤツだから。おまけだ」
神ミミックさんの口から、
光の玉が2つ吐き出された。
2つの光の玉は、
俺の胸のペンダントに当たってさ。
それぞれ紅と蒼の宝玉となった。
外に出た後。
当然、
ケチ魔女は俺から宝玉を奪おうとしたのだが……
ぷぷぷ。
このペンダントは、絶対に外せないし、
絶対に壊れない。
だから、ペンダントを飾るこの宝玉は、
絶対に奪えない。
これは聖女『ズキン』の祝福であり、
神『幼女』の呪いなのだ!
ざまあみろ!
ヒャババババババババぁああああ!




