表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お前らはこういうのが好きなんだよな!!!!~佐伯悠馬、異世界で全部やらされる~  作者: 雪森蓮


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/25

総帥、辺境でスローライフ(環境破壊)を定義する~自給自足は大規模プラントの別名です~

なかなか異世界王道物にならない(; ・`д・´)

ハミルトン帝国の激務から逃れるため、佐伯悠馬さえき ゆうまは、地図にも載っていない最果ての辺境「のどか村」へと降り立った。

 背後には、ドレスの裾を泥に塗らしながら、巨大な登山用リュックを背負った銀髪の令嬢――ノアが控えている。


「……お母さん。ついに見つけました。コンプライアンスも、M&Aも、重すぎる愛もない、真の平穏です。……私はここで、一介の農夫として、土と共に静かに朽ち果てたいと思います」


「兄さん! さすがっす! 隠居ライフの開始っすね! とりあえず、この村の連中を全員プロテインで鍛え直して、最強の農業兵団(農家)に仕立て上げましょうか!(野太い声での咆哮)」


「……ノア。それはスローライフではありません。私は、ただ、自分の手で一粒の麦を育てたいだけなんです」


『ピコーン☆ 悠馬くん、待望の「スローライフ編」突入だよん♡ でも悠馬くんが普通にクワを振るわけないよね☆彡』


「……了解。……まずは、自給自足の基盤となる『家庭菜園』の整備を開始します。ショップスキル、起動」


悠馬の意図は、小さな畑を作る……ただそれだけだった。

 だが、彼の「効率化」への本能が、ショップから呼び出したのはクワではなく、『ハミルトン製・自律型多機能開拓重機:グレート・ハーベスター』だった。


ズガガガガガガガ!!


数分後。のどかな森は跡形もなく消え去り、そこには地平線の彼方まで続く、精密に区画整理された「ハイテク自動農場」が出現していた。

 悠馬が「とりあえず」で散布した肥料は、ショップ産の『超高濃度・魔力増幅成長剤』であり、翌朝には、大人の背丈ほどもある「巨大化した超・小麦」が、軍勢のように村を埋め尽くした。


「……なぜでしょう。私が植えたのは、ささやかなパンの材料だったはずですが」


「兄さん! 大変っす! 兄さんの育てた小麦が、あまりに栄養豊富で美味すぎるせいで、隣の領地の領民たちが『こんな不味い粥が食えるか! ハミルトン村に亡命させろ!』って一揆を起こして、さっき領主の城が陥落したそうっす!(野太い声)」


ピコン!


【徳:-300,000】

【理由:辺境の豊かな生態系をコンクリートとバイオ技術で蹂躙し、周辺地域の農業経済を一晩で壊滅ハイパー・デフレさせたため】


「…………なぜ、こうなった」


悠馬は、全自動で収穫・製粉・袋詰めまで行うベルトコンベアの横で、膝から崩れ落ちた。


【読者満足度:100,000,000%(「のんびり農業」が「産業革命」に変わる瞬間、最高すぎるww)】

【称号:『森を消す男』『歩く農薬(笑)』が追加されました】

【現在の状況:村の長老たちが『悠馬様は豊穣の神だ!』と、トラクターを御神体にして新興宗教を立ち上げました】


「……女神。一つだけ。……私は、ロンドンの……あの、どこまでも灰色の……排気ガスにまみれた……生命力の薄い街角が、今、狂おしいほどに恋しいんです…………」


『ダメ~☆ 明日は「ハミルトン農産・世界輸出ギルド」の設立総会だよ♡ 頑張って、世界の胃袋を掌握してね!☆彡』


悠馬は、トラクターに祈りを捧げる村人たちと、それを「兄さん、次は養豚場を作って世界中に筋肉の恵みを配りましょう!」と笑うノアに囲まれ、静かに六錠目の胃薬を飲み込んだ。

 ハミルトン総帥、異世界十九日目。

 彼の「スローライフ」は、一晩で辺境を「世界最大の農業輸出プラント」へと魔改造し、人類の食糧事情を暴力的なまでに解決しようとしていた。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


悠馬君の父、佐伯拓海と、ノアの父、エドワード・ハミルトンのお話です。


いいねや感想など、いつも励みになっています。

この話もゆるく続いていく予定なので、

また気が向いたときに覗いていただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ