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お前らはこういうのが好きなんだよな!!!!~佐伯悠馬、異世界で全部やらされる~  作者: 雪森蓮


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総帥、世界を「出荷時設定」にリセットする~原状回復は基本合意です~

皆大好き異世界巻き戻り(違)

一秒ごとに「-100」ずつ減り続ける徳のタイマー。

 佐伯悠馬さえき ゆうまは、血走った目でコンソールを叩き、ショップスキルから召喚した『ハミルトン製・次元改変用大型サーバー』の冷却ファンを全開に回していた。


「……お母さん。英国紳士は、修復不能なシステム不具合バグに直面した際、迷わず『再インストール』を選択します。……ノア、これよりこの世界の因果律を、私が転生した瞬間の『バージョン1.0』まで強引にロールバックします」


「兄さん! 了解っす! 歴史の改ざん、もとい『不適切なデータの削除』っすね! 邪魔な時空の歪みは、僕の広背筋で押し戻してやるっす!(野太い声での咆哮)」


『えっ、悠馬くん!? それは流石にメタすぎるよ!☆ 私の神権を無視して「出荷時設定」に戻そうなんて……!☆』


「……女神。貴女の運営マネジメントが杜撰すぎるせいで、この世界は持続不可能です。……ハミルトン・セキュリティ、起動。全事象を『一旦なかったこと』にします」


悠馬が杖を地面に突き立てると、世界の色彩が反転した。

 猫耳牛が消え、ハイテク農場が砂に戻り、世界帝国の憲法が白紙に還る。悠馬の「魅了」さえも、一時的なシステム・エラーとして隔離クアランティンされていく。


すべてが光に包まれ、悠馬の意識が遠のく――。


気がつくと、悠馬は「異世界一日目」のあの森の中にいた。

 手には、使いかけの『Tescoのアールグレイ』のティーバッグ。

 隣には、ただの「顔の良い脳筋の弟(颯太)」に戻り、なぜか馬鹿げたフリフリのドレスを着たまま呆然としている銀髪美少女のノア。


「……あ。兄さん? 僕は今、何をしてたっすかね? ……っていうか、この格好は何っすか!? 恥ずかしいっす!(野太い声)」


「……ノア。戻りました。……お母さん、ようやく、物語が『まともなプロット』に帰還しました。……徳のカウンタは?」


ピコーン!


【徳:±0】

【状況:世界を無理やりリセットしたため、全人類から記憶が消去されました。ただし、世界を破壊(再構築)した代償として、悠馬の『ショップスキル』に「通信制限」がかかりました】


「……通信制限(ギガ死)、ですか」


『あはは! 悠馬くん、ズルしたからね☆』


女神が、今度は「スマホショップの店員」のようなベストを着て現れた。


『今の悠馬くんは「低速モード」だよ☆ 一日一回しかアイテムを注文できないし、出すものは全部「Tescoの廉価版」になっちゃうからね♡ 頑張って、スローライフ(物理的な不便)を楽しんでね!☆彡』


「………………」


悠馬は、懐から出した『Tescoのチョコレート(通信制限で溶けてボロボロになったもの)』を、無表情で噛み締めた。

 徳はゼロ。スキルは制限。周囲の人間は「変な服を着た不審な王子と令嬢」として、自分たちを遠巻きに見ている。


【読者満足度:測定不能(「全部リセットして最初から」という禁じ手を使って、より不便になる主人公www)】

【称号:『セーブデータを消した男』『低速モードの魔王(笑)』が追加されました】


「……女神。一つだけ。……私は、ロンドンの……。……いえ、もう、何も言いません……」


ハミルトン総帥、異世界(実質)一日目・再。

 彼の「原状回復」は、一億の負債を消した代わりに、彼から「有能なツール」を奪い、再び「何も持たない(が、胃薬だけはある)放浪者」へと突き落としていた。



不定期で更新します。評価、ブクマ、感想いただけると励みになりますよそりゃあもう!たまに押してくれても罰は当たらないんですよ!そこの読んでくれてるあなた!!


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