表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/111

第八十五話 迅速なる攻略【蓮視点】

「……とのことです。サラマンダーの指揮する部隊は、迅速に行動してください」

「了解……よし、動こうサラン」

「そうだね、マイン」

 莉沙りさと僕は落ち着きを保ったまま、数人と迅速に学校の塀を越えて行く。

「“カーマイン班配置に着きました”」

川蝉から発せられた声を聞いて、僕は突入のカウントを行う。そしてカウントゼロで、黒煙が上がる分離奇生命体の施設に潜入した。僕は黒煙の中態勢を低くし、仲間を把握しつつも魔浄教団員を探した。そして見つけた人数は十人、情報と同じ人数であった。所持している武器は、槍や杖など、遠方を攻撃する武器が多かった。だが、足運びは決してプロの者ではなく、かき集められた素人なのだろうと察しがついた。もちろんそれが罠と言う可能性もゼロではないが、どちらにしろ行動は起こさねばならない。黒煙に紛れて昏倒こんとうさせるのが良いだろう。そう思い、僕は素早く、物音たてること無く動いた。僕の行動に同期し、命令しなくとも仲間達は動き出す。そして全員が配置に着き、一糸乱れぬ動きで相手を昏倒させる。その後周囲に新手が来ないかを慎重に確認したのち拘束し、これ以上燃え広がらないように赤力術式で消化をし、事後処理が大変なため、監視カメラを避けながら、次は校舎の中へと潜入していく。そして、誠の情報に従い、他の部屋は用心するだけで手間を取らず、職員室に向かった。職員室に着くと、魔浄教団員と、先生らしき大人が話し合いをしていた。大声で会話している訳では無いので、あまりよく聞こえないが、生徒の開放を話し合っているようだ。

「サラン、敵の位置は把握したわ。入り口から前方四メートル、左一メートルで閃光を放てば、全員を無力化することが出来るはずだわ」

 僕は、莉沙の的確な指示に従い、無詠唱で、『下位術式かいじゅつしき過光星かこうぼし』と言う、強烈な光を放つ光の球体を投げる。その球体は、莉沙の言った位置へ放物線を描いて到達し、強烈な光を放ち、中にいる人間の視界を塞ぐ。この赤力術式は、数秒目と、目から伝達を受ける脳などを一時的に麻痺させるだけで、後遺症も残らないが、その数秒はとても大きな隙である。その隙をついて、僕達は次々と魔浄教団を昏倒させていく。そして

「テロ実行犯、拘束完了しました」

 僕達は魔浄教団員の拘束を終えた。

「あの、貴方達は?……」

 僕が、川蝉へ報告をしていると、『過光星』の麻痺から解放された先生だと思われる男性が話しかけてきた。僕はその言葉に、丁寧に答えた。

「僕たち個人は名乗るほどの者ではありません。ですが、警察やその他いろいろな人に聞かれることもありましょう。その時はこういってください。『川蝉』、と」

 僕はそう言って、説明もほどほどに魔浄教団員(誠達が拘束した魔浄教団員含む)を抱え、撤退した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ