創世記
―読んで考えるのもいいけど、
何より、読んで「感じて」欲しい―
昔、この地球に、種は一つとして存在しなかった。
地球は幾つもの種を創造した。が、一つとして、永きに渡り存在し続けることは無かった。
地球は嘆き、悲しみ、苦しんだ。
「私では駄目なのか」と。
その頃、月では異変が起きていた。
天空は融けていき、大地は裂けていった。
それは世界の崩壊。
月という一つの星の死であった。
「もう、月には居られない」
「月を去り、別の星へ移ろう」
「そこで新たな世界を築こう」
それが「月の王」の決断だった。
「月の王」は、新たな安住の地に、地球を選んだ。
「私たちを貴方の処に住まわせて欲しい」
この願いに地球は大いに喜び、快く承諾した。
多少の時間はかかったものの、「月の者」達は地球に自身を適応させていった。
しばらくすると、「地球生まれの月の子」が次々と誕生した。
「地球の子」の誕生である。
そうして、地球に「月の者」と「地球の子」が繁栄していった。
しかし。
いくら地球で産まれたからといって、月の者の血を引いている限り、
「本当の地球の子」とは言えない。
それもまた事実であった。
そこで、月の王は地球に、こう提案した。
「我々に似せて、『新たな種』を創造してはどうだろうか。」
地球は、再び種を創造した。
月の者達も積極的に協力した。
「新たな種」が生まれるのに、そう多くの時間は掛からなかった。
限り無く月の者に似た「新たな種」。
その最初の独りを、月の王は「アダム」と呼んだ。




