表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暁の帝国 ~第二次世界大戦編~  作者: 川嵜 怜太
対立!日本vs独第三帝国
35/55

ガトゥン湖接近戦

1943年12月26日

バロ・コロラド沖2キロにて大和は

ガトゥン川にて展開する二隻の大戦艦と

交戦状態に入った。

交戦距離は僅か13キロ、双方の命中率は

かなり高い。

戦艦大和艦長“有賀幸作”は敵の攻撃を待った。

それは大和の圧倒的な力をルーズベルトに

わからせて講話を早めるためであった。


『フン、ジャップめ。

生意気にもあんな戦艦を作りやかって。』

双眼鏡越しに睨みつける。

ジョン・L・マックレア少将は無線電話を

手に取りニュージャージー艦長

カール・F・ホールデンに無線を繫げるように

指示する。


『おい、ホールデン、同時に攻撃するぞ。』


『何を言っている、装填時間を埋め合うように

射撃する方が効果的だ!』


『いや、奴の戦闘能力を奪うのが専決だ!!』


『様子見という言葉を知らんのか?』


『ええい!ホールデン、これは上司の命令だ!

同時射撃、いいな?』


電話越しに受話器を叩きつけるホールデン。

拳を強く握りしめ、ホールデンは言い知れぬ

不安感に身を締め付けられた。


一斉射、計18発が大和に降り注ぐ。


『命中弾15発、徹甲弾7発、榴弾8発の混合射だったようです。』

副艦長の大城戸が淡々と状況を報告する。

目が死んでいると言われる大城戸行成おおきど ゆきなり

冷酷無比とも言われており、なおさら海軍部内ではのけ者にされていた。

しかし、それは見た目だけの話であり冷静沈着で

戦況を理解するのが早い。

有賀の右腕として今まで第十七海上護衛艦隊副司令官を

努めていた。


『大和への損害は皆無、注水を続けます。』

大和はパナマ運河のモンタナ級専用の運河を通ってきていたが

その全幅の広さから排水を繰り返しながら波を作り

乗り上げる形でガトゥン湖までたどり着いたのだ。

既に排水できる水は無くなっており軽くなった大和は

それにより、56㎝三連装砲の正面斉射で大きく船体がぶれる

のである。


『クソったれ!!どれだけ砲弾が命中した!!』

損害という損害を与えられなかった一斉射撃。

アイオワの砲撃力不足を痛感したマックレアは砲弾の切り替えを

行った。


『SHS、全砲門に装填。あのくそったれにぶちかましてやれ!!』

主砲の仰角の再調整が行われる。


『射撃開始!!』

アイオワの砲身が火を噴く。

第二斉射、9発中7発が命中。しかし……


「SHSではこの大和の全周複合装甲は破れんぞ!!」

その言葉通りに損害は皆無であった。


『有賀艦長、安全注水量を超えました。

       “いつでも撃てます”』


「照準、敵の砲塔を一斉射で破壊できるか?」


『海防艦の127㎜砲とは違い余裕で破壊できます』


「射撃指揮は私に預けてくれないか。」


『了解であります。しっかりと照準しましょう!』

大和の長大な主砲砲身が軽々と持ち上がる。

現在大和は正面の6門のみアイオワ、ニュージャージーを

射角に収めている。


「第一砲塔はアイオワ、第二砲塔は待機だ。」

巨大砲塔が旋回する。

金属と金属が擦れ合う重工な金属音がする。

その砲身はアイオワを捉えると小刻みに砲身先が動く。

戦慄を覚えるマックレア艦長。


「撃ち方、始め!!!」


前代未聞の大火力、空前絶後の波紋、469000トンの船が

大きく揺れる程の衝撃波。

全てをとっても艦に乗る主砲では世界最大で

その未知の大火力はアイオワの砲塔を抜いた。


『主要装甲区画が貫通され……第一砲塔火薬庫…………炎────』


アイオワは大爆発を起こし、転覆。

その後、二番砲塔が脱落し後部火薬庫が誘爆。

二つに折れて海底に沈んだ。


『な………………』

ホールデンは言葉を失い立ち尽くす。

船員の士気はもはや0に等しい状況でただ隣で黒煙を吐きながら

沈んでいくアイオワを眺めることしか出来なかった。


『大和、機関始動した模様。接近してきます。』

見張り員の報告も、艦長以下1420名には届かない。

22発の命中弾を受けた後とは思えない速力。

圧倒的な大きさ、巨砲。

ただ、目の前に迫り来る逆らうことの出来ない戦艦を

眺めることしか出来なかったのである。


大和は戦意を喪失したニュージャージーの横を通り過ぎると

大西洋へ出るために閘門を乗り越える。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ