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分離寄生命一蓮托生(ぶんりきせいめいいちれんたくしょう)  作者: 波麒 聖
『路地裏万華事件』
110/111

第百二話 他愛ない夜

 そして数日、俺は特に任務も無く学校に登校していた。川蝉以外に仕事などやることがある川蝉メンバーは、比較的任務が回ってこないのだ。

「と言う訳で、今週の木曜日は社会見学で聖天教会せいてんきょうかい聖地せいちに行きます。そこは聖天教会にとってとても神聖な場所ですので、各自節度を持った振る舞いをしてください」

「「「はい」」」

「では今日のホームルームは終了です。号令係だん、号令をお願いします」

「起立……気を付け、礼」

「「「ありがとうございました」」」

 今日最後の授業であるホームルームが終わると、同級生らは次々と帰路に就く。

「誠ー。隣の教室はもう終わってるみたいだから帰ろうぜー!」

「おう」

 俺は友也の言葉を聞いて動き出した。隣の教室に行くと、彩芽と和義が待っていた。

「あ、ホームルーム終わった?」

「おう」

「じゃあ帰ろっか」

 俺達はいつものメンバーで帰路に就いた。

「今日の晩御飯は何がいいかしらね~。千姫ちゃんは何がいい?」

「ん……肉じゃが」

 彩芽の質問に、千姫が少し考えながら返答すると、彩芽は嬉しそうに頷いた。

「そうね!肉じゃがの材料なら丁度良いのが家にあるし、そうしましょう!誠もそれで良い?」

「もちろん」

「三人生活にもずいぶん慣れてきたみたいだな」

 俺達の会話に和義が言うと、友也、美幸、紫穂が頷いた。(真十花は紫穂に手を引かれながら半分寝ている為、会話には参加していない)

「まぁそうだな。三人いると色々楽で良いな」

「なにそれ!人を便利道具みたいにぃー!」

 俺の発言が気になった彩芽は少し頬を膨らませながら言った。

「いや、そうゆう訳じゃない。たしにか便利にはなったんだが、それは助かっている、であって別に道具扱いをしているつもりは無いぞ」

「そう?なら良いけど」

 なんて会話をしながら俺達はそれぞれの家に帰った。

「はいっ、今晩は千姫ちゃんのご要望通り肉じゃがです!」

 そう彩芽が言って出してきた料理は、肉じゃがと、副菜である株の漬物、そして定番の豆腐とわかめのお味噌汁であった。(天風達にもほぼ同じものが用意されている)

「いつもながらにおいしそうだな」

「でしょう?さ、食べよ食べよっ」

「「「いただきます」」」

 そう言って、俺達は食事を始めた。

「「ごちそうさまでした」」

「はい、お粗末様でした」

 俺達はしっかりと手を合わせて言った後、食器を流しに運ぶ。

「肉じゃがのじゃがいもに味がしっかりしみてておいしかった」

「本当?千姫ちゃんありがとう!」

 そんな会話をしながら洗い物は進み、その他もろもろを済ませ、俺達は自室に入った。

「天風、おいで」

 俺が呼ぶと、天風はテクテクとゆっくり、俺の膝元に寄って来た。

「いま毛繕けづくろってやるからなー」

 そう言って俺は天風の体毛をブラッシングする。天風はそれに「クゥーン」と気持ちよさそうに鳴きながら、瞼を閉じていた。その後三十分ほど毛繕いをした後、俺は眠りについた。

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