12話 恐怖の幕開け
......お...てっ!......ねぇ..起きて!
「はっ!ヒナ!」
俺は自分にベットの上で体を起こす。
「ざんねーん、僕でした☆ 」
「ここは...俺の部屋か?」
「そうだよー。体の具合はー大丈夫?」
俺は何を...牛みたいな奴が出てきて...あ、倒したんだ。...それから...神と...あぁ全部思い出した。
「体の具合?あぁ少しだるく感じるな。まぁ問題はなさそうだ。そんなことより今は何時だ?」
「夜中だよー。夜中。」
...まぁ1日くらいか、やっぱあのおっさんはマジだったのか?
「あんま驚いてないねーどうかしたー?」
「いや、俺がだるく感じてるのはいつものことだなってな。」
「ははははっ。それもそーだな。......にしても遅いなー。」
「何がだ?」
「いやー、ヒナも来るって言ってたんだけどねー。あまりにも遅いなーって...少しみて来るよ」
...そういえば、おっさんにリクと一緒にいろって言われたな。少し信じてみるか。
「俺も行く。」
「いやいやー、僕に向かって『はっ!ヒナ!』なんて言うくらい、早く会いたいのはわかるよぉ〜でも、結構距離あるしー安静にしとくべきだよー」
まぁリクの言うことも一理あるか
「仕方ない。おとなしく待ってるよ。」
それを聞いたリクは少し早足で行ってしまった。
☆☆☆
リクはなんとなくだか嫌な予感がしていた。今までリクのこう言うなんとなくな予感は外れたことがなかった。その事実がリクの焦りに拍車をかけていった。
リクは階段を駆け上がる。
夜中だからと言って完全なる暗闇ではない。なにせ勇者たちの特別待遇な部屋付近には電気がついている。だから階段を踏み外さないでいられる程度の明かりはある。
階段を登りきりヒナの部屋に向かって廊下を走る。ヒナの部屋はリクの部屋のほぼ真上に位置している。
...やけに、静かだねー。
リクは物音1つ聞こえない廊下を走っていた。やがて1つののドアの前で止まる。
...確かここだよねーヒナの部屋って
コンコン...
リクはヒナの部屋のドアをノックする。
.........返答はない。
ゴンッ!...ゴンッ!
先ほどより強く叩いたが......中から音は聞こえない。
くっ!叩き斬ってでも...ガチャ......ん?このドア鍵がかかっていない...だと!?
リクはドアノブをひねり勢いよくドアを開けた。
シーーーンッ
.........そこには誰もいなかった。
だが、リク視界の隅に映った窓の近くの白い壁に赤いシミが少しあるのを見逃さなかった。
すかさずリクはスキル『鑑定』を使う。
ーーー
人間の血液
詳細
「ヒナ」の血液
次の更新は結構後になると思います。