第44話 インビジブルオブデス9
「じゃあこの写真はなんなの?早く言った方が身のためだよ〜」と、楓夏は私の写真をひらひらと片手に持ち問い直す。
「私が知るわけないでしょ!そもそもどうしてプロマイドってだけで働いてるって事になるのさ」と反論しながら、写真を3人の手から取り上げてそれを灰に帰す。
「うあああ!私のコレクションがあああ!!」とレイが頭を抱えてヘッドバンキング。
稜葵は「せっかくの世界征服計画が······」などと呟いている。こんなもので世界が統一されたら歴代の悪役の思いが浮かばれない。
「あっ、そういえば楓夏って先生に呼び出し受けてなかった?」と、ふと思いだしたので聞いてみると、
「ああ、忘れてた忘れてた。黒の出所手続きなんだよねえ、これがまた。」と左手で頭をポリポリする。そして「それじゃあ、ちょっと逝ってくるから先に弁当食べといて」と言い残し楓夏が教室を去る。
「うーん、私もバラの花でも摘んで来ますかねえ?」と楓夏が去るのを見届けてから席を立って背伸びする。
「ん?身体をいじくれる能力があるならトイレなんて行く必要無いんじゃない?」とレイが顔を傾けながら痛い所をついてくる。
「い、いやそれは私のリビドー観念的に必要なの。あ、別にそんな疚しい意味ではないからね!」と言い訳に変な事を口走ってしまい顔を赤くする。急いで教室のドアから凱旋。静かな廊下こそ私の故郷。
すると廊下で私の行く手を阻む独りのツインテ少女が顕る。
「戸室さん、何処に行くつもり?」と晩年クラス委員の姫路菊が廊下の中央を通り私に近づく。
「ちょっとお話を聞きにトイレへ、かな?」と顔を逸らしながら答える。
「お話をしに?誰とまでとは聞かないけど、もちろん私も同行して問題ないのよね?」と軽く作り笑いをして、私の右手を強引にとる。
「お、オフコース······。」
「それでは契約成立。今日1日あなたは私の目の届く範囲で暴力は振るえないってね」
「別に暴力なんて非人道的なことするなんて一言も言ってないんだけどなあ······」
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「は?俺がそんな事知るわけないだろ。それに中等部三年って。コアすぎて物知り仙人も知らねぇレベルだろ」とベルゼがスッポン片手に呆れを含ませながら質問に答える。
「えー?清掃員っていったら裏で情報屋をしてるのが定石でしょ?」と此方も呆れを含ませる。
「戸室さん、話し相手ってこの人のことなの······?」と姫路も私に呆れている。呆れ具合が2対1でいつの間にか私ピンチ。
「ちょ、ちょっと!このままじゃアンタのせいで私が惨めな人になっちゃうじゃないの!何でもいいから吐きなさいよ!」とベルゼの胸ぐらを掴んで前後に揺らす。
「うるせえ!昨日お前さんが聞きたがってた事じゃないだろそれ!!」とベルゼが私の脛を蹴ろうとする。が、私の防御キックと衝突し衝撃が走る。攻撃こそ最大の防御とは将にこのこと。
「それは後回しになったんだ、よ!!」とお返しに胸ぐらを離して右ストレートをお見舞いしようとする。が、ベルゼの右ストレートと衝突し衝撃が走る。奴に私の技術が盗まれてしまった!こうなったら秘奥義『ハエたたき』をくれてやろう······。
「ちょっと二人共、暴力はやめて!戸室さんもさっき暴力禁止って言ったじゃない」と姫路レフリーの仲介。くっ、次の一手で轟沈させられるのに。
「あ、ああ。俺もちょっと頭に血が登ってたわ······すまん嬢ちゃん。」とベルゼが姫路に頭を下げる。
「え?私への謝礼は?」と人差し指で私の顔を指す。一番の被害者である私にこそ一番に謝るべきだろうに。
「え?お前は同罪だから別にいいだろ」
「は?」
「ん?」
「二人共!だーからやめてって!まともに会話も出来ないの!?」と姫路レフリーまたもや険悪ムードをK.O。「ここは私に任せて戸室さんは外で待ってて!」と姫路に促され私はトイレという魔界から無理矢理追い出される。
来年の夏に全てリライトします(宣言)




